5ブロックと6ブロック

私は麻雀店のマスターとしての顔を持っておりますが、最高位戦日本プロ麻雀協会という団体に所属し麻雀プロという顔も持っております。
先日私が所属するB2リーグが開幕しました。
たまには麻雀の話を書くのも良いかなと思い、第1節のリーグ戦の1局を取り上げてみようと思います。

最終戦オーラス

南4局、ドラ1s、4巡目
東家   4500
南家 31500
西家 33300(自分)
北家 50700
よくある展開は南家と私の2着狙いで展開が早くなる。
トップ目はかなり安泰。ラス親は必死だが上家がトップ目だからよりキツイ。
3巡目に親から白が出て私はポンをし、イチ早く和了りに向かった次巡の手牌がこれ↓

親が七(⑦だったか)手出しされ、もしかしたら早いのかも?と思った瞬間の手牌。
5ブロックに進行するなら6s8sのターツを外すか対子を切るか。ポン材としては良い対子を残したいので6s8sだろうか。
6ブロックなら4s切りか。
5ブロック進行をしようと考えていたが、親が早いかもしれないと思い今すぐにまとめて4s6s8sの3枚切りたいくらいだった。
早く和了りたい、親に危険度の高い牌から切りたい、色々考えていたら中途半端になってしまい、打4sと6ブロックの進行をしてしまったのが一番の反省点。
そもそも親にリーチと言われたら、どの順番で切っても間に合わないなら止めるわけだし。

すぐに②をポンして↓の形になり、打6s

6ブロックにした時の典型的な余剰牌が不要牌の8s。
すぐに上家から三が出てチー。

チーと言った瞬間、これは大失敗だと反省した。
5ブロックに受けなかった事で、1シャンテンに進んだ時の余剰牌が不要牌、安全牌を抱えられないというデメリットがあったが、それ以上に・・・
「待ちが分かりにくくなってしまった」
これが一番の反省。
ソーズの切り順が、8s→6s(ポン出し)→4s(チー出し)となるのと、4s→6s(ポン出し)→8s(チー出し)となるのでは他家からの見え方が明らかに違う。

上記の写真は上の河と下の河では2s-5sの危険度が違うと思うが、この局はトップ目の北家に差し込んでもらえる可能性があるから上のような切り順にすべきでした。
実際1巡目にドラの1sを切ってまで「安いアピール」をし、トップ目の差し渋り(高い手に見えるなら)を少しでも緩和しにいったはずなのに。
打8sとした瞬間、下家のトップ目が少考し切った牌はピンズ。
そりゃーそうなるわ。
もし2s5s持っていたらここでゲームが終わっていたはずなのに。
そして同巡親からリーチ・・・

確かこんな河。
猛省するのは後回しにして腹を括ったが、たまたま2巡安全牌を持ってきているうちに3着目が親に放銃し、次局は自力で和了り2着で終える事が出来た。
終局後立会人の水巻さんに、「マスターあれ何待ちだったの?」と聞かれるくらい変な進行だった。

昔は何でも5ブロックにしていたが、6ブロックのメリットを覚え少しずつ使うようになったが、完全に使うところを間違えてしまった。
私はこれを包丁理論と呼んでいる。
万能包丁であればどんな材料にもそつなく対応できる。
しかし、何かに特化した包丁はその特化した材料に対しては万能包丁より優れているが、その他の材料になると能力が急激に低下する。
今回の私は果物を切るのにマグロを解体する包丁を使ったようなもの。
麻雀プロになって戦術や戦略という名の包丁をいくつも手に入れたが、まだまだ使い分けが出来ていない。

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