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阪神藤川選手の引退試合について思うこと

阪神タイガースの藤川球児投手が2020年のシーズンで引退を表明し、11月10日の巨人戦に引退試合として登板しました。結果は、巨人のバッター3人を抑え有終の美となりました。

最後の対戦打者の結果が議論に

一人目は2000本安打を達成している坂本選手、二人目は中島選手を共に三振にとり、三人目の重信選手をセカンドフライに打ち取りました。
文章にすると何事もない話ですが、この中に議論のポイントがいくつか含まれています。

↓こちらがそのネットニュースです

議論のメインテーマは
「最後のバッターが三振しなかったことで、藤川投手の引退試合として空気を読んでいない」
という点です

プロ野球に興味がない方や他のスポーツをされている方などは、「はあ?」という印象なのではないでしょうか。「別にわざと三振する必要はないでしょう?」と。

いくつかこの話の背景にポイントがあります。

ポイント:忖度はいらない派

その1:公式戦だった(公式戦なので、忖度はいらない)
その2:プロサッカーなどのように引退試合は公式戦とは別開催であるべき
その3:自分の成績にも関わる(特に若い選手は来年にも影響する)
その4:わざと三振している様子を見るのは不自然

ポイント:問題がある派

その1:巨人側はわざわざ代打で、このために坂本選手や中島選手を対戦させて、ある種の演出であったが、重信選手は意図を理解できなかった
その2:重信選手がやや思い切りのない迷いある打席になった
その3:藤川選手の過去の功績はプロ野球界全体に影響するほどの大きなバックグラウンドがあったこと
その4:藤川選手に関わらず、もし引退を目の前にした衰えた選手に本気で向かった場合、めった打ちになるケースもある(実際にホームランを打たれて寒い空気になったケースもある。藤川選手の場合は最後まで全力で投げていたことにも見ごたえがありましたが)
その5:すでに巨人は優勝が決まっており順位に影響はない状態

藤川選手は1998年にドラフトで阪神に入団し、20年以上プロ野球界を盛り上げました。そしてある意味、プロ野球は高校野球と違って、エンターテインメントとしてファンを楽しませているものとも言えます。そう考えると、単純に忖度はいらない、だけで済むものでもない議論になりました。

もしこの話に意見が別れて炎上するのであれば、引退試合自体は成立しないのかもしれません。引退試合(しかも1イニングだけ)を別で開催するというのは、会場日程、観客、選手など現実的にも難しいのでしょう。

でも見ている人に勇気を与えてきた選手を最後に見たいというファンが数多くいるのも事実です。結果思うことは、必ずしも三振である必要はなくてファンが気持ちよく引退を送り出せればOKなのだと思います。(会社でいうと、退職する先輩に礼儀を持って花を渡すという感覚なのでしょうか。それが花である必要もないですし、そのときの関係していた人数やお世話になった度合いにもよるでしょうし、プロ野球選手も必ずしも全員が引退試合をするわけでもありませんのでそのケースによるのも事実です)

きっと外野で騒いでいる私たちはさておき、関係者たちはこれまでの苦悩をねぎらって有終の美を感じているのだと思います。藤川選手、お疲れさまでした。