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思いの伝え方

ここ数ヶ月、私は上司と2人で結構大がかりな仕事にとりかかっていた。
内容としては「自社がどれだけこの1年活動をすすめたか」という事業報告書を作る作業だった。(ちなみにこの冊子は、行政や他企業とあと自社の職員全員に配られる)。

まずは私があらかたの文章を書き、分からない項目を上司に書いてもらった。
10数年も今の部署に所属している上司が書く文章は、専門的な言葉や参考書のような難しい言いまわしが多く、異動してきて1年未満の私には難解な部分が多かった。

なので私は「職員全員に読んでもらいたいので、誰でもわかる文章で書きたいです。この箇所は難しすぎると思います。少なくとも私にはパッと理解できませんでした。まぁ、私が勉強不足なだけかもしれませんが(笑)」
と少しだけ茶化して修正を依頼した。

だが「私には理解できなかった」という事実を、ありのままに口にしてしまったことを後で後悔した。

上司が少し悲しそうな顔をしたからだ。

私は「素直に自分の意見を伝えられること」は結構良いことだと思っている。自分の意見をビビって言えない若手は多いからだ。

その時も、仕事を改善に向けてすすめているつもりで言ったのだが、私には気づいていないことがあった。
それは「自分が自惚れている」ということだった。

「優しい上司だから新人の率直な意見に耳を貸してくれるだろう」、「物を言える若手を評価してくれるだろう」、という自惚れが私には確かにあったのだ。

素直な言葉は時に人を傷つける。
「正直に意見を言えるのは良いこと」と思っていること自体、ただの私の主観だと理解した上で発言をする必要があったのだろう。

これを受けて自分で再確認したのは、「常に他人を尊敬すること」が大切だということ。
これだけ忘れなければ、どんな人のどんな意見にも耳を貸せるし、自分の意見を伝える時も自然と優しい物言いになるだろう。

前に進むために必要な、大切な教訓。

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