小説『母性』を読んで、母性少なめな私が考えたこと
自分を産んでくれた母親と、自分が産んだ娘。どちらか一人しか命を救えないのだとしたら、どちらを選ぶだろうか?
「私は、母を助けたい」
私がもしこの場でそう言ったら、今この文章を読んだ人は、瞬間的に何を感じ、どのような目で私を見るんだろうか?
本の中には「愛能う限り」という聞き慣れないフレーズが頻繁に出てくるが、愛能う限り大切に育ててきた自分の娘よりも、ルミ子は火事の中で母親を選ぼうとした。
火の手が迫っている中で、ルミ子の母は子供を先に助けるようルミ子を説得する。
親