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街の音が聴こえる

秋葉原が好きだ。この街はいつも、次の時代に当たり前になるものに染まっている。ラジオの時代から家電を経てPCへ、それ以降はインターネットが通底和音になって、ゲームなどのコンテンツへ。いまはアイドルやメイド喫茶のようなイベント型のコンテンツがだいぶ増えた。かつてシロモノ目当てだった外国人客は、遊園地感覚でフシギなニッポンを味わいに来る。大きな事件を経て、お上によるコントロールがきつくなったのが残念だが、それでも街は今日も賑やかだ。夕方、会社の仕事がはけた後にぶらぶら秋葉原まで歩く。写真を撮りながら路地をひやかし、UDXのデッキで風にあたる。街の一世代前の方たちは、夕方になると路地に縁台を持ちだして涼んでいたという。このデッキは現代の縁台だ。昼間の喧騒がすこし晴れて、穏やかになった街の音をぼんやりと聴く、素敵な時間がある。

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