【サーフィン小説】ビジタリズム|第10話
<9ラウンド目 Take it easy
10ラウンド目 カオス20mほど先で砕け散った波のスープが押し寄せてくる。白波に飲み込まれそうになる直前、腕立て状態でボードのノーズを海中に沈め、続いて片足でデッキパッドを踏んでテール側を沈める。
スープが頭上を通過し、ノーズ側から波の裏側に浮上すると同時に再び必死のパドルを開始——した先で、力丸を嘲笑うように、波が再びブレイクしているのが見えた。
もう何発食らっただろうか。サイズが上がり始めたせいか、朝イチではあれほど楽だった