”赤”の死
昨日、”赤”が死んだ。世界中の誰もが彼の死を悲しみ、畏敬の念を込めて見送った。
あまりにも唐突な死。彼がこの世からいなくなった損害は計り知れない。
誰にでも分け隔てなくその恩恵を与えていた。聖人という言葉が相応しき者。
だが、彼が死んでも世界は変わらなかった。彼の後を継ぐものが現れたからだ。
”赤”の死後…いや…正しくは”彼”の出現で”赤”の死を知ることになったのだが、不意に現れた彼は、”赤”同様に人類に恵みを与えてくれた。”赤”と同じものではなかったが、”赤”と同じやり方で。
”赤”の後継者は何者なのだろうか?今は誰もその名を知らない。だが、少なくとも”彼”は、”赤”同様にこれからも、我々人類にその恩恵を与えてくれるだろう。
公園で”彼”の恵みを受けた子どもたちが遊んでいる。夕焼け空。誰も知らぬその色の下で。
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