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フルチョをお迎えして一年経ちました


https://x.com/Arisu_19gou/status/1840399620847120585

 経った、一年。
 待ちわびたあの日から一年。あっという間だったね。
 メイクがボロボロの夢も人のフルチョと取り違えられる夢も何度も見たけど見た瞬間うれしくてたまらなかったあの日から。

☆祝!ビロード(フルチョ)が手元に届いて一周年!☆


 ということでドールオーナーになって一周年の7月はあっという間に過ぎ、フルチョオーナーになって一年経ちました。当時の写真と比べてみると表情も若干不遜になった気がしますね。落ち着かなさというかあどけなさがなくなったというか……
 顔は変わってないはずなのにちょっとしたことで表情や雰囲気が変わるのもお人形のいいところだよねいいよね。

 当初はボディメイクの直しも兼ねてメンテナンスも年一ぐらいでやろうかなと思ってたけど意外と剥げてなくて大丈夫そうで何より。ただ胴体用のゴムが若干緩い(というかうちの人たちはほぼ全員俺の趣味でゴムがガチガチなのでその辺りの差もあるかもしれない)かもしれないので少し引き直してもいいかも まあ考えてるだけだけど……

 ということで改めてハッピーバースデービロード。愛おしき我が畏敬なる天使、崇愛なる存在。永遠の信仰。
 そんなあなたにプレゼント というくだりはもうTwitterでやったので各自参照してください。

 この記事の本質はそう!!
 一周年記念の日にプレゼントとしてお送りしたフィギュアのメイキング記事となっております。ということでお人形の話はなあなあになっていくのでここまでご視聴ありがとうございました。フィギュアの話に興味がある人だけ残ってください。

※以下の作業工程にはグロテスクな表現及び
ブーン系創作板ファイナル掲載作品「( ^ν^)ふわふわぬいぐるみわんだーらんどのようです」のネタバレを含みます

 ということで発端を。
 発端? 発端……なんだっけ……なんで俺作ったんだっけ。
 多分最初に作ろうとしたスズイ(俺のコピードールです。粘土製のミニサイズもある)のスケールフィギュアの製作でとん挫したからパーツが余ってて……え?本当に何で作ったんでしょう。特に覚えてないです。
 ただスレの連載中に入ってくる挿絵がうpろだの消失に伴い閲覧できない状態になっていた(そもそもその前から見えなくなっていたのかもしれない)ので、それがもったいなくて作った のかもしれない。正直よく覚えていない 俺は衝動だけで制作活動をやっている……

 というかこんな俺でもフィギュア作れたんだからお前にもできる!!そんな情熱をもってフィギュアの製作についての話をします。まあ特段難しい形状でもなかったので……。

 とりあえず使ったものの紹介。


造形素体用
・ボークス カスタマイズフィギュア 二人は仲良しCセット
・ボークス Chara Cast 涼宮ハルヒの憂鬱 鶴屋さん カスタマイズフィギュアセット
・PICCODO NIAUKIヘッド M2

造形・調整用
・タミヤ 速乾性エポキシパテ
・タミヤ タミヤパテ(ラッカー)
・タイヤ ポリエステルパテ
・ガイアノーツ 瞬間カラーパテ ホワイト
・タミヤ デザインナイフ
・ガイアノーツ マイクロセラブレード
・タミヤ 紙やすり400番
・エメリーボード 180G
・アリエクの安っすいネイルリューター
・ワセリン

塗装用
・ラッカーサーフェイサー灰色1000番
・ラッカーつや消し
・水性つや消し
・水性ホビーカラーいろいろ
・シタデルいろいろ
・ガイアのエナメルいろいろ
・アクリル絵の具いろいろ
・ドットペン
・いつもの面相筆
・タミヤの化繊平筆

その他装飾
・Transporter スーツケース型スマホショルダー 2wayポーチ
・リーメント ぼくらのランドセル
・タカラトミー リカちゃん ようちえんりくくん(の服)
・パジコ 星の雫
・パジコ 宝石の雫
・アルミワイヤー 1mm

 多いね~。

 とりあえず俺はフィギュア初心者&ガレキ童貞なので造形に関する知識が一切ないのにフィギュアを作ろうとした前科があるので、その反省を生かし
・素体はなるべくありものを使う
・削るのには強い道具を使う
この二点をとにかく意識しました。

『好きなキャラのフィギュアとか自作したいけど顔の造形とかめんどくさいし……体を作るのもめんどくさいし……ねんどろいどとか使っちゃおうかな……』

 そんなあなたにボークスのカスタマイズフィギュアシリーズ!テーレッテレー!
 ていうかそうだこれ見てフィギュア作りたくなったんだ。
 レプリカント(昔のフィギュア・ガレキ雑誌。荒木元太郎氏の特集があるから集めてたよ)や古いボークスニュースをまとめて仕入れて(昔のボークスニュースはホビーとドールで冊子が分かれていなかったからドール記事とホビー記事が同時に見れていろいろお得だったのだ)読んでた時に見たカスタマイズフィギュアを使った自作フィギュアの製作コラム! ウレタンキャスト製――つまりドールと同じ素材なら俺にもできるそうだろうと思ったのでした。
 あのみさきせりか先生監修のボディは旧ドルフィーに近い可動を持ちながら加工性にも富んでおりうんぬんかんぬん。とにかくこの素体を使ってちょちょいと切って捏ねて繋いで盛ったらフィギュアができるそうです!

 ちなみにねんどろいど系で済ませればいいものをわざわざピコド―ヘッドなり廃盤の素体なりをこんな風に仕入れているのはなぜかというと、俺がソフビやPVC素材へ異常なまでに苦手意識があるからです。以上。
 だからその辺を気にしない人は別のやつでやってもいいと思います。

(ちなみにこの前に作って今もなお作りかけのスズイフィギュアは今回の素体に入っているハルヒに出てくる鶴屋さんのキャラキャスト素体から胴や手足などを失敬して製作しているよ。改造にも便利だよ。)

いやうんちくはいいから まずどうやって作るのさ?

 とりあえず基本構造を把握するために挿絵の画像データを確認します。保存しておいてよかった。

あらかじめ関節の接合と腕のエクステンションだけを行った素体で仮組み。
メモ帳の枠は当初買う予定だったキャリーバッグ風ポーチのサイズを測ったもの。

 構図としては
・キャリーケースの中にバラバラ死体

 以上。

 ということでバラバラ死体、もとい手足と胴をそれぞれで作っていきます。組み立てがいらないって超絶楽!!

 カスタマイズフィギュアは足や腕の各関節パーツにMJD形式のPVC製関節パーツを入れる前提のくぼみがありますが、そのまま関節を入れると不自然にそこが休場になりフィギュアとした場合大変美しくないです。
 のでここにはパテを詰め、腕と腿のパーツは断面の塗装ができるように、手首や足首は足パーツとの接続を考えてなるべくなめらかで美しい仕上がりになるよう造形をしていきます。

最初の仮組段階であやしかった部分にポリパテをがっつり。
これを削った後に出る気泡や不自然な部分はラッカーパテで修正します

 パテを詰める順番としては、まず大まかな形を決めるためのエポパテ→隙間や足りない部分を補修するためのポリパテ→細かい凹凸を埋めるのにラッカーパテがいいと思います。
 瞬着タイプのパテは固まった後のテクスチャーがかなりつるっとして他のパテ剤と浮きやすいので、なるべく手首や指などの細かいパーツが割れたときの接着にとどめておくといいかもしれません。削るのも結構大変です。

パテ盛りの箇所はそれぞれ
ヘッド→目穴埋め
胴体→肩先の二の腕を造形
前腕→二の腕を半分
手パーツ→指と手のひらの造形
腿パーツ→付け根のジョイントパーツ挿入部分の埋め立て及びふくらはぎパーツとの接続
ふくらはぎパーツ→足パーツとの接続

 先にも言いましたが、関節部分のざっくりした接続などはエポパテ、二の腕などエポパテで造形した部分の肉付け仕上げをポリパテ、太ももなど大きめのパーツは元のパーツとパテ盛部分の教会にラッカーパテを盛ることでバランスを取っています。これでようやくパテごとの使いどころがわかったね。

カスタマイズフィギュアの足パーツはベタ足で美しくないので、デザインナイフで土踏まずやくるぶし付近をザクザク削って曲面のシルエットを作ります。

 でもアホなので靴下履いてる前提なのをすっかり忘れていますね。

ベースカラー+レイヤーカラーで十分それっぽくなる。
ちなみに塗った後に原画がスニーカーな事に気が付いた。

 気分転換で靴を塗る。今回はシタデルカラーを使った着彩の練習も兼ねていますが、いい感じ
 ちなみに素体はカスタマイズフィギュア 二人は仲良しCセットで完結していますが、足とは別に靴パーツも必要だったのでそこは鶴屋さんのキャラキャストを使用しています。この靴だよ(ちゃんと靴裏にSOS団の刻印がある)

 また、胴パーツはわずかですが胸があるため、手首や足首、首部分は少し太いのが気に入らないのでその辺はエメリーボードでガリガリ削っていきます。コツはジョイントパーツ差し込み部分を外側からぐるぐる削ること。これで手首なんかはかなり細くなります。

 手パーツは付属の物があるものの5本指なため、元のイラストに合わせるためデフォルトの指を切除し手のひらだけを残した状態でエポパテで指を造形していきます。なるべく元イラストの表情を再現できるようにかんばります。

前腕パーツは手首を補足してからハンドパーツと繋げてます。指先の表情がいい感じ

 ヘッドは入れ目にする予定だったんですがパテ盛がうまくいかず、最終的に目穴を埋めて書き目になりました。書き目が嫌だから入れ目タイプのヘッドを買ったのに……。
 ついでに鼻の位置も気に入らないので削る。本格的にキャスト性という以外でピコドーを採用した理由がなくなってきた。でもレジンキャスト製のこの手のやつって貴重なんだよね~。

 削りに使う順番としてはエメリーボード→リューター→400番ヤスリになります。腕や足などパテ造形の大まかな削りや修正はエメリーボード、指や足など細かい部分やボードで角が立った部分を滑らかにするのにリューター、最終的な仕上げに400番のやすりを使っています。
 逆に言えばめんどくさいのでそれより大きい番目のやすりとかは使ってません。なぜならめんどくさいから。

 そうしてやすり作業をめんどくさがるとサーフェイサー吹いた時にはこうなります。500番にしてたらもう少しよかったかもしれないけど時間がないのでこの辺は気にせず行きます。どうせ半分以上隠れるし!

前髪はまだ没になったやつを使っています。ていうか靴が白いから画像の時系列が前後してるな

 磨いてないけどざっくりパテ造形が終わったので仮組。まだ小物類が揃っていないので微妙なバランスですが、小物は作っているうちに届くのを待ちます。

 ボディと比べてヘッドの製作はかなり遅々としています。特に髪の毛。仮組の段階で没前髪なのが作業の遅さを物語っています。

コツは毛束の細かさはあきらめて大きい房で作ること、かも……

 ボディがサフ入れ段階に入ったところで慌てて髪の毛を作り直しています。ワセリンがあると作業がだいぶ楽ということに初めて気づく。

結構パテ盛の隙間がガタガタ。しょんぼり。

 髪パーツは途中で一から作り始めたせいでまだ造形の細かい調整中ですが、時間ももうないのでここから本格的な塗装を始めていきます。下地はラッカーグレーサフを入れ、スキンカラーは水性ホビーカラーとシタデルカラー、30MS用キャラフレッシュを混ぜてオリジナルカラーを作成。あずき色ダークエルフの肌色です。

上が失敗したスキンカラー、下があずき色系ダークエルフスキンフレッシュ。

 最初にグレーとブルーをベースに作ったスキンカラーはサフの色まんまだったので少し赤を入れることで調整。 

 これを塗った部分にシタデルのレイヤーカラーでグレーを重ね、血抜きされた死体の肌色を再現していきます……が、難しい。本当に人皮の色ってわかんねー。
 というか重ね塗りのしすぎで塗膜が厚くなりすぎてマスキングしていた靴下部分との厚みが逆転している。なんでだ。

個人的に一番楽しい作業。おなかの傷が結構リアルにできてうれしいです

皮膚の塗装が出来ればイラストに沿って殴打痕や絞首痕、断面の塗装に。同時にヘッドの面相作業も始めます。

テープで隠れちゃうけど何とも言えないニヒルな顔になった。絶対こんな顔してない。

 口に貼るガムテープはそのままガムテでもよかったけどなんとなくマスキングテープを小さく切って絵の具で塗ってみました。前髪のせいでおでこの傷跡がほとんど見えなくなったのはちょっと残念かもね

髪パーツの最終造形が終わったので乾燥を待ちながら塗装済みパーツにつや消しを掛けています

 足の断面はまず薄めたシタデルのベースカラーで筋肉の面の赤、脂肪層の黄色を薄めに着色。ぺたぺた塗るってよりは色をぽすぽす置く感じのイメージで。
 その上から白のホビーカラーで骨の位置を決めます。しっかり●を打つためにここでドットペンが登場。両腕・両足にグレー交じりの白を打ったらシタデルのテクニカルカラーで血液表現を本格的に入れます。ここは最後にエナメルも使うので乾燥したら水性つや消しで保護。

後頭部にこだわった時間、きっと無駄じゃない

 やっと髪の毛が出来ました。元が銀髪なのでサフの色は白。それにラメ入りのアクリルやら何やらを足してぺたぺた。かなり水色になったけどまあかわいいからいいか。筆ムラなのかグラデーションなのかわからない感じがなんか月みたいで綺麗ですね。

 なお、前髪パーツは研磨中に5分割されるという悲惨な事故があったのでみんなは前髪パーツはちょっと厚めに作ろうね。こういう時に瞬着パテが便利なんだー。

 着彩が終わったらまた仮組。このあと胴・足・腕パーツはワイヤーで縛る作業があるので手足の合わせ方を考えながら小物のチェックもしていく。

 最終作業の前に小物づくり編。
 まずはランドセル。ガチャガチャで出てきた緑色のソフビのやつを無理くり青に塗り替えます。スプレーも乗らないのでもう筆でざかざか塗るだけ。

そういえばこれ作った後にソフビ用カラーが発売されたらしい。
試してみたいけどソフビものってうちにないんだよね


 ランドセルにくっつけるマスコットは余ったエポパテの塊をこねくり回してざっと白に。削り作業で腕を酷使しているせいで右も左も手がガタガタになり(^ω^)の顔を書くだけなのにめちゃくちゃ大変だった。樹脂粘土で作ればよかったな。

某スレにもあげたやつ。リューターが壊れてて形を整えられなかったのが心残り

 これにシタデルでベースの赤を塗った後テクニカルカラーの「ブラッド・フォー・ザ・ブラッド・ゴッド」で返り血を再現。このカラーは血糊表現に最高の活躍をしてくれるすごいやつで、ベースにいい感じの赤を塗っておけばつやつや輝く麗しき血糊が生まれます。一度ペーパーパレットとかに垂らすと油っ気が出たての血みたいですてきだ。今回の血液表現の立役者といって差し支えない。
 シタデルのテクニカルカラーは使い道がカラーごとに決まっているのでちょっととっつきづらいかもしれないが、素敵な色がいっぱいなので集めたくなっちゃうね。ニヒラーク・オキサイドなんかも下色なしで使えるからおすすめだよ。



 最終作業。髪の塗装が終わって面相や断面塗装が終わったら小物を置いて手足の各パーツをワイヤーでくくっていきます。

ワイヤーも着色するか迷ったけどいっそ細い導線とかにしてもいいかなと思った。またいつかね

くくりましたので、最終的にイラスト通りのレイアウトにします。いいね。

最後の仕上げはレジンです。まず小さな涙をフェイスパーツに数滴。

ちいさな涙が見える?

 それが終わったら適当に調色した赤黒いレジンを全体にバーーーーーーーーーン!!!!!!

それから1時間ぐらい混合ライトで焼く!!!!
焼くったら焼く!!!1

完成!!!!!

力技にもほどがある?そうだね……。

 サイコビロの製作の時もそうだけど、こういう作品を作る時に最後にレジンの工程があると楽しいです。レジンをぶっかけて遊ぶのは楽しいので。

 ちなみに……

 ここまで見てくれたみんなにサービスショット。現物持ってても見れない部分のこだわり。

おしりと背中の皮むけと下の塗装の出てる感じがすごくいいでしょ

 ちゃんと死亡後の死体を地面でばらすとこんな感じに背中が擦れて皮が剥けるんだよ。ってフォロワーが言ってた。確かにクリミナルマインドでも言ってたかも。レジン処理後に取れたパーツを見て偶然気づいたよ。

 あああ、死体ってセクシーだ。生きていてなお美しいものが死んでも美しいのは当然のことだし、死んで美しいものは魂が美しい証拠です。
 みんなも、大切なものが死んでも美しいことを確かめましょう。

総括。
●反省点
・土台にしていたポーチが発注ミスで少し大きめの物になってしまい、余白が生まれてしまった
・ボディは血抜きの終わった死体の色なのに対して切断直後~一時間後位の血の色を使ってしまい違和感が出てしまった
・レイヤーと間違えてドライのグレーを買った(そして無理やり使おうとした)
・髪の色があんまり似てないし前髪の形も見栄えが良くない
・パテ盛り箇所の凹凸の処理が甘いまま時間がないのを言い訳に塗装に向かってしまった
・首と胴の接合がうまくいかなくて首が外れやすくなってしまった

●良かった点
・シタデルの良さを知れた
・初めて自分で最初から最後までフィギュア作成ができた
・「持ち歩ける死体フィギュア」のコンセプトで進めていった結果本当に持ち歩けるしレジン臭さを抜くために香水をつけたりしていたらものすごく愛着がわいた

結論:たのしかった!

よかったね。

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