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どうして乙女ゲームをするんだろう? / 047

乙女ゲームをプレイするには、ゲームを遊ぶためのハードや、遊ぶための時間、ゲームを買うためのお金がかかる。

イラスト付きでキャラとの恋愛や恋愛物語を楽しむだけなら少女漫画の方が、お手軽だ。イラストもたくさん楽しめるし、ゲームよりは時間がかからないし、お金も少なくて済む。数も多く出ているから、お気に入りのキャラを探せばいい。キャラの恋愛を楽しむだけなら、忙しいと言われている現代の女性には、圧倒的向いている。

それでも、数は少なくなってしまったとしても乙女ゲームを選び、プレイする人がいる。

その人たちが、時間もお金もかかる乙女ゲームをするのはどうしてなのか。

一緒に同人活動をしているスズキと打ち合わせ帰りの電車の中で話していたら、ふとそんな話題になった。

最初に乙女ゲームをプレイするデメリットをあげたので、メリットを考えてみた。

・ボイスが楽しめる
・恋愛相手を選べる
・BGMが聴ける
・少女漫画よりはボリュームが多い

こんなところではないかと。

一番は、やはりボイス付きでキャラを楽しめるところにあるのではないかと思った。声優さんに声という命を吹き込まれたキャラ達は確かに魅力的で、同じテキストでも、声があるのとないのでは感動も思い入れも変わる。

だけど、最近のアプリ化の流れで、パートボイスが主流になり、よっぽど資金力がある企業が作ったアプリか、売れているアプリでないとフルボイスにはならない。そのせいか、最近はボイス無しに慣れている気すらしてしまう。

あとアプリゲームは、スキマの時間でプレイされるから、じっくり楽しむためではなく、さくっと楽しむものになっている。なので、テキストは飛ばされがちだ。それによってフルボイスだとしても、飛ばされてしまう事の方が多いのではないかと推測している。実際のところはわからない。むしろ統計をとりたいくらいだ。

上記のような状態になっていると仮定したとしても、昔から乙女ゲームを楽しんできた人にとっては、ボイスは乙女ゲームを遊ぶことを選ぶ理由の一つにはなっている。

二番は、恋愛相手が選べることだ。

少女漫画あるあるの一つが『当て馬を好きになる事件』だ。私も大体当て馬を好きになる。報われないってわかっているのに、作者の気まぐれで結ばれてしまうことを願ってやまない。けど、そんな大どんでん返しが起きることは、まずない。だが、一度だけそれが起きた奇跡の少女漫画があるのだが、名前を出したらネタバレでしかないので割愛。だけど、この漫画読んだ時は、作者に感謝した。本当ありがとう。

脱線したが、当て馬は報われない。けど、そんな「当て馬と結ばれる運命があったとしたら?」という願望を叶えてくれるのは、乙女ゲームの強みであると思う。誰を恋の相手に選ぶかは、自分次第で、作者に命運を託す必要はない。気に入った彼がいたら、彼のルートに入る選択肢を探り選んでいけばいいのである。

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あとはBGMや立ち絵、スチルを楽しめるというものがあるが、イラストの数では少女漫画の方が圧倒的に有利なので、強みとは言えないんじゃないかな。BGMは、場面を盛り上げるの装置の一つとして素晴らしいが、あれば嬉しいくらいだろう。

ボリュームが多いのは多忙な現代人にとっては、メリットでありデメリットでもある。じっくりゲームを遊ぶ人には嬉しいんだけどね!

とまあ、こんなところがメリットではないかと思ったけど、それでも乙女ゲームをプレイするのは、体力的に時間的にも金銭的にカロリーが必要だ……。それが理由でプレイ人口が減ってしまった気もする。

そんな事をスズキと話していた時に、「じゃあ、なんでさっちゃんは乙女ゲームやノベルゲームをするの?」と聞かれた。

すぐには答えられかった。むしろ、なんでプレイしているんだろうとすら思った。

ふと頭によぎったのは、キャラと過ごしているように感じられる空気感が好きだなと。

一緒に青春を過ごしている気がするのが嬉しいのだ。少女漫画だとどうしてものぞき見の人になってしまう。二人の恋愛がうまくいくかハラハラしながら見守るおばさんでしかない。それは乙女ゲームも同じようなところがあるけど、キャラが自分に話しかけてくれるので、少女漫画よりはそこにいる気分になれるし、キャラと一緒に何かをしている気分になれる。体験に近いのかな。主人公を通してキャラと物語を体験をしている。

例えば旅行で、過去に行った事がある場所に行くと、懐かしさや切なさを感じるのに似ているのかもしれない。

キャラと過ごしながら感じた気持ちがそこには残っていて、久しぶりにプレイすると、その時を思い出して懐かしく思う。かつて感じていた愛情を思い出すみたいに。

それがクセになるのかもしれないって。

あとはちゃんと選びたい。主人公がどう行動して、その結果、誰を選び、選ばれたのか。自分のお気に入りのキャラを当て馬では終わらせたくない。自分の手で幸せにしてあげたい。そういう道を選んであげたい。当て馬を好きになり続けたからこそ、余計にそう思ってしまう(´;ω;`)

ふとした疑問がきっかけで、こんな事を考えてみた。

けど、人それぞれいろんな理由があって、お手軽には楽しめないけど、それでも乙女ゲームを遊ぶことを選び、楽しんでいるのかなと思うと、なんだかいいなって思う。

そういう話を私は、いろんな人に聞いてみたい。その理由は、きっとその人が大切にしているものと繋がっている気がするから。

といろいろ考えられて楽しかった!

今度は『どうして乙女ゲームを作るんだろう!』を考えてみようかな!

あと、よかったら私が作った乙女ゲームを遊んでください(笑)!




ゴリラにバナナを買うための愛の手を(*ノωノ)