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いなくなった人に

見て 私を見て 私を見ないで
聞いて 私の言葉を聞いて 私の言葉を聞かないで

触って 私を触って
私を触らないで

呪文のような言葉、、

もう忘れてしまった
あなたが書いた言葉を
思い出せない
思い出したい

もういない あなた

煙が立ち上るように
蘇る 声
私を呼びかけて笑ってる
手 指先
細くて長い指 
神経質にタバコを吸ってた時の指

髪 細く長く肩にかかってた

なんだか まだ いそうなのに
秋の虫はラフカディオカーンが草ひばりと呼んでいたと
教えてくれた

虫の音が聞こえる
あなたが蘇る

呼び捨てでいい
また声が聴きたい

何もなくていい
姿が見たい

私はここにまだいるのよ
忘れてしまったの

ばったり出会った時に
あなたから車両を変えた
情が移ってしまうから って

大勢の中の一人にしておきたかった意味は頭では分かったけれど理由は言って欲しくなかった
かえって辛かった

ぼんやりとまた消えてゆく
いないあなた

きっと私がここから、
あなたのいるそこへ
いくまで何度でも繰り返し
蘇るのね

呪文のような言葉

私はまた明日を迎える


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