GIFT私なりの解釈

(自分がGIFTをどう解釈したかの記憶を留めるために書いてみました。あくまでも私なりの解釈です🙏)

オープニングからのモノローグ

だいすきなもの…スケート
あったかくなれる…スケートの上達、試合での勝利
命…他のスケーターたち
自然…試合

どんどんみんなジャンプを跳べるようになったり上手くなってる!
自分も早く上手くなりたい!

いちばんあったかくなれる場所=五輪金メダル…をみつけた羽生くん。
そのとき「きっと叶うよ。」
と心の中から声がする。
夢を叶えるために自分はこうなるんだと願う強い理想像が生まれる。「羽生結弦」の誕生の瞬間。

自分がスケートを覚えた頃からスケートがどんどん上達してライバル達と切磋琢磨し合って試合を楽しんでる時代が語られる。
五輪2連覇という夢に向かって、ただスケートだけに一途に打ち込む日々。
でもそれでもいい。
それが1番大切なことだから。

オープニングはそんなキラキラした時代に演じた火の鳥。
そしてオープニングに最もふさわしいプロ。

前へ前へと大切なものだけを抱いて進んでいく羽生くん。
寂しくなんかない。
それが僕だから。

自然の中に溶け込み森羅万象をスケートで表現しているようなホープ&レガシー。
羽生くんが競技としてのフィギュアスケートを楽しめていた頃のプログラム。

その後の涙のシーン。

平昌前の怪我。
試合に参加出来ず、練習さえ出来ず、ジャンプも跳べず一人きりのような気持ちに。
でも今まで大切にしてきたもの(ジャンプなどのスケートの技術)は羽生くんのそばからいなくなったりなんかしない。
光がそれらを照らしまた輝きを取り戻し始める。

1歩ずつジャンプなどのスケートの技術やプログラムたちが命を取り戻していく。
そんな平昌前の再生の日々を「あの夏へ」で表現。

満点の星空、光たち=ファンの方たち。

ファンの応援に支えられてまた大切なものたちと練習を再開する。

風…ファン以外の世間の声、マスコミの声。

最初は、もう無理なのでは?諦めた方が負けなくてすむし楽だよ?…という世間やメディアからの向かい風を浴びていたけれど、羽生くんの連覇を信じるメディアや一般の方の声も届くようになる。

集まった光の結晶が平昌バラ1の羽生くんの姿になる。
たくさんの光に見守られ平昌で完全な復活を遂げるシーンを再現。

バラ1のあとのアニメーション。

2連覇の夢は叶った。
うれし涙が出たフリー後。
でもそこに至るまでには辛いことがいっぱい。
まだ治りきっていない傷もある。
我慢をして嫌なこともして、苦しい日々だったけど理想の「羽生結弦」が傍らにいてくれたおかげで夢は叶った。

でもまだ競技者でいたい。
ファンや他の選手や自分のスケートが評価されて表彰台に登るときのあたたかい気持ち、自分のスケートを見た人を感動させたいという気持ち
そして何より4Aを跳ぶという夢
そんなものたちとまだ一緒にいたい。

序奏とロンドカプリチオーソ

北京で掴めなかった夢をもう一度つかむという気持ちをこめた再演。

後半
コロナ禍で誰もが苦しかった時期に、みんなに楽しんでもらいたいと願ってつくったプロであるレミで会場を沸かせる。

レミの後、その後語られる内容と反比例するようなポップで楽しそうなMusic。
機械的な声を挟むことで、心をすり減らし感情のないロボットのように自分がなっていく怖さを表現。

楽しい?と自分に問いかける。
心から笑えない、楽しいと思えない…でも笑顔を見せ楽しいと自分に言い聞かせる日々。
もっと上手くならなきゃと努力を重ねて難しいことをやっても評価され報われることはなく、競技としてのフィギュアスケートが分からなくなっていく。

そして自分は出来るとメディアの前で言い切り、本当にやり遂げてきた羽生くんに自分が出来ないことへの苦しみや痛みが訪れる。

自分が描いた理想の強く完璧な「羽生結弦」が、出来ない自分に言ってくる。

「出来るまでやらなきゃ!」

心も身体も限界まですり減らし何度も自分を超えてきた羽生くん。
でももう出来ない。
心からスケートを楽しめない。
結果を出せなければ自分は存在価値がないんじゃないか?
そんな自分になって誰かを失望させたくない。
自分は「羽生結弦」でいなきゃいけないんだ。
でも…苦しい

こんな自分のこと誰も分かりっこない。

そんな心の葛藤を阿修羅ちゃんで表現。

もう疲れた…
弱い気持ちの羽生くん。

出来るよ
「羽生結弦」が答える。

羽生くんの夢を叶えるために、「羽生結弦」が挫けそうになる心を励まし鼓舞しながらここまでやってきた。

今の自分ではその「羽生結弦」になることは出来ない。

でも絶対王者や試合で最初に4Aを跳ぶ選手になる以外のなりたいものを羽生くんは見つける。

自分はありのままの自分をみんなに見てもらいたい。
自分のスケートで誰かを幸せにしたい。

羽生くんの今にも壊れそうな心を表すかのようにシャンデリアが砕け散る。
仮面で自分の弱い心を隠した「羽生結弦」がオペラ座の怪人を演じる。

仮面の下で血の涙を流し、傷だらけになりながらも強くあろうと戦ってきた。
折れそうになる心を奮い立たせて前に前にと進んできた。
その苦しみや葛藤をぶつけるような演技。

そして羽生くんは付けていた仮面を最後に外す。
それは幼き頃から共にいた、理想の「羽生結弦」との別れ。

黒コートで歩くシーン

君…本当の羽生くん
僕…理想の「羽生結弦」

夢を追いかけてきた羽生くんに「羽生結弦」が言う

いろんな実績を頑張って頑張って積み上げてきたね。
でも勝てなくて泣いてよれよれになっていた試合も演技もそして頑張ってきた君自身も僕は大切に思っているよ。
だってそれは君の本当なんだから。

君はもう僕がいなくても大丈夫だよ。

もう時間なんだ。

競技者ではもういられない。
競技者として4Aを跳べる時間はもうない。

今目の前で子供の頃から憧れてきた競技者として最初に4Aを跳ぶという夢が消えようとしている。
子供の頃から羽生くんの心にいた理想の「羽生結弦」も消えようとしている。

行かないでと引き留める

でももう前に進まないといけない。

新しい世界へ行ってらっしゃい。と「羽生結弦」が送り出す。

競技者としての苦悩の日々、そして常に完璧で強くあろうとしていた理想の「羽生結弦」…羽生くんを縛り付けていた鎖は外れ羽生くんは自由になった。

でもその先はどうなるのか。

自分はもう観客で満杯の景色の中で滑ることは出来ないんじゃないか。

競技者時代の結果を出してきた「羽生結弦」というものを求めていた人たちはありのままの自分を求めてくれるのか。

もうその頃のことも終わった夢も思い出しちゃいけない。
前に進まなきゃ。
でも何も出来ない…ただ独りきり。

そんな終わりゆく自分の夢、そして常に傍にいた理想の「羽生結弦」の喪失を表現したいつか終わる夢。

椅子に座ったモノローグ

理想の「羽生結弦」ではなくなり
4Aを跳ぶという夢も叶えてあげられなかった自分には見る資格がないと思うのに
眩しいくらいの光でファンが羽生くんを照らす。

ひとりじゃない
羽生くんのそばにずっといるよ
どんな羽生くんでも応援するよ
私たちが見たいのは強くて完璧な「羽生結弦」じゃない、ありのままの羽生結弦なんだよ

ファンが羽生くんを光で照らす。

理想の「羽生結弦」と幼い頃からずっと共にいた。
彼と共に泣いたり笑ってきた。
彼がいたらなんでも出来るような気がしていた。
出来ないときは「羽生結弦」を重圧に感じ、苦しんだこともあった。

でも本当に苦しいことは「羽生結弦」と共に歩めなくなること。
これからも僕は「羽生結弦」といたい。

これからはずっと強くあろうとしなくていいんだ。
寂しい自分も認めていいんだ。
そんな新しい「羽生結弦」でいよう。

スケートを始めたときからずっとそばにいて羽生くんを励まし続けた「羽生結弦」は羽生くんの元に帰ってきた。
これからも君が必要なんだ。
だってプロになっても
プロになったからこそ
もっと進化して上を目指していく。

4Aを跳ぶという夢を追い続けていくとき
アマチュア時代よりも困難なことをやり遂げなくてはならないとき
「羽生結弦」は羽生くんに言ってくれる。
「きっと出来るよ。」

震災の時に見た満点の星空を表現したと思われてきたnottestellata。

でもこのGIFTでは満天の星空はファンのこと。

このnottestellataはファンへの羽生くんからの「みんなの気持ち受け取ったよ。これからも共に歩もう」…というメッセージ。

僕の行く道には何があるか分からない。
僕らの目指す先に何が待っているか分からない。

「僕ら」…羽生くんと「羽生結弦」。

これからも羽生くんは「羽生結弦」とともに夢を追いかけながら走り続けていく

私たちに羽生結弦のスケートという最高のGIFTを届けるために

Fin


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