進む先を選ぶのは自分。

うじゃうじゃした暗闇がみえる。
真っ黒で、グルグルしている。
その円は時折止まり、またグルグル回る。

ボコボコと音がする。

その中にいるのは、
邪悪なものだけじゃない。

そこから出たくて、
必死でもがき苦しんでいる者もいる。
入ったことを後悔している者。

ずっと見ていると引き込まれそうになる。
自分はどうしたいのだろう。

ボクは手を伸ばしてみた。

無数の手が伸びてくる。

ボクは、そちら側にに引っ張られるのだろうか。
それとも、暗闇から出たい者たちを
こちらに側に引きずり出すのだろうか。

グングン伸びてきた手を思わず払いのける。

闇でじっと耐えてもいい。
苦しんでもいい。
でも、本当の暗闇に入ったら二度と出られない。

振り向くと遠くに光が見える。

さっきはなかったはずだ。

光の方に人影も見えてきた。
仲間が迎えに来たのかもしれない。

ボクは光の方へ歩き出す。

おしまい。

おしまい。