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コアな話

私には高校生の頃、ネット上に好きな作家がいた。

その人は自分の書く小説の登場人物に、ものすごく自分の好み(性癖)を詰め込んでいた。
イラストも描いていたし、なによりも一人ひとりに身長・体重・血液型・年齢・家族構成・吸うタバコの銘柄・座右の銘などこと細かに設定があり紹介されていることからもそれが分かった。

私はその設定などを読むのがとても好きだった。

登場人物の一人に「金魚くん」という美大生がいた。
長身ガリガリ、長髪、インド系の服を着ていて、顔が綺麗、天才肌なのにめちゃくちゃ頭が悪い(教養がない)、すぐ鬱っぽくなってひきこもる、作務衣を着た元ヤンの兄(子持ち)がいる、…みたいな設定の子だった。

その子の設定の一つに確か「どれだけ不機嫌でも、『いただきます』と『ごちそうさまでした』だけは言う」みたいなのがあった。

私は特別金魚くん推しだったわけではないが、なぜかずっとその言葉が頭にあった。
そして、よく考えたら10年以上「不機嫌でも『いただきます』と『ごちそうさまでした』だけは言う」を意識的に実践しつづけている。
(コアなファンって怖いね)

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