さよなら、私のロンリー

 主人公の女は、泥棒の両親とともに、泥棒して暮らしている。なにかしらで知り合った普通の一人暮らしをする女と友達になるが、泥棒が本職と知られてギクシャクする。小遣い稼ぎで行った出産前講習で知った赤ちゃん疑似体験の、暗いところから明るいところに這い出す、というのをやろうと倉庫に入った時に地震が起き、外に出たら世界が違って見え、両親との泥棒暮らしから生まれ変わるきっかけになる。そして二人は仲良くなり、友達の家にいた娘を両親が見舞いに来て、翌日その家財がみななくなっていた。

 コメディと分類されていたが、一か所も笑えるところはなかった。泥棒家族の住む家が、洗剤工場の持ち物で、漏れてくる洗剤を毎日すくわねばならないため家賃が安い。この設定がコントっぽい。話としては、おかしな家庭に育った娘のつらい精神状態を描いていて、道徳の時間に見せられるような辛気臭さだった。


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