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 救いがないよね。

 息を吸い込むと、胸がつかえて苦しい。
内科に出かけて、抗生物質をもらい、
そのタブレットを口に水で流し込んだ。
テレビから流れる戦争の音で、苛立って
いたのかもしれない。
 高畑監督の「火垂るの墓」は、
戦争で庶民がいかに巻き込まれた
悲劇を描いた傑作である。
 今ロシアは地政学の真っ只中にいる。
NATOが領土の周りを囲いはじめて
いた。ウクライナはどうしても
NATOに入られると脅威だった。
そこに軍を配備されると、
ロシアはそこからのミサイル
を気にかけなくてはならなくなる。
 だからと言って、侵略していい道理はない。
今、なんとなくボクは、戊辰戦争を
思い出していた。
互いに正義と叫び、斬り合い、撃ち合う。
そこには、双方の事情への「理解」
が欠如している。自分達が正義と
言い合うから、戦争が止まらないのだ。
<正義>って恐ろしい言葉だ。
と改めて思う。
いまも、勝手に罪のない市民が
爆撃で吹っ飛んでいる。
このような愚劣な行為が許される
わけがない。侵略は侵略なのです。
 ズキズキする頭痛が
タブレットのおかげで
少し楽になった。
チャップリンの「独裁者」を
観ながら、身体を横たえよう。

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