2023.11.18 Sat. FTR100
2023.11.18 Sat.
FTR100走ってきました!
■コース
距離:105km 累積:6,831m 制限時間:31時間
■結果
タイム:18時間17分21秒
総合20位/年代別3位🥉
■レース前
11月3連戦の最終戦
①甲州108km、②日光35km、③FTR100
今回は珍しくコースの一部(70〜105km区間)を
試奏して臨んだ。
個人的には、レース当日に見る初めての景色を
ワクワク楽しみながら走るのも好きだけど、
試走の大切さも感じたレースとなった。
目標は完走!
3連戦を無事に楽しく走り切ることが一番だった。
■スタート 7:00
会場入りは毎度のごとく当日早朝。
3時頃まで家で寝て、そこから車で移動。
前日の雨もあり、山の中の状況もわからないため、
直前にシューズをグリップに安心感のある
@topoathletic.jp MTN RACER 2に変更
スタートは朝7時☀️
100Kのレースでは遅い方に感じる。
冷え切った秩父の空気は
スタートが近づくにつれ、
選手の熱気と共に温まっていった。
僕のトレイルのレース前には緊張感がない。
ただ、山を楽しむだけ。
キツいことも、ツラいこともある。
それらを全て楽しめるか、それだけ。
そして、始まる。
応援やボランティア、スタッフの方々に見送られ
「また戻ってきます!」と声を返す。
序盤は @yujiro.cr7 と一緒にいた。
普段勢いのある彼は、今回故障中らしく
「それならゆっくり行こう」と、一緒に走った。
それでも2人で走ると楽しくなって、
無意識にペースが上がる。
■A1 12km 8:24
A1エイドは写真だけ撮って、スルー。
前半最初の山場、大野峠への登り。
と思っていたけど、案外走れるところも多く、
気が付けば登り終えていた。
ここからしばらく下りが続く。
一緒に登ってきた @yujiro.cr7 と
DEEPJAPAN準優勝の @tatsuya_saguchi さんと
3人でワイワイ喋りながら進んでいく。
気がつくと、後続も追いつき、
7人くらいの集団になっていた。
集団で走ることは、自分がきつい場面では
気が紛れるし、安心感もある。
でも今はまだ、その時ではなかった。
集団にいることで、速いペースで進むことになりそうで
自分のペースが刻めないのでは?と感じ
集団を外れた。
■A2 23km 9:59 41位
すでに @yujiro.cr7 の姿がないことに若干の焦りを感じるも、
気にしないようにして、トイレと補給を済ませる。
この正丸駅に @tatsuronagai さんと @tsutomu.shimoji.2006.12.01 さんがいるかも!と
聞いていたけど、見当たらず、仕方なく先へ進む🥹
(※わずか数分後に2人を乗せた電車が駅に着くとは知らず、ニアミスとなる😭)
■A3 28km 10:51 41位
再び @yujiro.cr7 と合流し、写真を撮ったり、速報で順位を見ながら進む。
トップの @osadagoshi くんと
たった30kmで1時間の差がついていたのは衝撃だった笑
■A4 35km 11:41 39位
エイドに着くとたくさんの人がいた。
これはチャンス!とさっとドリンクだけ足して出る。
そこにはボランティアで来ていた @risakmy さんがいた。
「ここからガツンと登るよ!」と言われる。
「DEEPほどじゃないでしょ!」と軽口を叩いた僕は
後悔することとなる。
ここまでコースの約1/3の距離を5時間弱で通過した。
累積標高を考えると17-18時間はかかると踏んでいたが、
「このペースだともっと早くゴールできるかもしれないのか?」
そんな淡い期待を膨らませていた。
ここからは棒ノ峰に向けた登り。
急登でハイカーさんも多く、走ることは難しい。
個人的には、走れない登りは好き。
無心でズンズン登っていく。
登山の経験が、登りを嫌なものだと思わせないでくれる。
周りの景色、雰囲気から「ここ来たことある」と思い出す。
「誰と来たんだっけな〜」
そんなことを思い出しながら進む。
ピークの棒ノ峰(棒ノ折山)に向かうことはなかったけど、
記憶を辿りながらの登りは、全く苦にならなかった。
さて、ここからは下り基調でエイドに向かうだけ。
と思っていた。
奥武蔵特有の細かいアップダウンが続く。
地図を見ても、後何回繰り返せば終わるかわからない。
前後を走る人とも「まだですかね〜」と苦笑い。
無限に続くかと思われたそのアップダウンに気が狂いそうになる。
走れてしまうため、息が上がり水を欲する。
ボトルの水もわずかになっていく。
ようやく山が終わりそうなところで、
スタッフさんがいてくれた。
「もうすぐエイドです!」
その後も何か言ってくれていたが、
聞き取ることもできないくらい疲弊していた。
手を挙げてお礼を伝え、先へ進む。
ロードに出て、ようやく次のエイドが見えてきた。
■A5 49km 14:14 30位
このエイドではスタート前に預けたドロップバックが受け取れる。
着替えはしない、ジェルなどだけ詰め替えて、早々に出る。
ここから後半戦。
そう思っていたのに、次のエイドまでなかなか辿りつかない。
無限里山地獄。
登っては降って、同じ景色を何度も繰り返す。
走れる箇所も多く、歩いて休めることもできない。
何より今回、これまで出てきたレースとの違いを感じたのは
コース上にいる参加者の数。
約600人が参加しており、エイドに行けばもちろん
コースでも、少し休もうものなら次から次へ選手が来る。
順位にこだわりがないと言ったら嘘になる。
走っている以上、少なからず意識してしまう。
◯◯位以内には入りたい。入っておきたい。
そんなプライドが足を止めて休むことを許さない。
そしてやっとの思いでエイドに辿り着く。
■A6 59km 16:10 26位
この先日が暮れる、ヘッドライトを点けて・・
とエイドでやることを確認していると
A2エイドで会えなかった @shimoji さんに会うことができた!
すでに夕方にも関わらず、場所を移動してきてくれていた。
「うぉぉおおお!!!!!!」
言葉にならない感謝の感情が湧き上がる。
一気にここまでの疲れが吹き飛んだような気がした。
思わず「次はどこに?」
そう聞いてしまっていた。
これから夜になり、応援を続けてくれるかもわからないけど
次いる場所を目指して頑張りたい、そう思って出た言葉だった。
別れを告げて、次へ進む。
不思議と足が軽くなっていた。
下地さんに会えた興奮で、いくつかエイドでやることを忘れてしまったが、
その分何人か抜いて出ることができた。
次のエイドから先は試走をした区間になる。
ここが踏ん張りどころだ。
しかし、またここでも終わらない里山地獄。
延々とアップダウンが繰り返される。
ただでさえ変わらない景色が、
日暮れと共に統一感を増していく。
抜いたはずの選手にも追いつかれる。
でも、ついていく気力が湧かない。
後ろを見ると、他にもライトが見えた。
確実にペースが落ちてきていた。
登る足に力が入らず、下りにいたっては周りの木を
掴みながらでないと下りていけない始末。
フラフラになりながらロードに出る。
見覚えのある景色、試走をした区間に入った。
■A7 70km 18:23 25位
完全に日が落ち、気温が下がる。
すいとんをいただき、ストーブの前で暖をとる。
このエイドでも前の区間で先を走っていた選手に追いつく。
この先また登りが続く。
集中力の低下とクマ遭遇を回避するため、
彼らが出るタイミングでエイドを出た。
とはいえ、ついていけるほどの力は今なかった。
体を温めることを意識して登りながら、
前の姿をなるべく追った。
間もなくして、後方から3人組の他の選手が来る。
下りはダメでも、平坦登りではその背中を
捉えることができたので、常に前の光を追っていった。
やはり、試走していただけあって、暗い中といえど
「あぁ、この辺走ったな、ここまできたのか」
と自分がどのあたりにいるのか、
この先にどんな道が待っているのか
なんとなくイメージしながら走ることができ、
集中力が途切れることもなく、前のグループについていくことができた。
途中、グループに合流し、この先のコースの
イメージを共有したり、雑談しながら進んだ。
途中グループが分裂し、後方で走っていた自分は
逸れた1人と一緒に走った。
状態的に前についていけるほどの余力はなかったし、
1人で進むのも心許ない。
ゆっくり目のペースにはなったが、2人で進んで行った。
次の83kmのエイドが近づいてくるにつれ、
「まだか?まだか?」となかなか終わらない登りに2人の息が上がる。
ここはコースで2番目に長い区間13km
試走で見覚えのある高山不動尊に着くも、人影はない。
階段を登ってトイレを横切って、進んでいく。
「この先にエイドになるような場所あったっけ・・。」
知らぬ間にエイドをスルーしてるなんてことはないと
思いながらも、もしかしたらという気持ちがよぎる。
少し山道を登った先にロードに出る。
「あった!」
『ごごごご』という発電機の音と、エイドにいる
ボランティアの方の声が聞こえてくる。
■A8 83km 21:30 23位
足を止めると疲労と寒さが押し寄せる。
おでんをいただき、出汁のきいた汁が身体中に染み渡る。
大好きなおいなりを2個3個4,5,6と大量に食べる。
お米があるのは本当にありがたい。
お湯でカフェオレを作って、ストーブの前で温まる。
寒くなればなるほど、エイドから出られなくなってくる。
コース上では、走る以外に体を温める手段がなかなかないからだ。
分裂したグループとも合流したが、1人はかなり冷え切ってしまったようだった。
口を開けば「寒い」しか出て来ず、次に向かう気力も失いかけていた。
すると、そこへかなり離れていたと思っていた
後続の選手たちがちらほらとエイドに到着した。
流石に休み過ぎたかと、4人で立ち上がり次へ進む決心をした。
エイドでの休息と、前区間をゆっくり進んだおかげか
寒い以外、身体の疲労は軽減していた。
ゴールまで約20km
エイドはあと一つ。
勝負はここだと思った。
4人グループとはいえ、状態は皆バラバラ。
ここからはマイペースに前に出る。
後続で来ていた選手と冷え切って震えていた1人と3人で進む。
もはや会話はない。
次のエイドに差し掛かる頃には、登りはほとんど終わる。
ロードと細かなアップダウンを繰り返すこの区間を
なるべくスピードを落とさずに進む。
グループの前を走ることで、
試走の時の景色を鮮明に思い出しながら走れた。
エイドへ案内する係の方が見えてきた。
まだ、足は残ってる、ここからゴールまで走れる!
そう思って最後のエイドに駆け込んだ。
■A9 92.5km 21:30 23位
エイドに着くと、女子トップが出るところだった。
何度かエイドで会うことがあったが、
前の区間で完全に先を行かれたと思っていた。
ここまできた高揚感で寒さも忘れ、
コーラを注入し、黒糖わらび餅を食べて、出る。
出る時に、後続の選手とすれ違う。
この先は鮮明に試走の時を思い出せる。
全然辿りつかないゴールに「最後キッツ」
と思っていた。
でも、今は違う。
残り10km、コースも把握してる。
最後、気持ちよく走り抜けてゴールする自分をイメージできていた。
残り6km、ロード区間に出る。
女子1位と合流し、少し一緒に走る。
序盤の首位争いのせいか、疲労が見えた。
「最後まで一緒に走って、最後先に行ってもらうのもありか。」
そんなジェントルな思考が脳裏をよぎったが、
後続に追いつかれる可能性もあると思った。
マイペースで先へ進む。
ゴール前の山2つの手前、広く見渡せるロードで
後ろを確認する。
女子一位のもの・・と、もう一つ揺れ動く光が見えた。
確実に後続が来ている。
まだ二つ、長くはないが山区間がある。
ここでペースを落としたら、追いつかれる。
試走の時よりもペースを上げて足を動かす。
後ろのライトの気配を感じながら、前へ前へ。
一つ山を越える。
二つ目に入る手前のロードでライトを消す。
後続に自分との距離を知らせないために。
ここまできたら、あとはゴールまで駆け抜けるだけ。
試走では「まだ〜?」となかなか終わらないコースに
嫌気がさしていた。
しかし、今は違う。
前にゆらめく光が見えた。
選手か?歩いていた。
わからない。
ボランティアの方かもしれない。
声をかけ通りすぎる。
選手の場合、スイッチが入る可能性もある。
一気に駆けぬける。
長かった、寒かった。
鼻を啜りながら、これまでの道のりを少し思い返す。
楽しい。
ここまでどんなにキツくて辛くても
最後、笑って楽しく走り抜けられたらそれでいい。
着ていたレイン、アームカバー、手袋
全て取り払う。
山を抜け、会場の光が見える。
白い息をあげながら、近づいていく。
「つっちー?つっちーだ!」
と応援できてくれていた下地さんとたつやさんが
出迎えてくれた。
ゴールで待っていてくれる人がいる幸せ。
それを噛み締めながらFinish Lineを超えた。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?