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たった1人を振り向かせる!

この街は「角打ち」できる酒店がめちゃめちゃ多い。私もいつか…と思うけど、まだまだ角打ちデビューには早い。お酒の味もわからないうちは、角打ちなんて恰好がつかない!と、昨年からコロナの自粛生活を活用?して、近所の酒店の店主にお酒のことを教わりながら、その日おススメの1本を買って、家飲みしている。

店に入ると「あら、いらっしゃい」としゃれた前掛けをした体格のいい店主は声をかけてくれた。そして「最近、ネタ不足なん? フェイスブックの更新止まっとるみたいやけど」と続けた。
ドキッ。
たしかにここ数週間アップしていない。痛いところを突かれた。
実は店主の娘さんは、うちの法人の看護学校の卒業生で、今は当院に勤務している。そんな事情は全く知らずに、世間話をしていたら発覚した。私が広報担当だと知ると、「俺、フェイスブックいつも楽しみに見てるよ」と言ってくれた。

日頃、何の気なしにアップしたり、なかなか増えない「いいね!」やノーリアクションにやりがいを失うこともあるけれど、こんな「ファン」が目の前にいてくれることを知る瞬間ほど、うれしいときはない。

そこで思い出した本がある。阪本 啓一氏 著「たった1人を確実に振り向かせると、100万人に届く」。阪本さんはブランディングやマーケティングで有名なコンサルタント。この溢れる情報社会の中では、なんでもかんでも発信すればいいというのは大間違い。だれにも結局届かない。
たった一人の興味・関心を惹くメッセージで、その一人を振り向かせることが、ひいては多くのひとを惹きつけることにつながると書いている。

たった一人の存在。そうだ。この酒屋の店主こそ、たった一人の、すでにファンでいてくれている存在。
春はなんやかやと忙しく手が回らないなど、言い訳している場合ではない。はたまた酒など飲んでいる場合か?
確実にそして何が何でも継続して、この人を惹きつけて離さない努力をしなければ!
「ありがとう、来週月曜にアップします!」。そう言って、私は店を後にした。「これはキンキンに冷やして飲んで!安いけど値段以上にいい出来やけん」と勧められたチリワインを小脇に抱えて。
それ飲みながら、これ書いてます。

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