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最悪の共犯(旧2)

承前

 「ひとまずあなたのお家にお伺いしても?」「え?」素っ頓狂な声が飛び出る。「お近づきの印にあなたにご馳走したいものが…それにこのまま警察に直行されてしまってもいけませんからね。」……どうする……?断ったら俺もオブジェの仲間入りだ…でもこいつを家に呼んでしまえば最早後がない。それに!絶対ろくなものを御馳走する気がないぞ!

 第一案。走って逃げる…無理だ!唯一確認できた出口は閉められてる!第二案!警察に連絡…どうやって!第三案…ぶん殴って気絶させる…幸い周りには武器になりそうな物が多くある…一番ベストな案だ。奴がチェーンソーを片時も離さず持っていることを除けばだが…はぁ…

 「…ええ、良いですよ。あなたのその格好をどうにかして下さればですが…」「…おっとこれは失礼。確かにこんな格好じゃあお家になんて上がれませんね。」血塗れどころかよく分からん物体も貼り付いてるしな。「じゃあ準備して来ますので少々お待ちを…」よし!今の内に警察に……圏外かよ…「お待たせしました!」速い!ある意味幸運だったかも…

 あるものに気付いた。「えーとそのタッパーは?」殺人鬼が笑みを浮かべる。「今夜のご馳走ですよ。外じゃあ滅多に食べれないものです。きっと気に入ります…」あぁ…想像がついた…食べなきゃ駄目?
【続く】

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