見出し画像

【速報】柴山昌彦議員「子の連れ去りに関する通達」ツイート ―「子連れ別居」抑制のための印象操作

先日から話題になっていた警察庁の通達について、4月5日、柴山昌彦議員が「お待たせしました」と引用リツイート。「警察庁より子の連れ去りに関する通達が発出されました」などとアピールしました。

しかし、この通達は「子連れ別居」一般を未成年者略取に問うような内容ではありません。

柴山昌彦議員「お待たせしました」

共同親権派などからは、早速、感謝と期待の声が寄せられています。

  • いつもありがとうございます!

  • 次は検察庁です!!

  • 応援いたしております。

  • 柴山文書(令和5年版)ですね。

  • これって柴山さんのおかげなんですね!

通達「被害の届出等への適切な対応に遺漏なきを期されたい」

結論としては、「被害の届出等への適切な対応に遺漏なきを期されたい」と言っているだけで、何か運用が変わるのか、これだけではよくわかりません。

打越さくら議員「個別具体的な事情を捨象しては誤解を招きます」

弁護士でもある打越さくら議員は、このようにツイートしています。
昨年来、「柴山文書」を片手に、子連れ別居した妻を刑事告訴する運動が広がっていますが、そのような事案に適用されるものではなさそうです。

昨年2月、打越議員は「事務連絡」の際にも、警察庁と確認の上で、以下のようにツイートしています。

最高裁判所決定の内容

では、通達にあげられている裁判所決定について見てみましょう。
以下のように個別具体的な事案であり、「子連れ別居」一般に適用されるような判例とは思えません。

平成15年3月18日最高裁判所決定(平成14(あ)805)

判示事項
 日本人である妻と別居中の外国人が妻において監護養育していた子を母国に連れ去る目的で有形力を用いて連れ出した行為について国外移送略取罪が成立するとされた事例

裁判要旨
 日本人である妻と別居中のオランダ国籍の者が,妻において監護養育していた2歳4か月の子をオランダに連れ去る目的で入院中の病院から有形力を用いて連れ出した判示の行為は,国外移送略取罪に該当し,その者が親権者の1人として子を自分の母国に連れ帰ろうとしたものであることを考慮しても,その違法性は阻却されない。

平成17年12月6日最高裁判所決定(平成16(あ)2199)

判示事項
 母の監護下にある2歳の子を別居中の共同親権者である父が有形力を用いて連れ去った略取行為につき違法性が阻却されないとされた事例

裁判要旨
 母の監護下にある2歳の子を有形力を用いて連れ去った略取行為は, 別居中の共同親権者である父が行ったとしても,監護養育上それが現に必要とされるような特段の事情が認められず,行為態様が粗暴で強引なものであるなど判示の事情の下では,違法性が阻却されるものではない。(補足意見及び反対意見がある。)


あえて「曖昧にする」「説明しない」のは、柴山昌彦議員の常套手段です。
「事務連絡」や「通達」を利用して、全国で「子連れ別居」を刑事告訴する運動が拡大することは容易に予想されます。
今回も、共同親権派に期待と幻想を抱かせる「印象操作」と言えるでしょう。

柴山昌彦議員が会長をつとめる共同養育支援議員連盟については、こちらの記事もどうぞご覧ください。


よろしければサポートお願いします。 共同親権問題について、情報収集・発信の活動費として活用させていただきます。