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ひとり旅の記録 #1|福井編1 雪にダイブする夢が叶った日

ひとりでどこかを旅するのが好きなので、旅の記録を残していってみる。旅をしたという事実を何処かに残したくて。
当時のメモをほぼそのまま載せるものもあるので、私にしか意味がわからない部分もきっとあるけれど、(見返していて稚拙な考えや文章に若干恥ずかしさを感じる部分もあるけれど、)いいことにする。

第一弾は、今年の2月に旅した福井編。


22/02/17-18

雪国行きたいな、どうせならthe 観光地!ってところじゃなくて行くことのなさそうなところいってみたいなぁ、北陸とか…!で決めた福井旅。
無印の黒リュックひとつとカメラ持って。


2/17

朝、出発

福井では今日に限って大雪警報が出ていた。
母からのLINE。
「雪ひどくなった、今日は決行?」
もちろん。やめるなんて少しも考えていない。
心配していた新幹線は遅延なく発車。
いい朝、いい天気!

この日に使い始めたKodakのフィルムカメラ。
2日間で36枚撮り切ろう、と決めていた。


車内

新幹線の天井の明かりが、小学校の修学旅行で乗った大型バスに似ていて、あの頃はこれ見てわくわくしてたなぁって思い出した。

窓から飛行機が見えた。低空飛行していたから、近くに空港があるみたい。横から飛んでる飛行機を見ることってそういえばないなぁ。

車内アナウンスの音楽も新鮮。
未踏の地をいま通過している、と思うと胸が高鳴る。ここからずっと未踏の地だと考えただけで、不思議な気持ち半分、わくわく半分、不安がちょこっとだけ顔を覗かせている。

車窓から。遠くに見える飛行機。


雪国

「トンネルを抜けると雪国だった」を体験した。
さっきまでキラキラしていたのに急に真っ白。遠くに青空が見えていても雪は降るんだ、という新発見。

雪で視界が短く狭くなっていることに気づき、少しの恐怖を覚えた。昔、父と星を見に行った時、霧で前が見えなくなったのと似ている。

雪のない地域で育ったおかげで、雪の積もった駅のホームや、雪の中の細い一本道を散歩する犬とおばあちゃんにも感動。畑に積もった足跡ひとつない真っ白な雪に、電柱の影が映るのが車窓から見えて、めちゃめちゃいいなぁ。
列車の傾いてる側の窓に雪の結晶がくっついていくのがすごい。太陽が出ていても雪が積もっている状態にも感動。

さらにトンネルを抜けると、雨音が大きくなってきた。外も真っ白。光の気配が消えるとなんか不安になるんだな。想像していた雪国とのギャップを感じる。これまでは、インスタの世界で作り上げられた、光のあるキラキラとした雪国だけを見てたのかもしれない。
トンネルを抜けるたびに世界が変わり、ひとつ、またひとつと深い雪国へと近づいていく。

雪の積もった山は、近くで見ると銀色を超えて水墨画みたい。水墨画の世界、めっちゃしっくりくる。そう考えると雪舟の表現はとてもリアルに感じる。


到着、お昼

福井駅に到着。
雪質が知っているものと全然違う。発泡スチロールみたい。こんなにもポロポロしていることに驚き。歩くのは大変。でも楽しい!

お昼は「ヨーロッパ軒」へ。
福井名物のソースカツ丼が食べられると聞いて。
店内で暖まりながら待っていると、平たく大きなカツが数枚乗った丼が出てきた。ソースはかけるのか、それともつけるのか。結局カツをつけながら食べた。ソースが濃い。とても濃い。
ボリュームたっぷりでお腹いっぱいになった。お客さんとして来ていたおじちゃんから、駅近くの美味しいお蕎麦屋さんを教えてもらった。

ヨーロッパ軒のソースカツ丼。まさにこれ。
撮り忘れていたのでフリー素材に頼る。

外に出ると雪が止んで太陽が出ていた。意外と気温は低くない。と思っていると途端に降ったり止んだり。
雪の降る地域ではみんな長靴を履いていることにやっと気づく。お洒落なものを履いている人もちらほら。雪国ほど長靴の種類が豊富なのだと推測する。
私は普通のブーツを履いてきてしまった。足跡のない公園でひとり、雪にズボズボやっていると、溶けて冷たい水となった雪が靴下まで染み込んでくる。そんなのもお構いなしにしばらく遊んでいた。


さらなる雪へ

せっかくならもっと雪の多いところへ行きたいと思い、一乗谷行きのバスに乗り込む。乗客は私を含め3人ほど。そりゃそうだ、大雪警報の日にわざわざ雪深い地域に行こうとする人なんていない。一面真っ白の道を走り続ける。

ただただ真っ白な世界が広がっている。
少しの恐怖を感じるほどに。

30分ほどで到着。朝倉氏の遺跡や復元街並が雪に埋もれている。雪がめっちゃあって楽しい!川も凍っている!
一通り回ったあと、背中から雪にダイブした。びびって勢いが少し足りなかったけれど。ずっとやりたかったことが叶った。偶然同じバスだった、千葉から来たお兄さんに動画を撮ってもらった。

フィルムでパシャリ。
天候が変わりやすく、晴れたり真っ白になったり。
持っていったオーロラのビニール傘で遊んだりもした。

滞在時間はたったの1時間だったけれど、めちゃめちゃ楽しかった。人も全然いなくて。いつか、子どもとこんな本当の自然の中で遊びたいな、と思う。

一乗谷から福井駅へ戻る。バスを降りて、さっきの千葉お兄さんと別れるとき、「良い旅を」って去っていったのがすごくいいなと思った。私も真似しよ。


散策

雪が溶けているせいでもあるけれど、山から街へ戻ってくると全然雪がないように感じる。いや、街にしてはありえないほど積もっているのか。

コンビニ。あたたかい飲み物を買う。期待していたが、私の知っているコンビニと特段大きな違いはなかった。
養浩館庭園。小さい庭をぐるりと一周。
そのあとは和菓子屋さんで、苺大福と紫芋のお菓子を買う。一度は通り過ぎたけど引き返してよかった。お店のおばあちゃんとちょっとだけお話をした。

福井神社にも行く。見開き1ページを使った御朱印が、手書きでかつ丁寧でめちゃくちゃかわいい。社務所のおばちゃんがとても話しやすい人で、いっぱいお話した。雪の降る地域って大変だよ、って話とか。

月によって描かれるものも変わるらしい。
2月はマーガレット。


ゲストハウス、夜

福井ゲストハウス SAMMIE’Sへ。
ドキドキしながら向かう。いざチェックインすると、そこはあたたかくて居心地抜群。雪で濡れた靴下をストーブの柵で乾かさせてもらう。こんなことも自由にしていいなんて、本当に家のよう。
「実はゲストハウス初めてなんです〜」とスタッフの方にお話しすると、「そうは見えないよ、向いてるよ〜」って言われて嬉しい。

SAMMIE’Sの外観。窓際のキッチン好き。

夜ごはんを食べに外へ出る。
目的の店が予約客でいっぱいだったので、近くのほかの店に入る。店主の方と常連客がおしゃべりするのを横目にオムハヤシライスを食べた。正直そこまで居心地良くないな、と感じていた。が、お会計の最後、私の持っていたカメラを見て「カメラ好きなんすか?」とひとこと。そこから少しお話しした。たったこれだけでマイナスがプラスに変わった。こういう声かけって大事だなぁと改めて思う。

帰宅。
その日泊まっていたのが同年代の女性だったので、こたつでおしゃべりしたり、みかんを食べたり。
あとは、部屋でオンラインのミーティングに少しだけ参加したり。ゆっくりと過ごした。
この日は早めに、23時には寝た。

夜まで雪が降っていた。
外ではしゃいでいる時に撮った1枚。

つづく

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