私がいかにして90年代宝塚にハマったか 前編

0.ある日、宝塚にハマった

 私は「90年代宝塚」が好きである。なぜ「90年代」なのか。経緯は少し長くなるため、(沼に入る)前編と(沼に入った)後編にわけてお話しする。

 ハマる以前の私が持っていた宝塚のイメージはいわゆる一般的なもの、「女性のみ」、「ファンが熱狂的」、「メイクが独特」、そして「ベルばら」だった。現在芸能界で活躍しているOGの方も何名か知っていた。その一方で宝塚以外の劇団四季や他の商業演劇は観劇経験も何度かあり、たまたまOGの方も出演されている舞台も観ていたため、宝塚に対するネガティブなイメージは特に持っていなかったが、その一方でハマるようなきっかけもなく、私と宝塚は平行線を辿り、歳月は流れた。

ただ私はうっすら気づいてはいた、「そこには深い沼がある」ことを。

1.最初の一歩は「しょうこお姉さん」

 今年の8月頃、私はたまたまあるYouTube動画を観た。宝塚OG、はいだしょうこさんの「HAND CLAP」動画である。「HAND CLAP」とはダイエット用に考案されたダンスであり、YouTubeではほかの方の動画もたくさん上がっているが、しょうこお姉さんのダンスは同じ振りなのにとても美しく、優雅で手足の先までピンと伸びていて、素人目にもすごい!とわかった。しょうこお姉さんにも驚いたが、彼女の出身である宝塚ってどんなところなんだ、、、⁉とまず今更に好奇心がわき、ここで一歩私は踏み入れてしまった。

2.「ベルばら」から90年代月組贔屓へ

 かくて私には宝塚としょうこお姉さんへの好奇心から、YouTube内のエトワール動画を観あさる日々が少々続いた。研○?エトワール?大階段??羽根???に無知な状態で観続けるうち、徐々に私はベルばら動画に手を出すようになった。やはり宝塚といえばベルばら、である。様々な年代、シリーズのベルばらを観るうち、くぎ付けになったのは、「91年月組版 ベルサイユのばら オスカル編」だった。これは涼風真世さんのトップお披露目公演で、涼風さんが主役のオスカル、相手役のアンドレは大抜擢の2番手天海祐希さんだったが、まずとにかく美しいし、華があるし、涼風さんはめっちゃ歌うまいし天海さんはもうすでに天海さんだし、私はすっかりこのコンビに魅了されてしまった。

 当時私はとある試験勉強をしていたが、そのお供は勿論宝塚動画であった。繰り返し繰り返し観るうち、この時代の宝塚作品に引き込まれていき月組、特に涼風さん天海さんを中心に見るようになった。好きこそものの上手なれとは言うが、そんな中で段々宝塚の用語やシステムがわかりだした。「90年代」と、「月組」。思えばこうしてカードがそろってきた。これが私には大きな2歩目であったようだ。

3.沼に引きずりこむ男、現る 

 あるとき何度目かの視聴でベルばらのパレードを観ていた際、私は目に引っかかる違和感を感じた。改めてみると大階段を降りる中に男の人がいる、、、?気がしたのである。それもちょっと落ち着いた年齢の、、、宝塚だから男性の役は男役(の女性)がされるし、作品上、年配の男性も配役にある場合も男役(専科の方とか)がされるし、舞台上に出演者として男性がいるわけがない、はず。でもいたような気がしたのだ。え、誰なんだろうこの人、、そういえば他の月組作品にも登場してたような、と今更なことを思いつつ私はググりだしていた。

(注;もうお分かりの方もおられるかもしれないが、、)後編へ続く。

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