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音の無い世界(5の5)

穴田魔絵は、深剃りジョンソンが操縦している超ハイテクのオフィスビル型飛行船内で、超ハイテクの映写機で空間に映し出されたアリさんの様子を見て言った。
「アリさんは、ワイヤレス・イヤホンを外して、いそいそと身繕い(みづくろい)を始めました。もうすぐ大阪に到着しますね。」


車掌によるアナウンスが電車内にこだました。
『まもなく、大阪ぁ~♪ 大阪ぁ~♪ですぅ♪お降りになられるかたはぁ~♪』

クルー(乗組員)の智子@はアリさんが、ほかの乗客にもみくちゃにされ、押し出されるようにして降車するのを見て言った。
「アリさんは乗り過ごさず無事、電車から降りられましたね。」

穴田さんは、チャーミングな黒目の大きな瞳をぱちくりして言った。
「ここからがまた、アリさんにとっては正念場です。
アリさんが大阪に降り立ったことで、JR大阪駅という蟻(アリ)の巣のような巨大駅構内は物々しい(ものものしい)厳戒態勢となるのです。」

智子@は、なんとなく言った。
「大阪は、日本で東京の次に大きい大都市で880万人以上も住んでおり、そのような大都市の大阪駅は、言うなれば、国内外からの犯罪者がいつも跋扈(ばっこ)しているような場所でもあります。
アリさんの地元の片田舎の駅よりも、はるか、警備体制が厳しいのは当たり前のことではありますね。
また、そのような巨大駅構内や電車内で何か事件・事故があれば、途方もない人数の人達に影響が出ます。
アリさんのような『重大監視対象』とされている人物は、それこそ、至る所から、防犯カメラ等で厳重に監視されまくっていることでしょうね。」



アリさんが駅のホームの有象無象の人だかりの中を歩いていると、【防犯アナウンス】がこだました。
『不審物を発見した場合は触れずに、駅員または係員にお知らせ下さいっ!』
『ホームの端(はし)を歩かないで下さいっ! 【極めて危険】ですっ!【極めて危険】ですっ!』


智子@は言った。
「あらまぁ。防犯アナウンスが物々しい(ものものしい)ですね。」


☆穴田さんのAhoo!知恵袋☆
《駅構内における【防犯アナウンス】では、アリさんには【極めて危険】という言葉が強調されて聴こえています。
その防犯アナウンスは電車に乗る人であれば誰もが、わりとよく聴くタイプのものだと思われますが、おそらく、アリさんが駅構内に居る間は、音量最大で、流される頻度も最大になっていると思われます。

ちなみに、ショッピングモールとかでの防犯アナウンスでも、『お子さまの一人歩きは【大変危険】です!』といった感じで、アリさんには【大変危険】という言葉が強調されて聴こえています。
ショッピングモールで、アリさんがどこかの店舗に入った直後(タイミング)や、レジの前に立った直後(タイミング)や、店内を物色していて、品物を手に取った直後(タイミング)などで、こうした『防犯アナウンス』がタイミングよく流されたりするので、アリさんをターゲット※にして流されているのだと、はっきりと分かるのです。》

(※アリさんが【大変危険】な人物であるという暗示)
(※『音の無い世界』という、この読み物においてのテーマ上、この防犯アナウンスに関しては、別の記事でも詳しく取り上げます。)


アリさんは、駅構内のホームの階段を降り、とりあえず用を足しておこうと、男性トイレに向かった。
トイレ入り口には【清掃中】の黄色い立て看板が置かれてある。
アリさんにはしょっちゅう、よくある日常の光景である。清掃おばさんが洗面台をスポンジで磨き倒したり、モップで床を撫で回したりしている。
アリさんは清掃おばさんを尻目に、用を足した。

トイレ清掃中

智子@は、なんとなく言った。
「また、アリさんは清掃中のおトイレに入られるのですね。」

穴田さんは、清掃おばさんのそばで用を足し終わったアリさんを見ながら言った。
「アリさんは今流行りのLGBTではありませんので、男性トイレを使用されます。
ちなみにアリさんは、ゲイの世界の『好みの世界』で、熊(クマ)か、ハゲか、しゅんとしたタイプのどれに属するかというと、ハイブリットの、しゅんとしたハゲです。」

智子@は、アリさんのつま先から頭頂までを嘗めるように見て、気の毒そうに言った。
「アリさんったらもう、、、男性(ゲイ)からも、いちばんモテそうにないタイプなんですね。」


アリさんは大阪駅から出るため、改札口に向かった。
アリさんの目の前を、物々しい(ものものしい)『特別警戒』と書かれた襷(たすき)をした駅員が通り過ぎた。
アリさんは改札機に切符を入れ、改札口を通ろうとした時、通常より明らかに大勢に見える駅員が改札口付近に寄り集まって、うろうろしていた。
改札機を出た直後の通路には、さらに数人の物々しい(ものものしい)『特別警戒』や『防犯パトロール』の襷(たすき)や腕章をした駅員が仁王立ちで並んで佇んで(たたずんで)いるのが、アリさんの視界に飛び込んできた。

穴田さんは言った。
「アリさんが大阪駅に降り立ったことで、厳戒態勢の警備体制を引かれましたので、ふだんは管轄外の駅員も応援に駆けつけたのか、改札口近辺は増員されていますね。」

智子@は、なんとなく言った。
「こんなに、うじゃうじゃと背広(制服)の駅員が視界の中に居たら、アリさんには、駅員も、『清掃おばさん』以上に、映画マトリックスの『エージェント』みたいな存在に思えてきてしまいそうですね。」


アリさんは、大阪駅構内のエスカレーターで、いったん地下街に降りて、地下街の通路を通って、蟻(アリ)の巣のような、巨大な建造物の大阪駅周辺から脱出しようと試みた。


智子@は言った。
「アリさんのIQ(知能指数・IQ87)だと、とりあえずは迷路のように入り組んだ大阪駅周辺から脱出することだけを念頭に置いて行動しなくてはいけませんね。
目的地(穴田魔絵講演会の会場)に辿り着くことを、考えるのはそれからです。」


アリさんがエスカレーターに乗ろうとすると、アリさんの前を割り込むようにして、軍人のようにガタイの良い制服の警備員がエスカレーターに乗り込んだ。
腕には『防犯』の腕章が巻かれてある。腰には物々しい(ものものしい)【警棒】がブラブラと揺れている。
警備員は『防犯』の腕章や【警棒】をアリさんに見せつけるためだけに、アリさんの目の前に現れたのである。


☆穴田さんのAhoo知恵袋☆
《アリさんは駅構内だけではなく、じつは、ただの道端でさえ、警備員に【警棒を見せつけられる】ことをわりと、よくされます。
たとえば、コンビニや、信用金庫とかの店舗の前を通りがかった時、集金業務をする警備会社と鉢合わせ(はちあわせ)する頻度が『気のせいか』、異様に高いのです。(もちろん、道端より、買い物をしている店舗内で、集金業務をする警備員と鉢合わせする確率のほうが圧倒的に高いです。)
集金業務をする警備員はたいてい二人組で、集金したアタッシュケースを運ぶ担当の人間と、それを警備する人間がいます。
その警備員が道端で、『金属製のアンテナのような警棒』を実際に、アリさんの、すぐ手の届く距離の、目の前で握り締めていたりするのです。

道端で、警備員が完全な【臨戦態勢】の姿で、アリさんに対峙してるのです。
ただ、これはアリさんの、とりあえず『気のせいか』のレベルに留まって(とどまって)いる事象ではあります。》


智子@は不憫そうに言った。
「こんなにも、『清掃おばさん』やら『駅員』やら『警備員』やらが、誇張表現ではあるものの【まとわりつくように現れている】と感じさせられていると、
自分が何か、テロリストか何かの凶悪犯罪者であるかのような気分に否応なし(いやおうなし)にもさせられてしまいそうですね。

これは一種のパブロフの犬状態の【PTSD(心的外傷後ストレス障害)】にさせられてしまった【人権侵害】として論じてもいいような事象なのではないでしょうか。」




※重要:このシリーズの記事は、ほぼ全ての記事が現在進行形の【書きかけの状態の記事】であり、大幅な書き足しや文章の削除修正は大いにあります。
(幾つもの記事を並行して書いています。公開してありますが、ほとんど、メモ状態の記事さえもあり得ます。)

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