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「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」の日本版?


ポール・オースター編「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」は、大切な本の1冊。時々ふと手にして、パラパラとどこから読んでも楽しい短めの話が詰まっている。

1999年、ポール・オースターがラジオ番組のレギュラーとなる依頼を受け、リスナーに、事実であり、短い物語で、どんなことでもとにかく紙に書き付けたいという気になるほど大切に思えた体験なら何でもいい、と投稿を呼びかけた結果、4千もの物語を読んだそう。そこから最良の179の物語が収められたのがこの一冊。

事実は小説よりも奇なり。

世に名前が知られてない、一般市民として日々暮らす私たち。平凡な毎日、平凡な人生のようで、誰にでも人生のドラマ、かけがいのない思い出、出来事がある。だからこそ、国は違えど、共感し、共鳴し、笑わされ、泣かされ、心温まる数々の物語を愛しく感じる。皆、一生懸命生きていることを実感する。少し気持ちが沈んでいるときに何作か読むと、皆頑張って生きていて、価値がある、と思わせてくれる(たとえそう思えるのが読み終わった後の短時間だけであり、また気持ちが沈んだ状態に戻ってしまうとしても)。

こんなふうに全国の一般市民の大切な物語をまとめた日本版「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」のような本って存在するのでしょうか?もしあれば、是非教えてください。



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