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2024.1.16 理科 重力波望遠鏡「KAGRA」とは

記事2024.1.15 の続きです。
ダークマターを検出する重力波望遠鏡「KAGRA」とは、一体どんな装置なのか、調べてみました。

講演「KAGRAプロジェクトと重力波天文学 梶田隆章」YouTube より)

(講演の要約)
 KAGRAは長さ3kmの腕を2本持つ「レーザー干渉計」を備えています。重力波が届き、2本の腕が伸び縮みすると、それぞれの腕に取り付けられた鏡で反射した光が干渉してその振幅が強弱し波形ができます。

この波形を観測して、重力波を起こした天体現象、例えば中性子星やブラックホールの衝突などを観測することを目的としています。
年に数回起こると予想されるこれらの現象をいち早く世界中の天体望遠鏡に知らせることができれば、より詳細な情報を得ることが可能です。

重力波で生じる時空のゆがみとは、どのくらいのサイズなのでしょうか。
地球と太陽の距離は1億5000万kmです。もしこの間を重力波が通過したとすると、この距離が水素原子1個分の大きさほど変化します。この小さな変化を、さまざまな工夫を凝らしてノイズを減らし、観測しようとしています。
そのさまざまな工夫をいくつか紹介します。

(工夫1)
地面の震動が小さな地下(岐阜県飛騨市の神岡鉱山の坑道)に装置を作ります。
(工夫2)
腕の中の光が通る道を真空にすることで、空気中の光の揺らぎを抑えます。
(工夫3)
鏡を-253℃の極低温にすることで、鏡を作る原子の振動を抑えます。
(工夫4)
腕の中に反射鏡を入れて、光を500回往復させることで光路をかせぎます。

さまざまな工夫を凝らしてノイズ軽減を図り、感度の高い重力波望遠鏡となったKAGRAが2020年より稼働しています。

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