マガジンのカバー画像

メマリーさんち

33
メマリー家の人々の日常を切り取ったマガジンです。「面白き、こともなき世を面白く」ほっと何も考えずに笑いたい方はぜひぜひおこしやす。(*- -)(*_ _)ペコリ
運営しているクリエイター

#あの夏に乾杯

ⅮNA

何年か前の話になるが、日本国を憂いに西村真悟議員の講演を聞きに行った時のお話。 TPP、拉致問題、GHQに植え付けられた日本人の自虐思考。何を思って特攻隊員たちは敵機に突っ込んでいったのか。先の大震災で世界中を驚かせた日本人の姿。等々。多岐にわたってお話は展開していた。まぁ、簡単に要約すると、誇り高き日本人としての自覚を持とう!おう!てなところだろうか。「日本人たるや」的なお話。 2時間程度の公演が終わり、立ち見御礼、満席状態だった会場から人の波が出口へと向かった。私も席

夏なのでちょっとひんやり、ホラーな話。実話です。

暑い。暑い。夏は暑い。夏と言えば、稲川淳二。稲川淳二。と言えば怪談話。そこでちょっとひんやりとしたお話でも書いてみよう。ひんやりした話ねぇ。そうだ、我が家のギボアイコことオカンの話をしよう。 オカン曰く、「私には力の弱い下級の神様が憑いているんだよ」これが、オカンのプチ自慢である。「力が弱い」だとか「下級」だとか、散々な言われ方をされているが、とにかく「神様が憑いている」とオカンはことあるごとに言うのだ。 オカンの神様ファイル① オカンが神のご加護に抱かれていると(勘違

無敵の姉ちゃん

今日の語り部は私のオカン。 私:よろしくお願いします。 オカン:はい。分かりました。 後はオカンの独壇場、勝手に機関銃トークです。お楽しみください。 ホンマ、姉ちゃん(古稀を迎えたばかりの母の姉)どうしょうもないわ!! こないだ、姉ちゃんと南部行ってきてんけどな。 (南部。言わずと知れた南高梅で有名な和歌山県南部市。) 私、姉ちゃん家まで迎えに行って、あそこから南部まで3時間ぐらいかかるやんか。姉ちゃん車乗るなり、後部座席でプシュって。振り向いたら案の定ビール空けてる

もう、ぼ、ぼくは、耐えられない!その時彼女は…

渋滞で、暇つぶしにとでも思ったのだろうか、男は滔々と語り始めた。 時は、ルミナリエ当日。元町。きらびやかに彩られたイルミネーションが町を覆い尽くしている。 恋人たちや子供連れの家族が、芋を洗うようにイルミネーションのトンネルを行き交っていた。 男はデート中だというのに肛門括約筋をひくつかせて、脂汗をかいていた。 強烈な便意が男を襲っていたのだ。 少しでも気が緩むと、大参事になってしまう。 年の離れた若い彼女が、楽しそうに話している。彼女はかぐわしいシャンプーの匂いをな

叩いて、起こして、縛る、お仕事

「叩いて、起こして、縛るんだよ」 私は、頭上に??を浮かべた。何とも卑猥な・・・いやいや物騒な言葉の羅列。 久しぶりに会う叔父が、突然言い出した。  この叔父、昔は〇〇商事(一部上場)のエリート社員だったが、どういう訳か突然会社を辞め、人生からも親戚からも、はぐれメタル状態で世間を浮遊するようになった。  昔はスーツを着込み世界中を飛び回って仕事をしている、文字通り世界をまたにかける男だったのだ。  数年ぶりに出会い、社交辞令的に「おっちゃん、今何してんの?」 と、

悲しきポメラニアン

珍しいことに、ある日オカンが子犬を貰ってきた。 従来は親父が貰ってきたぞ。とどこかの雑種をポイとソファーに投げて飼いだすのが我が家では通例だった。 一匹だけ例外もいたが…… (ミニコミ誌で貰った。たいへんなやつだった。過去の日記「破天荒バカ犬一代記」参照) オカンは常々「犬は死んだら可哀そうだからもう二度と飼わない」と、豪語していた。 そのオカンが子犬を貰ってきたのだ。 いや、子犬に見えた。私の家では、雑種しか飼ったことがなかった。なので私には子犬に見えた。 オ

究極のコーヒー

ガラガラガラ 「こんにちは!」  おじいちゃんの家の立てつけの悪い戸を開けると、いつもの香りが僕を出迎えてくれる。  乱雑とした部屋の片隅で、燦然と光り輝くコーヒーメーカーが、ポコポコ音を立てながら、ポタリポタリと一滴づつ香りの元を滴り落としている。  僕はこの不思議な道具が小さな頃から大好きだった。 水を注いでしばらくすると、いい香りのついた水がほんのり色付いて現れる。 じれったいほどに少しずつ。 ガラスの入れ物にたまるまでの時間、僕はコーヒーメーカーとニラメ

自転車とジジイ!!

「弱虫ペダル」を一気見して、マキちゃんに感動したので今日は、自転車の思い出について書いてみよう。 私と母と祖父の三人で尾道の千光寺に墓参りに行った後、「こんな機会めったにないから、ついでに旅行しよう」と、母の思い付きで、急遽旅行と相成った。 ついで参りはよくないとよく耳にするが、ついで旅行なんて聞いたことがない。まぁとにかく宿が取れたとかなんとか言って、母が行き先を告げた「大久野島。凄いよ〜。毒ガスだよ〜」と、母は嬉々として発表した。 なんのこっちゃ、それだけの情報量で