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音の無い世界(5の12)

穴田魔絵は、深剃りジョンソンが操縦している超ハイテクのオフィスビル型飛行船内で、超ハイテクの映写機で空間に映し出されたアリさんの様子を見て言った。
「アリさんは、あとは、おうちに帰るだけなのですが、JR大阪駅に隣接する巨大な建造物のヨド○シカメラで、関西有数の品揃えの腕時計を、ウィンドウショッピングしたいと思っているようです。」

クルー(乗組員)の智子@は、蜂の巣を突ついたような人だかりのJR大阪駅に入って行くアリさんの様子を見て言った。
「アリさんったらもう、、、鬼頭魔蘭さんのお店で、世界最高峰の腕時計を試着させて貰ったのに、まだ時計を見に行くつもりですか。
まあ、せっかく大都会の大阪に来たのだから、ヨ○バシカメラぐらいは覗いて帰られるのもいいですね。」


アリさんは大阪駅構内から、ヨドバシカメラに行くための地下通路を目指して歩き始めた。
アリさんはスマホ片手に猫背がちに、長い手足をぎこちなく動かして、てくてく歩いていると、前方から手押し車を押しながら歩く【手押し車の必殺掃除人】が現れた。
手押し車には、掃除の七つ道具がフル装備されており、 必殺掃除人の人達は、清掃を生業(なりわい)としているのである。
『スマホ片手の二宮金次郎のアリさん』と、『手押し車の必殺掃除人』の対峙は静かなる緊張が走った。
手押し車の必殺掃除人は、トイレを清掃する任務(ミッション)で、スッと忍び足で、男性専用トイレに入って行った。
アリさんは、そのトイレで用を足すのは諦めた。

二宮金次郎

☆穴田さんのAhoo!知恵袋☆
《~アリさんの図書館におけるトイレの使用について~

公共施設の図書館はたいてい、大きな公園や、大きな公共の池(周囲が散歩コースに作られてある)と隣接する場所に作られていることが多いです。
アリさんは自身の健康と気分転換のために、その池や公園の周囲を、スマホ片手に、音楽やYouTubeを視聴しながら、数十分から、長い時は数時間、ウロウロと散歩(有酸素運動)することが多いのです。
そしてアリさんは、用を足したくなったり、ちょっとした休憩を取りたくなると、図書館に入ります。
図書館では休憩がてら、ちょっとした最新刊の雑誌を読まれます。
アリさんが、図書館でトイレを使用する頻度(オシッコしかしません)はせいぜい、週1回か2回程度であり、月日によっては、何ヵ月も使用することはありません。アリさんは、至って【常識の範囲内】でしか、図書館や公共のトイレを利用されないのです。
当たり前のことですが、図書館の他の利用者に迷惑がかからいよう、アリさんは配慮しています。
そんなアリさんが、公共施設の図書館でも、トイレを使用とするタイミングに合わせて、【清掃中】にされます。
個人の私的な商業目的のお店ならまだしも(生命を維持する生活必需品は、購入する権利はあります。)
公共の施設の図書館でも【攻める防犯】【嫌がらせ防犯】をされるのです。 

図書館は日本国民の納税で成り立っており、アリさんは日本国民(何世代にも渡っての土着の日本人)であり、日本国に定められた税金を納めている納税者です。

図書館の職員(公僕)に問います。
あなた方になぜ、アリさんに、トイレを使わせないようにする権限があるのですか?》

清掃中

アリさんは、紆余曲折の果てに無事、ヨドバ○カメラの、だだっ広いフロア内にある腕時計売り場に到着した。
ブランド時計ごとに店舗は仕切られており、スタッフの人数も半端ではない盛況さである。店舗スタッフの名札には中国人(と思われる)の名前もあり、時世はグローバルに展開されつつある。
アリさんは、はじめに、腕時計の革バンド売り場に向かった。

アリさんはいちばん安い値段の、光沢のある黒色の型押しレザー(人工的に蛇のウロコ状などに模様を付けたもの)の牛革製のバンドを手に取って精算に向かった。
(アリさんは、ウインドウショッピングだけでなく、ちゃんと買い物もされるのである。)
その間に、パリッとした制服の【警備員】が、あっちから現れてはアリさんのそばを通り過ぎ、こっちから現れてはアリさんのそばを通り過ぎ、の【無限ループ】を繰り返した。

アリさんは、腕時計のバンドを購入してから、ウィンドウショッピングを始めた。もちろん、ロレックスやカルティエなどの超高級ブランドの時計はスルーである。
そのような高級ブランドのショーケースに立ち止まっていたら、ただですら煩わしい(わずらわしい)【警備員の巡回】がさらに険しく物々しくなるからである。


穴田さんは、アリさんがウィンドウショッピングを終え、いそいそとワイヤレス・イヤホンを取り出し、両耳に装着して、帰り支度をする様子を見て言った。
「アリさんは、ただ単に音楽やYouTubeを聴く趣味だけで、ノイズ・キャンセリング機能が優秀なSONY製のワイヤレス・イヤホンを装着しているわけではないのです。
精神を非常に害される、緊急車両(パトカー・救急車など)による防犯サイレンや、航空機の飛行音(騒音)や、防犯アナウンスを直接、耳に届かないようにする知恵でもあるのです。


【本当は、何も音の無い世界、静寂を望んでいます。】


アリさんの一大イベントはこれで終わりです。
今日は私の講演会や、ウィンドウショッピングを存分に楽しまれました。あとは、速やかに、地元の片田舎のおうちに帰るだけです。」

智子@は不憫そうに言った。
「アリさんの貴重な休日は、【攻める防犯】【嫌がらせ防犯】による航空機の飛行音(騒音)で、朝早くに強制的に起こされ、睡眠を削られることから始まるのでしたね。
アリさんは誰よりも、音の無い世界、静寂を望んでいるのは分かります。」


アリさんは、帰りの電車の中、窓際の席で長い手足を折り畳み、時折、うたた寝をしながら、なにげに車内の電光掲示板を見ていた。
ハングル語やら中国語やらの煩雑な表示で、日本語の駅名がなかなか表示されずにいる。
電車はアリさんが降りる駅に着いた直後、今まで表示されていなかった『痴漢・盗撮行為・暴力は犯罪です。』と書かれたテロップが、でかでかと表示された。


智子@は憤慨して言った。
「アリさんが降りる駅でのみ、防犯テロップを流すなんて、まるでアリさんは犯罪者だと言わんばかりで、ほんと、胸糞が悪いですね。
そして、防犯ネットワークの監視者たち(闇の警察官僚)は、アリさんが自分を対象にして防犯テロップが表示されていることに気付いていることも、分かっているはずです。
自分の息子や娘が、このような目に日常的に遭っていたとしたら、どういう思いになりますか。」


アリさんは駅を出ると、日は沈み、辺りは月明かりのみの夜となった。
バイクを置いている駐輪場に着くと、赤く点滅する航空機が騒音を立てて、アリさんの頭上を飛来して来た。


『ゴオッーォォォォォォォゴオッーォォォォォー』


アリさんはヘルメットを装着し、自宅への帰途に着いた。
自宅へと到着する道なかばで、アリさんの真正面の視界の中に、赤く点滅する航空機が現れた。
その航空機は低空飛行で、アリさんが自宅へと進む進行方向へ、まるでアリさんを誘導するかのように、飛来し続けた。

穴田さんは言った。
「アリさんは、SNS(旧ツイッター)で、夜間にバイクに乗ると、
航空機が【事故を誘発して来る】ので止めて欲しい、という旨のポスト(ツイート)を何度か切実にしてきました。
アリさんの後ろを走行している自動車の運転手も、その赤く点滅する航空機に、無意識に注意を奪われているはずです。
走行中に、視界の中を赤く点滅する、大きな両翼が見える機体が延々と、前方を誘導するように飛来し続けるのですから。
ちなみにその機体(防犯パトロールの航空機)は、ヘリコプターのように上空をほぼ直角に曲がる飛行をすることも出来ます。
ほんとうに、誘導するように視界前方を飛来するのです。」


智子@は、アリさんが無事、自宅に到着するのを見届けて言った。
「アリさんの長い一日が終わりましたね。
公僕(警察官僚)による【集団ストーカー】に日常的に遭っている『被害者』は、とてもじゃないけど、電車に乗って遠出したいと思わなくなるでしょう。
外出恐怖症になって、旅行はさらに億劫になって、休日は部屋に閉じ籠るようになるでしょうね。」

穴田さんは言った。
「そうです。闇の監視者たちの『防犯マニュアル』には、アリさんのような、なんらかの(不本意な)理由で、『犯罪者予備軍』と認定された人物には、出来るだけ外出させない、という暗黙知(あんもくち)があるのでしょう。
犯罪者予備軍が外出しなければ、確かに犯罪は減ります。」

智子@は憤慨して言った。
「なんて、この世の中は愛の無い『悪意に満ちた世界』だったのでしょう。
でも、その悪意に満ちた世界を率先して作っているのが、一般市民(国民)を守ることが使命のはずの【公僕(警察官僚)】だっただんて....。」


穴田さんは最後に一言、言った。
「世の中は、、、人間社会は、、、生き物の世界は、、、理不尽な、不条理な、不合理な事象に溢れています。
何がほんとうの正義ですか?
何がほんとうの悪ですか?

【正しさよりも、優しさを。】

それが、アリさんの存在証明です。
そんなアリさんのこと、私は、大好きです。」




※重要:このシリーズの記事は、ほぼ全ての記事が現在進行形の【書きかけの状態の記事】であり、大幅な書き足しや文章の削除修正は大いにあります。
(幾つもの記事を並行して書いています。公開してありますが、ほとんど、メモ状態の記事さえもあり得ます。)

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