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ユダヤ神秘主義カバラについて①
写真は、ユダヤ神秘主義(カバラ)の世界的権威、ゲルハルト・ショーレム氏の若かりし頃のものです。
今回は、こちらの記事の続きとして、カバラについて簡単に触れておきたいと思います。
メルキゼデクはどのような人物?
神秘主義を教えるミステリースクールによれば、カバラはメルキゼデクからアブラハムに伝えられたと考えられています。
日本では「カバラ=数秘術」として知られているようですが、あくまでも部分としての活用であり、物質的な豊かさや人生の楽しみなど、エゴ的な欲求を満足させるためのツールとして使ってしまうと、本質から大きく逸れるばかりか、その方の人生をかえって台無しにしてしまうくらい、注意が必要な教えでもあります。
さて、先に名前を挙げたメルキゼデクですが、創世記でこのような形で登場します。
14:18その時、サレムの王メルキゼデクはパンとぶどう酒とを持ってきた。彼はいと高き神の祭司である。 14:19彼はアブラムを祝福して言った、
「願わくは天地の主なるいと高き神が、
アブラムを祝福されるように。
14:20願わくはあなたの敵をあなたの手に渡された
いと高き神があがめられるように」。
アブラムは彼にすべての物の十分の一を贈った。
ちなみに、アブラムはアブラハムが子を授かる前の名前で、サレムはエルサレムの古称とされています。
また、ユダヤ教から改宗したキリスト教徒へ宛てた書簡としてのヘブル人(ヘブライ人)への手紙では、このような記述があります。
7:1このメルキゼデクはサレムの王であり、いと高き神の祭司であったが、王たちを撃破して帰るアブラハムを迎えて祝福し、 7:2それに対して、アブラハムは彼にすべての物の十分の一を分け与えたのである。その名の意味は、第一に義の王、次にまたサレムの王、すなわち平和の王である。 7:3彼には父がなく、母がなく、系図がなく、生涯の初めもなく、生命の終りもなく、神の子のようであって、いつまでも祭司なのである。
個人的に興味深いのは、太字の部分です。
「父もなく、母もなく、系図もなく…」という表現は、普通の人間とは違う存在ということを示しているのではないでしょうか。
つまり、「神の子」、神との繋がりを持っている存在として、メルキゼデクは当時のエルサエルムを治めていたとみなしても良いように思われます。
ただ、それだけ重要な人物であれば、もっと様々な文献があっても良さそうなのですが、ほとんど見当たりません。
おそらく、そのような記述がたくさんあると都合が悪くなる組織から「意図的」に隠蔽されたり、焚書されたりしたのかもしれませんね。
カバラの代表的な書物について
次に、カバラの書物について簡単にご紹介します。
1. Zohar(ゾハル)זֹהַר
Zoharは、カバラの中心となる基本文献で、トーラーの註解書であり、アラム語で書かれています。神の性質に関する記述が含まれており、宇宙の起源と構造、魂の性質、償還、自我と闇、そして「真の自己」と「神の光」の関係について書かれています。併読することで、トーラーへの理解が深まり、より神に近づくことが可能となるでしょう。
2. Sefer Yetzirah(セフェル イェツィラー) סֵפֶר יְצִירָה
Sefer Yetzirahは、Book of Formation(形成の書)またはBook of Creation(創造の書)と呼ばれるエッセイで、ヘブライ文字によって、世界がどのように創造されたのかを記述しています。
また、ヘブライ文字のスピリチュアルな意味についても解説しています。
私が普段学び、調和的に生きるためにも欠かせない書物になっています。
これまで紹介した記事の中にも、Sefer Yetzirahを参考に書いたものがありますので、よろしければご参考ください。
では、今回はこの辺で。Shalom!
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