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手を洗おうとして、蛇口をひねったら、次々とタヌキが出てきた。 びよん、とのびて、 すとっ…
ゆらゆら揺れる、 あの影の中に 昔、天国に行った人がいた。 影は小さく、なぜその人がいるこ…
うじゃうじゃした暗闇がみえる。 真っ黒で、グルグルしている。 その円は時折止まり、またグル…
誰もいないのに、いる。 そんなときは、 そっと耳をすます。 気づかれないように。 誰もい…
鳴き声がきこえる。 わずかな隙間から、小さなちいさな声が。 ボクは、おばあちゃんのうちに…
朝目覚めるとと、まだ生きている、と思う。 また、1日が始まるのか。 仕方なく起き上がる。 …
その子は、 海で泳ぐのが大好きだった。 朝起きるとすぐ海に向かって走っていく。 それに気づいた1つ上の姉が、 おむすびを持ってそのあとを追い、 海辺で朝ごはんを食べさせる。 おむすびをあっという間食べ終え、 その子は、海に飛び込む。 朝の海はまだひんやりしていて、 気持ち良い。 楽しくて、ひたすら泳ぐ。 ぐんぐん、ぐんぐん。 たまに仰向けになって浮かび、 日を浴びながら考える。 「魚になったら、ずっと海で泳いでいられるのに…」 海を泳いでいると、 小さな魚たちに会
熱があるときの楽しみは、 桃の缶詰が食べられることだった。 冷えた桃のあの甘さは、 イガイ…
鈴の音と共にそれはやってきて、 無数に散らばり、 消えていく。 誰もが知っているもの。 …
ざぁーっと降り出した雨に立ちすくむ。 傘を忘れたから、 今、帰るとびしょぬれだ。 周りに…
学校の帰り道の楽しみは、いつもと違う道を通ること。 でもね、 実はお墓もあるんだ。 友だ…
風の音。 葉っぱの揺れる音。 落ち葉が地面を転がる音。 横になって、ぼーっとしていたら、 …
光の中には、細い細い光の束がある。 その細い細い光の束には、 無数の天使が集まってきて、…
その女の子は、いつも空をみていました。 雲が色んなかたちになるのが嬉しくて、いつまでも眺めていました。 「いつか、あの雲にのって、遠くの国にいってみたいなぁ」 いつもそう思っていました。 女の子は小さいころから病弱で、ずっとベッドの上で過ごしていたので、外に出たことがありません。 ある夜、 「トントン」 と、窓をたたく音が。 おそるおそる」窓に近づくと、小さな可愛い鳥が羽をバサバサとして、こちらをみています。 「どこかに行きたいの?」 小鳥が女の子に尋ねま