見出し画像

theとa(an)の違いってなんだ?

How's it going?
日本生まれ日本育ち、国産バイリンガルのテロテこと魚住アリナです。

随分前ですが、Twitter上でフォロワーさんと少しtheについての話題になった際、私の感覚を新鮮だと思っていただいたようでしたので、ここで少しご紹介したいと思います。
塾講師時代、英作文の採点をしていると、スペルミスや文法的なミスが少ない生徒さんでも、ここで減点されてしまうことが多い印象がありました。
ということで、Writingの課題や試験が多い現役の学生さんは必見!英語に携わっていない方や苦手だなという方も、使う文や単語はとても簡単なものをチョイスしていますので、中学生時代に思いを馳せながら気楽に読んでみてくださいね。

文法的な違いって何?

theとa(an)を、まずは参考書や教科書の通りに見てみます。両者とも冠詞と呼ばれ、大きく括ると同じ仲間なんですが、その違いは以下の通り。

the:定冠詞
a(an):不定冠詞

theは”定まる”、a(an)は”定まらない”という名前がついています。「theは”特定”」という覚え方をした方も多いのではないでしょうか。

実際に使い分けてみよう!

文法的な区別が理解できたとして、実際にはどのように使い分けるのか、例文を使ってご紹介しますね。

I bought a book. 「本を買ったんだ」
This is the book. 「これがその本だよ」

「本を買った」と話をしている段階では、どんな本か明確になっていません。聞き手は”相手がどんな本を買ったのか分からない=買った本を特定できない”ので、a bookとなります。
ですが次の文で「これが買った本だよ」と紹介してくれました。すると聞き手は”相手が買った本がどんなものか分かる=買った本が特定できる”状態になりますので、the bookとなるんですね。
the=特定という覚え方は、とても正確で的を射た覚え方なのです!

~現役の学生さん、英語が得意な方は思い出してみて!~
theが「特定」を表すことは、以下の場面や使い方でも生かされています。
・比較の最上級(the highest「一番高い」など)
・the only「唯一」, the last「最後」, the same「同じ」
・序数(the first「一番目」, the second「二番目」, the third「三番目」...)
・the other「ラスト一個」, the others「残り全部」
熟語的にセットで覚えてしまうのも手ですが、theがつく理由を知っておくとwritingの場面で役に立ちそうですね。

さて、theが「特定」を意味する、ということは納得できたところで。
次の文はどういった使い分けか、見抜けますか?

May I write the report with a pencil?
「レポートは鉛筆で書いてもいいですか?」

どうしてa report with the pencilではないのでしょうか?
これは、theの持つ「特定する」という性質についてもう一歩踏み込んでみるとわかります。

そもそも「特定する」ってどういうこと?

ここで皆さんに質問です。「特定する」って、どういう意味ですか?
辞書などで調べると、「指定すること、定まっていること」とありますが、結局どういう状況なんでしょう?
ここを見ていくのがTelot-Estyle=テロテ流English!

May I write the report with a pencil?
「レポートは鉛筆で書いてもいいですか?」

恐らく、学生さんが先生や教授に尋ねているのでしょう。となると、尋ねられた先生は”どんなレポートか分かっている=特定できる”状態にあります。だって自分が課したものですから。「ああ、あのレポートね、手書きで構わないよ」といった返事が来そうです。そして、尋ねた生徒本人も、当然どのレポートについての話なのか分かっています

つまり、
互いに特定できる=分かっている→共通の理解、認識が生まれている
という状況になります。「特定する」というところから一歩踏み込むと、ここに到達するんですね。

そう考えてみると、a pencilについても理解できそうですね。
先生としては”生徒がどんな鉛筆を使ってレポートを書くのか”が分かりません。共通の認識がありませんので、with a pencilなのです。

特定共通の理解、認識
これがtheの持つ特徴であり役割です。

だから、道を尋ねる時もこう訊きます。
Could you tell me where is the station?
「駅がどこだか教えてくれませんか?」
尋ねてきた人も、尋ねられた人も、お互いに”今いるところから一番近い駅”を想定するからです。(東京タワーのふもとで訊かれたのにわざわざ名古屋駅まで案内することはないですよね…)そこから一番近い駅は複数あったとしてもある程度は特定できますし、両者の間に共通の認識として生まれます。
これがもし仮に
where is a station?
となっていたら、尋ねてきた人がどの駅を指しているのかが特定できず、尋ねられた人はどこへ案内したらいいのか迷ってしまいます。
意外にtheの持つ役割って大きいんですね。


いかがでしたでしょうか。今回はtheとa(an)の違いやtheの持つ役割についてご紹介しました。
次回もまた、何気なく覚えていた文法事項を解体していきたいと思います。
ということで、今回はここまで。
Thank you for Reading! See you next time!!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?