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メマリーさんち

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メマリー家の人々の日常を切り取ったマガジンです。「面白き、こともなき世を面白く」ほっと何も考えずに笑いたい方はぜひぜひおこしやす。(*- -)(*_ _)ペコリ
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2019年7月の記事一覧

叩いて、起こして、縛る、お仕事

「叩いて、起こして、縛るんだよ」 私は、頭上に??を浮かべた。何とも卑猥な・・・いやいや物騒な言葉の羅列。 久しぶりに会う叔父が、突然言い出した。  この叔父、昔は〇〇商事(一部上場)のエリート社員だったが、どういう訳か突然会社を辞め、人生からも親戚からも、はぐれメタル状態で世間を浮遊するようになった。  昔はスーツを着込み世界中を飛び回って仕事をしている、文字通り世界をまたにかける男だったのだ。  数年ぶりに出会い、社交辞令的に「おっちゃん、今何してんの?」 と、

悲しきポメラニアン

珍しいことに、ある日オカンが子犬を貰ってきた。 従来は親父が貰ってきたぞ。とどこかの雑種をポイとソファーに投げて飼いだすのが我が家では通例だった。 一匹だけ例外もいたが…… (ミニコミ誌で貰った。たいへんなやつだった。過去の日記「破天荒バカ犬一代記」参照) オカンは常々「犬は死んだら可哀そうだからもう二度と飼わない」と、豪語していた。 そのオカンが子犬を貰ってきたのだ。 いや、子犬に見えた。私の家では、雑種しか飼ったことがなかった。なので私には子犬に見えた。 オ

究極のコーヒー

ガラガラガラ 「こんにちは!」  おじいちゃんの家の立てつけの悪い戸を開けると、いつもの香りが僕を出迎えてくれる。  乱雑とした部屋の片隅で、燦然と光り輝くコーヒーメーカーが、ポコポコ音を立てながら、ポタリポタリと一滴づつ香りの元を滴り落としている。  僕はこの不思議な道具が小さな頃から大好きだった。 水を注いでしばらくすると、いい香りのついた水がほんのり色付いて現れる。 じれったいほどに少しずつ。 ガラスの入れ物にたまるまでの時間、僕はコーヒーメーカーとニラメ

自転車とジジイ!!

「弱虫ペダル」を一気見して、マキちゃんに感動したので今日は、自転車の思い出について書いてみよう。 私と母と祖父の三人で尾道の千光寺に墓参りに行った後、「こんな機会めったにないから、ついでに旅行しよう」と、母の思い付きで、急遽旅行と相成った。 ついで参りはよくないとよく耳にするが、ついで旅行なんて聞いたことがない。まぁとにかく宿が取れたとかなんとか言って、母が行き先を告げた「大久野島。凄いよ〜。毒ガスだよ〜」と、母は嬉々として発表した。 なんのこっちゃ、それだけの情報量で

恐怖のドライブ!

ゴールデンウイーク。シルバーウイーク。盆。正月。 まとまった連休が取れると、どこかに遊びに行きたくなる。それが人情というものだ。 行きたいところは? カキオコが食べたい! 京都散策! 最近できた巨大モール! 等々 普段の鬱憤を晴らすように、目的地を羅列する家人たち。民主主義に則って、挙手で目的地を決定する。 目的地が決まれば颯爽と車に乗り込み、出発!! 片道約三時間ぐらいが目安で、日帰り旅行を楽しむ。渋滞するから、そろそろ帰ろうと日の高いうちに帰宅を提案。そうだね。

動物好きの極悪人

わが妹は自称動物好きである。 子供の頃、縁日で金魚すくいをして、「お家で飼う」と両親にねだりまくったのが遍歴の始まり。その後、ハムスター。おきまりの猫、犬である。 「どうせ、世話はお母さんがするんだからダメ!」 「絶対世話するから。お願い。絶対するから」 幼い妹に懇願されて親も根負けし、水槽セットを買った。 家の大きさと水槽の大きさを完全に見誤っている親父殿が、どや顔で買ってきたものだった。 (横幅1m奥行50cmほどあった) 「金魚入れるのにどうして、こんな大きな

マチュピチュ💛

「いや〜。大変やったわ〜。マチュピチュ。途中で何度も挫折しかけたわ〜」 と父母、叔母の三人の苦労話が延々と続いていたが、私の中では最初の一文字目で留まっていた。 マチュピチュ? 私の知らない間にペルーまで行ってきたというのか?アンデス登ってきたの?古稀越えチームが?脳内で?が交錯していた。 まぁ、この人たちならやりかねない、という思いもあった。 なぜなら、私が不意に実家に帰ると母上は居ないことが多い。やれ、オーロラを見にアラスカに行ってきただの、オーストラリアに2か

ヒーロー

台風の季節がやってまいりました。去年の台風は凄かった。車が飛ばされ、屋根が飛ばされる大惨事が大阪を襲った。その時のお話です。 妹君の家が例の台風で被災して、妹君の住んでいる地区よりいち早くライフラインが復旧していた我が家(妹君の実家)に避難してきていた。もちろん、図体のデカい甥っ子どもも一緒だ。甥っ子どもが家に来ると一気ににぎやかになる。 あいつら(甥っ子ども)のオバアつまり、わたしのオカンは、いつもは甥っ子どもに舐められまくっているのだが、オカンが一躍ヒーローになるとき

破天荒バカ犬一代記

私がまだ純真無垢でかわいくてかわいくてしょうがなかった小学生の頃。 ミニコミ紙で、貰ってくれませんか?のコーナーに出ていた子犬を貰いに行った。 父は血統書付きのチャウチャウ犬。母は血統書付きのシベリアンハスキー。 貰ってきたこいつは、完全無欠の雑種。それでもどっからどう見てもハスキー顔。チャウチャウの面影すらない。 色々いたのだが「この子かわいい」と、妹が抱き上げたので、そいつに決定。 兄貴の意見は全く反映されなかった。 家に帰って、こたつの上に置いてあったミカンのカ

青春を返せ~~~~☠☠☠

そろそろ喜寿に手が届こうかという妙齢のうちのオカンは、20歳そこそこで子供を産み、青春のほとんどを子育てと仕事に費やしてきた。その反動大きく、オカンは40を過ぎたころから、趣味人に変貌を遂げた。 「私の青春を返せ〜」的な怨念がこもっているものだから、オカンの趣味に対する取り組み方は尋常ではなかった。 「一生に一回だけやから、お父ちゃんお願い。一回だけ海外旅行行かせて」 と、懇願するオカンに親父は「海外なんぞ行ったら、手足切られて、ダルマにされて、海に捨てられんぞ」と、訳の