見出し画像

Marqeta $MQ 銘柄紹介

ビジネスモデル

一言で言うと「国際ブランドカード発行の仕組みをオープンAPI モデルで提供する会社」です。

国際ブランドとはVisa, Mastercard, JCB, American Express, Dineers Clubなどです。
国際ブランドカードはクレジット、デビット、プリペイドの3種類があり、発行形態はバーチャル、リアルの2通りあります。これらすべてのカード発行を支援しています。
APIはApplication Programming Interfaceの略です。

Marqetaの顧客(Squareなど法人)はAPIを使ってクレジットカードの発行や決済ができるようになります。

画像1


例えばSquareはCash Appで決済や送金するときにカード発行によって処理をしています。
SquareがMarqetaのオープンAPIを使用すると料金が発生し、このAPI使用料金がMarqetaの収入となります。

なぜSquareはわざわざMarqetaを利用してカード発行するのでしょうか。
直接VisaやMastercardと契約してカードを発行すればMarqetaに手数料を払う必要はありません。
これは国際ブランドカード発行には多くの時間とコストがかかりますが、Marqetaのプラットフォームを使えば簡単にカード発行できるからです。

国際ブランドカードは誰でも発行できるわけではありません。
Visaカードを発行するためにはVisaと直接契約をして「プリンシパルメンバー」になる、またはプリンシパルメンバーのサポートを受けて「アソシエイトメンバー」になる必要があります。

プリンシパルメンバーはVisaカードを直接発行できる権限を持ち、Visaカードを発行できないカード会社にライセンスを供与できる権限を持ちます。
詳細は分かりませんがプリンシパルメンバーになるには登録で数千万円〜数億円、加えてトランザクションに応じたライセンス料も発生するようです。

カード発行には多くの時間とコストがかかるという問題があり、Marqetaはここに目をつけカード発行のハードルを下げました。

MarqetaはSutton Bankという銀行と連携してカード発行しています。
カード発行のライセンスは銀行から調達し、Marqetaはカード発行のプラットフォームの技術開発を行っています。

業績


スケール

画像2

36カ国でサービスを展開しており、2021年3月末までに3.2億枚のカード発行をサポートしました。
2020年のトランザクションボリュームは$60B。

顧客

画像6

3大BNPL事業者 (Affirm, Afterpay, Klarna)すべてをサポートしています。
他にもSquare, coinbase, Uber, Doordashなどもサポートしています。

総取引金額

画像7

画像3

売上

画像4

粗利益と粗利率

画像5

Marqetaの売上の大部分は決済代金の仲介手数料です。
仲介手数料はVisaやMastercardが設定していますが、レートは公開されていませんが、粗利率はあまり高くないです。

リスク

Squareへの依存度が高いです。

2019年は60%、2020は70%の純収益をSquareから得ています。
2020年1〜3月は66%、2021年1〜3月は73%の純収益をSquareから得ています。
Squareとの契約期間はSquare Cardが2024年12月まで、Cash Appが2024年3月までで、各契約はその後1年ごとに自動更新されます。

MarqetaホルダーはSquareの決算には注目です。

上場後のイベント

6/9 NASDAQに上場
公募価格 $27 初値 $32.31 (+19.7%) 終値 $30.52 (+13.0%)

8/11 Q2FY21決算発表
売上:$122M vs $101.8M
EPS:-$0.29 vs -$0.06
GMV:+76%
RSU (Restricted Stock Units) というストックオプションのためEPS未達になったようです。
8/12の終値は $27.51 (-8.5%)

8/28 AmazonとAffirmが提携発表
Affirmの株価が46.7%と大躍進をし、Affirmを支援しているMarqetaの株価も連れ高。
8/30の終値は $27.01 (+4.6%)

9/2 AmazonとAffirmの提携について発表
AmazonでAffirmを利用してBNPL支払いをしても、Marqetaのプラットフォーム上では処理されないことを発表。
9/2の終値は $27.85 (-4.7%)

9/28 MastercardがBNPL参入を発表
複数社と共同でBNPLプログラムを実施することが発表され、米国の協力会社8社の中にMarqetaが選ばれました。
9/29の終値は $22.97 (-5.2%)

10/25 Uber FreightとBranchとの提携発表
Uber FreightはUberの荷物配送部門です。
Uber Freightの配送ドライバー向けにBranch社のデジタルウォレットの提供をサポート。
配送後、迅速に報酬支払いを行う体制を構築します。
10/25の終値は $28.28 (+11.3%)

10/26 Amountとの提携発表
Amountは金融機関向けに融資ソリューションを提供するFintech企業。
銀行がBNPLサービスを迅速に参入できるようサポート。
10/26の終値は $32.10 (+13.5%)

10/27 Bill.com ($BILL)との提携発表
Bill.comは中小企業向けに財務業務の効率化を目的とするクラウドベースソフトウェアを提供するFintech企業。
Bill.comの金融機関顧客向けにバーチャルカードの提供を開始。
10/27のザラ場中の最高値は $37.90 (+18.1%)

10/27 WSJ報道
司法省は反トラスト調査でVISAと大手金融テクノロジー企業との関係を調査との報道でFintech企業が大きく売られました。
VISAは-6.9% $PayPalは-3.3% Squareは-3.9%
Marqetaに直接関係ないと思いますが、Squareに連れ安。
10/27の終値は $32.36 (+0.8%)

10/28 Temenos ($TEMN)との提携発表
Temenosは銀行向けフィンテックソリューションのエコシステムを提供するスイスの会社。
Temenosの顧客銀行へカード発行プラットフォームを提供。
10/28の終値は $31.19 (-3.6%)

11/10 決算発表予定

12/7 ロックアップ解除予定
→11/12にロックアップ解除されました

私見

Fintech界のAWSとも言われています。
MaqetaのビジネスはVisaにとってもSquareにとっても嬉しいサービスなはずです。
競合らしい競合も存在しないようですし、Marqetaの成長を妨げるものは特にないような気がします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?