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外灯と闇

 心なしか鈍い外灯の灯りは、

 しかし誰の心も照らせていない。

 むしろいたずらに影を切り取るだけで、照らされなかった闇は、さらに寂しさを募らせた。

 こんなのなら、まだ闇に包まれていたほうがましだったと彼は泣いた。

 涙だけは闇に浮いてすこし光った。
 

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