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PS2用HDMIコンバーターとキャプボの組み合わせ

PlayStation2が発売されてから早20年以上になりますが、いまだ現役稼働
していることも多く、配信などでも非常に人気の機種となっています。

そんなPS2ですが、配信等で利用する方法の一つにHDMIコンバーターを
利用して各種キャプチャーボードと接続するやり方があります。

今回は幾つかのHDMIコンバーターとキャプチャーボードを組み合わせて
コンバーターごとの違いと、キャプボごとの変化を見てみようと思います。


HDMIコンバーターをPS2へ使用時の注意点

PS2本体側設定

PS2は標準で付属するコンポジットケーブル及び、各種コンポーネント
出力に対応したケーブルに対応していますが、HDMI化に際して本体設定
より内部出力形式をRGBからコンポーネント(Y Cb/Pb Cr/Pr)へ切り替える
必要があります。

また、本来出力されるはずの映像をアップスケーリング等により信号の
改ざんを行っているため機器相性等、キャプボによって映像が取り込めない場合も起こり得ます。

使用機器

今回用意した機材は以下の通り、HDMIコンバーター全3種に
キャプチャーボードが全4種となっています。

また、HDMI化によるアップスケーリングされた映像との比較用に
コンポジット端子による出力映像も用意ました。

なお全画像データは機器相性による違いを明確にするため、スプリッタ出力で4つのキャプボへ同時に映像入力を行い、一切の補正を入れずに掲載しています。

HDMIコンバーター

YouZipper製 RCA-HDMIコンバーター

コロンバスサークル製 HDMIコンバーター(PS2/PS1用)

メーカー不詳、Amazon取り扱い品 PS2用HDMIコンバーター

キャプチャーボード

Elgato製 HD60 PRO

AVerMedia製 GC570D LIVE GAMER DUO

AVerMedia製 GC551G2 LIVE GAMER EXTREAM 3

SSA製 HDMI-USB ビデオキャプチャーアダプター

周辺機器

AVerMedia製 EzRecorder 330
※RGB出力映像のキャプチャ時の中継器として利用

GREEN HOUSE製 HDMIスプリッター GH-HSPH4-BK

使用ゲーム

FROMSOFTWARE製ARMORED CORE 2及びARMORED CORE 3

RGB出力映像

AC2ガレージ表示
AC2戦闘画面、CAVEマップ
AC2戦闘画面、BATTLE DOMEマップ
AC3ガレージ表示
AC3戦闘画面、SPACE DOMEマップ
AC3戦闘画面、ARENAマップ

HDMI出力映像

YouZipper製 RCA-HDMIコンバーター

AC2ガレージ表示
AC2戦闘画面、CAVEマップ
AC2戦闘画面、BATTLE DOMEマップ
AC3ガレージ表示
AC3戦闘画面、SPACE DOMEマップ
AC3戦闘画面、ARENAマップ

コロンバスサークル製 HDMIコンバーター(PS2/PS1用)

AC2ガレージ表示
AC2戦闘画面、CAVEマップ
AC2戦闘画面、BATTLE DOMEマップ
AC3ガレージ表示
AC3戦闘画面、SPACE DOMEマップ
AC3戦闘画面、ARENAマップ

Amazon扱い品 PS2用HDMIコンバーター

AC2ガレージ表示
AC2戦闘画面、CAVEマップ
AC2戦闘画面、BATTLE DOMEマップ
AC3ガレージ表示
AC3戦闘画面、SPACE DOMEマップ
AC3戦闘画面、ARENAマップ

いろいろ使ってみた感じ

PS2のHDMI化として比較的よく見る構成として3機種用意、比較を
してみましたが機種ごとの結果が大きく違ったと思います。

配信を行う場合、出力された映像へ色補正をかけてリスナーに対して
見やすい画を作り出す必要があるのですが、その方法はコンバーターのみ
ならず接続するキャプボによっても変化するため、一律のやり方ではなく
環境ごとにセッティングを行う必要性が見て取れます。

さて、3機種のコンバーターについて使ってみた感想として

YouZipper製 RCA-HDMIコンバーター

接続方式はPS2本体よりコンポジットケーブルを引き出し、HDMI機器との間に中継する形で導入するため、導入敷居が低く入手性も〇

しかしRGB出力された映像を元にアップスケーリングを行うため、画質は
最も悪く特に暗所の表現が苦手な上、明るい箇所はほぼそのまま表現されるので色補正のバランスが取りづらく、更に暗所は色ノイズが発生しやすい等
調整難度は高め。

余談として今回要したキャプボの中で、最も安価なSSA製 HDMI-USB
ビデオキャプチャーアダプターとの組み合わせが最も映像を作りやすい
結果となりました。

しかし、このキャプボは最近の製品では主流なパススルー機能がないため
特にアクション系ゲームとの組み合わせには、表示遅延対策として工夫が
必要となります。

FF9の戦闘画面、ムービーや移動も問題ない

また、他のコンバーター系と違いコンポジットケーブルをベースとするため
本体設定を変更する必要がなく、PS1系ゲームも遊ぶことが出来ます。
(コンポーネント出力も可能だが映像に違いは出ない)

コロンバスサークル製 HDMIコンバーター(PS2/PS1用)

接続方法はPS2本体の映像出力端子に差し込み、そこからHDMIケーブルを
引き出す構造で、本体ユニットがケーブルによりオフセットされているため
電力供給用のUSBケーブルがPS2側に干渉しづらい設計。

入手性が悪く流通在庫のみ?(2023.6.30現在)、値段も用意した中で最も高く
(¥5,500~¥7,500ほど)導入敷居が高いのが難点です。

映像そのものは暗めの表現だが、色自体の再現性は高く輝度を調整すれば
3機種の中で最もバランスの良い画を作り出すことが可能。

出力映像の明度によりモニター側の調整も必須だが、この製品最大の特徴
としてRGB出力にも対応しているため、コンバーター系では稀有なPS1系の
ゲームプレイも可能となっています。

Amazon取り扱い品 PS2用HDMIコンバーター

※類似商品が多く、個体により挙動も大きく変わるため購入、使用には
注意が必要

Amazonを始めとして、各種ネット販売サイトでよく見るコンバーターで
どれも比較的安価に購入できるのが特徴。

小型で場所を取らないのが利点だが、特に薄型PS2(SCPH-70000以降)への
利用時に本体のACアダプタプラグとUSBコネクタが干渉しやすく組み合わせ
には工夫が必要。

映像出力自体は輝度に強めの補正がかかっており、無調整でも十分な画を
描写できていました。

しかしコンバーター自体の遅延がひどく、ゲームによって画面切り替え時に
信号消失が頻発し、ゲームは動いているのに映像だけしばらく暗転している
ということも珍しくありませんでした。

動画で見ると描写フレームも本来の60フレームを正確に反映出来てなく
遅延による入力ラグもあり、今回のようなアクションゲーム系にはかなり
相性が悪い物でした。

冒頭でも書きましたが、このタイプは個体ごとに挙動が異なる場合が多く
60フレームを描写しきれる個体もあれば、映像暗転からの復帰が異様に遅い
個体など個体差というにはあまりに安定性が無いと言えます。

最後に

さて今回の比較検証はいかがだったでしょうか。

コンバーターについては安価な物から、高画質低遅延を誇る高価な物まで
様々な製品がありますが、本記事では国内で入手可能かつ比較的知名度が
あるモデルを選んでみました。

私自身Twitchという配信サイトで配信活動を行っており、PS2実機での配信も
幾度か行っているのですが、その際にはコロンバスサークル製コンバーターにAVerMedia GC570Dという組み合わせでセッティングしています。

今回はあくまで機材ごとの相性比較ということで一切の画面調整を行わず
コンバーター側及びキャプボ側の特性がハッキリ見えるようにしましたが
実際の配信時には様々な調整を行っており、特にPS2配信時の色調整で
お悩みの場合はツイッター配信などで、お気軽に相談いただければと
思います。

それでは( 'Θ')

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