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ヘルスケア産業においてニーズと社会原則どちらを優先してビジネスを行うのが良いか?

年の終わりにこんなニュースを見た。

本来は糖尿病治療薬であるGLP-1受容体作動薬をダイエット薬として自由診療で販売している医療機関やサービスがとても増えている現状に対して、社会保障審議会が国民に対して注意喚起を行うというものだ。

ヘルスケアビジネスに関わっていると、toCサービスは他の産業と比べてかなり儲かりにくいビジネスだという事は常々感じる。

一方で、ダイエット薬やAGA、ピルのオンライン処方などの自由診療領域はとても儲かるだろう。サプリメントだって儲かるかもしれない。

ただ、それって社会としてサービスとして正しいことをやっているんだっけ?という疑念は常に付きまとう。だから自分はそう言ったビジネスはやらないことにしている。


ヘルスケアのtoCサービスをやるなら、顧客ニーズがあるグレーラインを攻めるのが儲かるのだろう。

今回のダイエット薬の話だけではなく、他のサービスでも似たようなことは感じることがある。

PCR検査だってそうだ。当初コロナ禍の初めの時にはPCR検査数を増やしたところで何の意味があるのか?という議論は多く飛び交っていたと記憶している。

しかし、そんな時にPCR検査に取り組んだ企業や医療機関は大きく収益を伸ばした。

自宅に医師が訪れてくれる訪問診療サービスだってそうだ。

当初はそれって保険適応にして良いんだっけ?正しい保険診療の使い方だっけ?という話は界隈では渦巻いていたが、結局コロナ禍になると東京都自体が事業者を都庁に招いて、会談を行ったりした。結果的に都からお墨付きをもらうサービスになった。

結果的に倫理観だ、医療的な正しさだと言っていた我々は大きなビジネスチャンスを逃すことになった。


そうした社会の有り様を見ていると、結局原則上グレーであったとしても、そこに顧客ニーズがあるのであればやったもん勝ちの世界なのかもしれない。

効果があるか分からないサプリメントを売っても、賛否ある訪問診療サービスをやったとしても、糖尿病治療薬をダイエット目的で販売しても、事業者がペナルティーを受けたという話は聞いた事はない。

そう、実はグレーラインを攻めることはローリスク・ハイリターンの可能性がある。リスクは社会的信用を一部界隈から失うことくらいなのかもしれない。

結局社会的な正しさだとか、医学的正しさだとかを優先して、うだうだ他所のサービスにケチをつけつつ儲からない事業をやり続けている自分のような人間は大人のビジネスマンになれていないなと嫌になる日々である。

結論、ヘルスケア産業において、顧客ニーズと社会原則のどちらを優先するべきかで考えると、顧客ニーズを優先する方が圧倒的に正しいのだろう。

2023年は、大人のビジネスマンになって、大きく利益を上げるtoCビジネスを作っていける人間になれたら良いなと思う年末でした。


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