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(共同親権)パブコメ対策のポイント(by foresight1974さん)

foresight1974さんが「中間試案パブコメ対策のポイント(私案)」をツイッターで紹介していました。パブコメを書く上でのポイントがわかりやすいので、noteに転載させていただきます。
(foresight1974さん、ご快諾いただき、ありがとうございます)

(以下から引用です)


中間試案パブコメ対策のポイント(私案)

#共同親権反対
◆中間試案パブコメHP

まず、意見募集要項は、必ず目をお通しください。

◆意見募集要項
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000244683

まず、注意点に目を通しましょう。

"パブリックコメントの意見提出フォーム、電子メール、郵送又はファクシミリのいずれかの方法により、日本語にて、意見募集期間の最終日必着で送付してください(外国在住の方も意見を提出していただいて差し支えありません。)。"とありますが、上記HPの入力フォームを利用する方法が一番便利だと思います。

次に、書く前の説明です。

・住所(市区町村まででOK)
・氏名(匿名OK)
・年齢
・性別
・職業
を書きましょう。

なお、「この意見募集は中間試案に対する賛否の数を集計することを目的とするものではありませんので、同一の人が同一の意見を複数回にわたり提出することは、お控えください。」と書かれています。
我々は"あいつら"とは違います。ルールは守りましょう。

次に、書き方の説明です。

このように注意があります。
「どの項目に対する御意見か(例えば「第2の3(1)について」など)を必ず明示するようにしてください。」
この後リンクする、中間試案に項目番号が振られていますので、それを明示してから、意見を述べると良いと思います。
(私案書き方例は、後日公開いたします。)

なお、長文にわたる場合は、「各項目について長文の御意見を提出される場合には、集約作業の正確性を期す必要がありますので、御意見の本文とともに、その要旨を各項目の冒頭等に付記してくださいますようお願いします。」とあります。
大学で論文をやったことがある方は、ご存じかと思います。
(これも、私案を後日公開いたします。)

では、ここからが実際に、どんな項目について書いたらいいのか、見当をつけてみましょう。
◆中間試案
https://public-comment.e-gov.go.jp/servlet/PcmFileDownload?seqNo=0000244684

他にもいくつも資料がついていて、昨日のインスタライブでも詳しくご紹介しましたが、パブコメを作成するうえでは、見る必要はないと思います。
ここでは、ポイントとなる項目について、ご紹介していきます。


【ポイント①】離婚後共同親権導入の賛否について述べたい場合

⇒「第2の1」です。(P.2)
 【甲案】が導入案、【乙案】が現状維持案なので、【乙案】を支持する旨を明示することを推奨します。

第2の2は、親権者の選択の要件についてであり、前記【甲案】を支持することが前提の案です。
意見は書かなくて良いと思いますが、万が一導入された場合について、意見を書きたい方は、【甲②案】が、単独親権原則論なので、こちらを支持されることを推奨します。

その後に続く、「3 離婚後の父母双方が親権を有する場合の親権の行使に関する規律の(1)~(3)」(P.3~4)については、親権と監護権の関係について、法理論上、専門的な知識を要求される箇所なので、手を出す必要はないと思います。
たぶん、一般の方に意見を聞きたい箇所ではないので。

【ポイント②】子どもと安全に避難できるようにしたい

【2022/12/21修正】
⇒「第2の3(4)」です。(P.4~5)
 居所の指定について、監護者が単独でできる案(X案)、相手方の関与(同意を含む)案(Y案)が示されています。
 X案を支持することを明示することを推奨します。

【ポイント③】養育費について意見を述べたい

⇒「第3の2(2)と(3)です。」
(2)では、養育費を強制執行しやすくするために、債務名義を作成しやすくする案、(3)では養育費が定まるまでの間に、一定額を養育費と法定する案が示されています。

ここでは、債務名義、先取特権、法定養育費といった、専門的な法律知識が要求される言葉が並んでいますが、そこに引っ張られることなく、ご自身の具体的な経験にてらして、「何が困っているのか」「どんな制度があるといいなあと思っているのか」を書いておくべきかと存じます。
その具体的な「困りごと」に対して、効果的な法的手段を考えるのは、法制審議会の委員の皆さんがやればいいことでなので。

【ポイント④】面会交流について悩んでいる

⇒「第3の4(2)」です。
中間試案では、面会交流(親子交流)をすべきかしないべきかついて、次の点を考慮すべきかどうか考え方が示されています。(P.10 (注2)参照)
①子の生活状況
②子の発達状況及び心情やその意思 
③交流の相手となる親と子との関係
④親子交流を安全・安心な状態で実施することができるかどうか(交流の相手となる親からの暴力や虐待の危険の有無などを含む。)
※このほか、交流の相手となる親と他方の親との関係という項目も候補に挙がっている。

面会交流(親子交流)に悩んでいる方、安心して実施できるようにしたい方、同居親側の希望をきちんとかなえて欲しい方は、この①~④について、またはこれ以外に考えて欲しいポイント(費用等)について、意見を書いておくことを推奨します。

また、子どもの希望を通してあげたいという方は、上記①~④以外に、「第1の1(3)」の項目についても意見を述べることが大切です。
ここでは、「父母は、子の年齢及び発達の程度に応じて、子が示した意見を考慮するよう努めるものとする考え方について、引き続き検討するものとする」という案が示されていますが、「引き続き検討」ではまずいので、どのように案を通してもらいたいのか、意見を述べておくことを推奨します。

【ポイント⑤】相手に住所を知られたくない。

⇒「第5の1」です。
次のような案が示されています。
「子の監護に関する処分に係る家事事件手続において、家庭裁判所から調査の嘱託を受けた行政庁が、一定の要件の下で、当事者の住民票に記載されている住所を調査することを可能とする規律(注1、2)について、引き続き検討するものとする(注3)。」となっています。
相手方への情報開示について、不安・心配のある方は、この案に反対されることを推奨します。

【ポイント⑥】養育費をもらいたいが、相手方はどれくらい収入があるかわからない。

⇒「第5の2(1)(2)」です。(P.11)
(1)では、民法上、離婚時に相手方に情報を開示する規定、(2)では、離婚手続時に相手方に情報を開示する規定を定める案が示されています。
いずれも賛成を推奨します。

【ポイント⑦】離婚手続き中、何も決まっていないのに、相手方から面会交流を要求されている。

⇒「第5の3(1)のア・イ」です。
アは、手続途中段階での面会交流を可能にする規定、イは、家庭裁判所による試行的な面会交流を可能にする規定が入っています。
他のことが決まらないのに、一方的に負担を押し付けられるリスクがあるため、反対を推奨します。

【ポイント⑧】面会交流で間接強制金の支払いを要求され、悩んでいる。

⇒「第5の3(2)」です。
ぼそっと書かれているだけですが、非常に危険な内容を含みます。

中間試案では、「親子交流に関する調停や審判等の実効性を向上させる方策(執行手続に関する方策を含む。)について、引き続き検討するものとする。」と書かれています。この"執行手続"が曲者です。
中間試案には何も書かれておらず、附属文書の「家族法制の見直しに関する中間試案の補足説明」P.76には、次のような記述があります。

ここでは、現状の改革案について様々な意見が示されたとしつつも、「上記のような方策によっても、なお、親子交流の定めに関する調停又は審判の実効性が向上されないようであれば、直接的な強制執行の導入も含め、その執行手続の見直しも視野に入れた検討をすることが考えられる。」とあります。
中間試案には最終的に盛り込まれていませんが、途中、たたき台には、「面会交流の直接強制」が案として挙げられていました。

面会交流に悩まれている皆さんには、強く反対されることを推奨します。

【ポイント⑨】養育費の強制執行等を考えたことのある方

⇒「第5の4」です。(P.13)
ここでは、執行手続の複数回実施が可能にすることや費用負担の軽減が打ち出されており、実効性確保の観点からは、賛成を推奨します。

【ポイント⑩】相手方からの裁判上の嫌がらせに悩んでいる

⇒「第5の5(1)」です。(P.13)
いわゆるSLAP訴訟といった濫用的事案について、効果的な対策をご要望の方は、ここで具体的に何が困っているのか、どんなことを希望されるのか、意見を述べてください。

【ポイント⑪】高葛藤で、安全に離婚できるか不安。。。

⇒「第5の5(2)」です。
「…現行法の規律の見直しの要否も含め、引き続き検討する」とありますが、検討を促進するよう(離婚後共同親権に先行して整備してもらうよう)、意見を述べる必要があります。

【ポイント⑫】そもそもまともに財産分与してもらえるの?

⇒「第7」です。
1は、原則ルールの見直し
2は、裁判所に請求できる期間の延長。
3は、開示義務の規定創設
が案として示されています。

個人的意見は、1~3に賛成ですが、当事者の中からは、かえって不利になるのでは?という意見も出ています。
専門的知識に自信のない方は、2・3は賛成し、1は、ご自身の希望を具体的に述べる(賛否は明らかにしない)でも良いと思います。

なお、「民法第768条第2項ただし書を見直し、【3年】【5年】を経過したときは、当事者は、家庭裁判所に対して協議に代わる処分を請求することができない」というくだり(P.16)については、同但し書が、財産分与請求権を2年の除斥期間とする規定を見直す、としている箇所であり、賛成で問題ありません。

私案は以上です。
今後、何人かの専門家に意見を求め、適宜改訂したいと思います。
(了)


(引用ここまで)

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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