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【感想】舞台トワツガイ

「あちゃー。奈須きのこ、FGOのシナリオの書き方で月姫Rを書いちゃったな・・・」

トワツガイの感想のはずなのにいきなりTYPE-MOON作品の事を書いてしまって申し訳ないのですが、舞台トワツガイを見ながら頭をよぎったのは月姫Rの事でした。

ソシャゲもシナリオを重視されるようになって久しいですが、ソシャゲのシナリオと他の媒体のシナリオはノウハウが違うと思っています。

「ソシャゲのシナリオはユーザが操作するパート(トワツガイやFGOでいえば敵とのバトルパート)を盛り上げるために存在している。」

つまりシナリオだけ抜き出して読み返しても面白さが半減してしまうと思うのです。ソシャゲのシナリオを他媒体にコンバートする際にはコンバート先に合わせたアレンジをしないと失敗してしまう。

今回の「舞台トワツガイ」は見事にその罠にハマってしまった。そう感じました。

ソシャゲのシナリオ、それも未完のシナリオをコンバートした弊害として以下の点が挙げられます。
(1)似たような戦闘シーンが多い
(2)舞台としての「目的地」が不明瞭なので、クライマックスがイマイチ盛り上がりに欠ける。

(1)はわかりやすいですね。会話の途中で戦闘シーンが始まるのはソシャゲならユーザ自身がゲームのシナリオを主体的に進めている事を意識させるためにも必要なケースが多いですが、舞台シナリオで同様の事をする必要はない。戦闘シーンの数を削って、その代わり1つ1つのアクションを贅沢にした方がよかったと思います。

(2)も地味に問題だと思っていて、「舞台トワツガイ」のシナリオ上のクライマックスは、幼馴染のツガイのあれやこれやだと思うのですが、シナリオ上そのシーンがクライマックスとなるべく盛り上げてるわけではない。盛り上がりという意味では中盤の見せ場である、双子のツガイのあれやこれやと同レベルに留まってしまっている。だから、エンディングになった時に「あ、今のクライマックスだったんだ」と後から気づく事態に。舞台オリジナルシーンを大幅に追加する、といった方法で幼馴染のツガイのシーンを増やしておいた方がよかったと思います。

最後にフォローしておくと、「舞台トワツガイ」。演出も役者さんの演技も決して悪くはない。悪くないどころか、絶賛したいところも多々ある(舞台役者としては新人の各務華梨さんの必死さがスズメのキャラと完全にマッチしていたりとかネ!)。それにシナリオの問題もライターの腕というより、発注の問題なような気がしているのです。ただ、全体としては上記の通り「残念だなぁ・・・」という感想をどうしても持たざるを得ないのです。

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