グレープフルーツのゼリー

昨日のレモン味のチーズケーキに引き続き、
今日も母の話をするね。
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母が亡くなり、誰も住んでいない実家を
手放すのに6年かかったんだ。
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家族の思い出がつまった家を処分することに対して、
姉の心の整理がつくのを待ってたら6年経ってた。
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でね、やっと姉の決心がついて、
買い手も見つかり、
京都の街中で売却手続きを終え、
一息つきたいなと思って。
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「せっかくやし懐石料理食べよう」
ってグーグルマップで近くの料亭を検索してんか。
で、電話してからお店の前に着いたら、
見覚えのある店構え。
母と姉と3人で食べに来たことのあるお店やってん。
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「こんな偶然ある？母に連れてこられたみたいやん」って言いながら、
ご飯を食べ終わって、
運ばれてきたデザートを見て言葉を失った。
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母がよく作ってくれた、
グレープフルーツの身をくりぬいて、
その中に果汁とゼラチンを
冷やし固めたゼリーやってん。
外で売ってるのを見たことがない珍しいやつ。
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それがテーブルに置かれた瞬間、
姉がたまらず「これは…」って言うから、
二人とも号泣してしまった。
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二人とも実家を売るって決めたけど、
両親が大切にしてたものを売る事に対する
罪悪感がどこかにあったんだと思う。
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あのタイミングで、姉と号泣して、
めちゃくちゃ悲しい気持ちを感じ切って、
私たちはやっと実家とお別れができた。
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母が「気にしなくていいよ、
大切に住んでくれる人が見つかってよかったね」
って言ってくれてるような気がした。
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偶然かもしれないけど、私は必然だったと信じてる。
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質問：導かれたんじゃないかと感じる偶然はありましたか？

目の前の全てのことは自分に何かを教えようとしてくれている。
相トレをしていると、それを実感するよ💗

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