【音楽】平沢進で昇天しかける(通常運転)

最初に書いておくが、私は音楽理論とかそういうものはさっぱりわからない門外漢である。

そもそも、平沢進がどんなジャンルに属しているのかもわからない。
テクノ? うん、まあ確かにそういう要素がなくもない。
P-MODELはテクノって言われてるしね。

でも「平沢進は”ヒラサワ”というジャンル」なんじゃないかという気がする。

◆何か分からんがカッコいい

事の始まりは、私が大学生の頃に遡る。
よく一緒にカラオケでオールしていたバイト先の友人が、「もし良ければ聞いてみて」と貸してくれたのが、『時空の水』だった。

バイトから帰宅して、早速聞いてみた。

何かわからんがハマる。歌詞の意味はわからんが、音がカッコいい。
ていうか音域広いな!?

後に、彼女がカラオケでよく歌っていて、カッコいいなあと思っていた「BERSERK -Forces」も平沢進の作品だと聞かされることになる。

翌日、バイトで会った彼女に「他のアルバムも聴きたい」と言ったところ、彼女はニヤリと笑って「ハマってくれると思ってた」と言われ、またハマってしまったと思った時にはすでに遅し。

馬の骨1名様、ご案内でーす。
(馬の骨:平沢ファンのことを指す)

◆頭で理解しない、感覚で体感する音楽

平沢進の音楽は深い考察をされる方々も多いのだが、私は『時空の水』を聴いた時点で、歌詞の考察を放棄した。

哲学的でSFのようで、宮沢賢治の影響を受けているという歌詞は、表面をなぞっても仕方ないような気がしたのだから、仕方がない。

万人受けする音楽じゃない。
ただ、ハマる人には恐ろしいほどの中毒性がある。

歌詞の中毒性に加え、サウンドと平沢進の声が作り出す世界の中毒性。

例えば、閉鎖的で、2度と出られない廃墟に蹲っているような音。
例えば、広い空の只中に漂っているような音。
例えば、見渡す限りの大草原で、吹き渡る風にさらされているような音。

共通しているのは、そこに居るのは自分ひとりの孤独な世界、ということ。「キミ」と「僕」がいても、そこに居るのはひとりだ、と感じる。

それが私にはたまらなく心地よくて、惹かれるのだ。

◆平沢進を聴きながらウォーキングをやった結果

あらかじめプレイリストにセットしたのは、下記10曲。
好きな曲の中でも、比較的歩きやすい曲を選んだ。

・コヨーテ
・世界タービン
・Aria
・BERSERK -Forces-
・Sim City
・庭師KING
・環太平洋擬装網
・ロタティオン(Lotus-2)
・RIDE THE BLUE LIMBO
・Switched-on Lotus

イヤフォンを装着して、スピードは時速4.7kmにセット。
いざスタートしてみて、「P-MODELだけど、『論理空軍』と『Ashura Clock』と『SPEED TUBE』入れても良かったなー」と一瞬考えた。

だが、10分を越えた辺りから、足の重さがなくなってきた。
自動的に足は動く、でもふわふわとした感覚。
熱中症とか、そういうんじゃない。水分も随時補給しながら歩いてる。

『Switched-on Lotus』に至る頃には、ほぼトランス状態。
30分超が一瞬のように感じるこの感覚は、インタラクティブライブに参加した時の感覚に近い。

早世したSP-2たちへの鎮魂歌で、危うく私も昇天するところだった。
いや、感覚的にはハスの花咲き乱れる世界に浮遊しているような気分だったので、一部が昇天したかも知れない

なんというか、こう、善き私のようなものが。

◆勧めるなと言われているので勧めません

私はとても素直な馬の骨なので、勧めるな、と師匠が言うのであれば、「はいっ!」とコヨーテよろしく元気に手を挙げる。

なので、勧めはしない、しないけれども、Amazon Musicで『救済の技法』は聴けるよ★ と言うくらいは許される、と思う。

『救済の技法』は、個人的な労働ソングである『庭師KING』と、ライヴでもよくやる『TOWN-0 PHASE-5』も収録されており、Amazon Musicで聴ける版は『BERSERK -Forces-』も入ってるよ!

◆終わりに

馬の骨の端くれとして、考察ひとつもしないみそっかす感はあれど、興味を持ってくれる人がいたらいいな、と思う次第。

Amazon Musicでも他のアルバムが聴けるといいんだけどなぁ。
(今は手持ちのCDからリッピングしてスマホに突っ込んでるので)

いや、あるだけ奇跡だと拝んでおこう。だって馬の骨だもの。

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