私見による、久世星佳さん出演作品(退団後)3選+α

0.はじめに

 宝塚歌劇団月組トップスターであった久世星佳さんは、1997年4月に退団の後、女優としてご活躍されている。つい最近、宝塚時代の作品からファンになった私は遅ればせながら今までの出演作品を観ている。退団されてからの時間の方が長いこともあり、随分出演作品も多いが、なかなかメインで活躍されている舞台での映像商品には財布のひもというか手が出にくい。というわけで、これは良かったなと思うかつ入手が簡単な出演作品を挙げてみる。

 あくまで私見なので、ご容赦願いたい。

1.第二楽章

 2013年/BSプレミアム/全9話出演。GEOの宅配レンタルで視聴。

 有名ヴァイオリニストの主人公羽田美智子さんとその親友を演じる板谷由夏さんたちの共通の友人、小宮山るみか役。同じく友人役の久保田磨希さんとほぼセットで出演されていたが、シリアスパートに入ってきて和ませたり、心の声でしゃべったり、海鮮丼だのワインだのを美味しそうに食べたりしていて、珍しく等身大?に近い役と思いながらみせて頂いた。ただ一度ピッとキツイ言い方をする場面があり、や!久世さんや!と思った。あまりお仕事の話をされないご自身の当時のブログでも、るみかさんは度々登場していて、久世さん的にもインパクトのあるお役だったのかなと思う。ファッションやメイクも毎回お洒落で、子育てが終わり特技のチェロを活かして日々を楽しむ都会の主婦、といった感じだった。全9話のドラマはなかなかボリュームがあったが、夢と現実、仕事と女性の生き方などの話もアラフォーの自分にはかなり刺さる内容で、羽田さん板谷さん他キャストの熱演もあり心に残る作品だった。舞台メインだと、レギュラー出演の仕事は難しいかもしれないが、またたまには出てほしいなと思う。

 未見の方がおられたら、るみかさん、おすすめである。

2.警視庁捜査一課9係 Season9 第5話

 2014年/テレ朝系列 GEOの宅配レンタルで視聴。

 ゲスト出演の棚橋聖美役。わかる方はもうお分かりかもしれないが、この回へは真琴つばささんとそろって出演しており、二人は「桜坂」を目指していた親友同士という設定であった。桜坂へ受かったマミさんはミュージカルスターに、落ちた久世さんは、紆余曲折あって演出家の妻に、という設定。刑事物へのゲスト出演は非常に多く、9係にはかれこれ3回出演しているが、これが一番主要な役どころではなかったろうか。今回はまずマミさんとの共演(退団後初めて?)であることと、宝塚を連想させる「桜坂」の存在が一つのキーになるのが面白い。あとスムージーもキーの一つ。スムージーで殺したり殺されたりで久世さんはスムージーが嫌になったりしないだろうか。真琴つばささんは宝塚以外だとバラエティーでしか観たことがなく、女優さんとしてみるのは何となくむず痒い(対宝塚OGにはよくある現象)のだが、女優役という設定でもスターのオーラはやはり流石といった印象だった。ドラマの役柄では親友とはいえ複雑な関係でほろ苦い結末だったが、私は久世さんとマミさんの関係性はすごく好きである。これをきっかけにマミさんも好きになった。またいつか何らかの形で共演してほしいと思う。

3.ハゲレット

 2006年/舞台 GEOの宅配レンタルで視聴。

 久世さんの退団後の舞台出演作品はこれと「HELI-X」しか観てないため、正直言って断言しにくいが、舞台での活き活きぶりに、やはり久世さんは舞台出身の方なんだと再認識した。色恋に溺れた中年女から、開き直った女の強さ、国王の犯行への疑念と苦悩が台詞以外の表情に現れていて、お気に入りの作品。シリアスとコメディがとっかえひっかえ落ち着かないところもあるが、中世風のドレスの久世さんにはどこか匂い立つような色気を感じた。お芝居全体も結構原作の台詞をそのまま踏襲したり要所要所はシリアスに占めて、知らない自分もハムレットはこういう作品だったのか!と思わせてしまう舞台だった。舞台ももっと観たいと思う。

α.その他

 次点というか、以下はさらにマニアックなおすすめである。

 リアル・クローズ(2008/関テレ/宅配レンタル)           連続ドラマにもなったが前段で作られたSP版で、久世さんはドバイ赴任が決まったバリキャリとして登場。深紅の肩だしドレスでほほ笑む貴重な姿が見られる。久世さんがブログで大変緊張した仕事と語っていた作品(と思われる。)であるが、理由は多分月組時代の憧れの大先輩との共演だからと思われる。年齢差が迷子になる。

 愛と青春の宝塚(2003/フジ系/宅配レンタル)            宝塚OG、奈良井根子役。以前から知っており大変有名な作品だと思ったので、出演していたのは驚きだった。殆ど舞台しか出てなかった頃の珍しいカメオ出演に近いドラマ出演であるが、スタッフに正塚晴彦先生がおられるのでもしやと推測している。まだ30代なのに共演した超OGと何らそん色のないお局ぶりを発揮、藤原紀香演じるトップスターにイヤミをいうメガネのおばちゃんであった(でもお肌ツヤツヤ)。余談だが、藤原紀香さんのヅカ衣装が銀色のシルクハットと燕尾でプレスティージュの久世さんと少し重なった。



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