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ⅮNA

何年か前の話になるが、日本国を憂いに西村真悟議員の講演を聞きに行った時のお話。


TPP、拉致問題、GHQに植え付けられた日本人の自虐思考。何を思って特攻隊員たちは敵機に突っ込んでいったのか。先の大震災で世界中を驚かせた日本人の姿。等々。多岐にわたってお話は展開していた。まぁ、簡単に要約すると、誇り高き日本人としての自覚を持とう!おう!てなところだろうか。「日本人たるや」的なお話。


2時間程度の公演が終わり、立ち見御礼、満席状態だった会場から人の波が出口へと向かった。私も席を立ちあがり、出口で来客と握手を交わす西村先生を横目に会館を出たところで「おい。〇〇」と、私のファーストネイムを呼ぶ声がした。


まぁ、自分で言うのもなんだが私の名前はありきたりで、どこにでもある名前だから別人だと決め込んで歩を進めていると、「おい、呼んどるやろが!!おいこら!!」と、少し怒声をはらんだなんとなく聞き覚えのある声が、私の背中を殴打した。


眉間にしわを寄せて振り返ってみると、取れかけのパンチパーマにどこまであんねん、と突っ込みたくなるような天然鬼反りこみ。最近のチンピラでもそんなシャツ着てへんでと思うような原色シャツに身を包んだ、あきらかに「や」の付く危ない風体。


間違いなく、私の実父が立っていた。


「なんでおんねん」私が父に問いかけるやいなや「なんでちゃうわい、呼んだらすぐこっち向けや!」と、棒状に丸めたパンフレットで頭をはたかれた。


「お前久しぶりやんけ、肉でも食うか」と、珍しく父がおごってくれるというので、そのまま、親子水入らず、焼き肉を食べに行った。


それにしても、偶然、父に出会う場所が西村真悟の講演だなんて…
DNAかしらねぇ〜。


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