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初めてのひとりお籠り日記①

朝、目が覚めた瞬間、体がいつもと違うと感じた。
四肢がずっしり重くて動かない。体中の血管がドクドクと脈打って、頭に1分間に104回のスピードで叩き付けているのを感じた。息苦しくて、いつもどうやって息をしていたのかわからない。体が熱い。
喉が痛い。水を飲まなければ。そう思って布団から出た瞬間に咳が止まらなくなった。鼻水と痰がドロドロ出てきた。あれ、もしかして脳ミソまで出てるのでは?脳ミソってこんな色だっけ?と思った(医療従事者失格発言)。
慌てて体温を測る。

38.0℃

目の前がぐわんぐわん揺れた。熱があるというのも理由だろうが、私は動揺した時に目眩がするタイプなのだ。何故こんなに動揺しているのかというと、私は仕事を休んだことがないからだ。
体だけは頑丈、が取り柄で生きてきた。休むなんて選択肢がないまま生きてきた。休み方がわからない!

どんなテンションで職場に電話すればいいのかぐるぐる考えた。如何にも体調が悪い感じでいってもわざとらしいし、かと言ってハキハキ喋っても仮病かと思われそうで、最終的に、水分を失ったガスガスの声で、申し訳無さそうにボゾボソと話すことしかできなかった。

「ずっと休まず頑張ってきた分が出たんじゃない?こっちのことはいいからちゃんと休んで」

なんて優しい上司だろう、と一瞬思ったが、
今日手術や入院多かったよな、皆もっと大変になっちゃうよな…これから行われる勤務調整で、休みが潰れる人もいるだろうな、もしコロナになっていたらもっと迷惑をかけてしまう、電話口では優しいことを言っているが、確実に迷惑に思われている…

そんなことをまた思ってまた頭がぐわんぐわんと揺れた。


***

そういえば最初の緊急事態宣言の時、他職種の同期達がリモートワークで家にいる間、「自粛期間中、暇だから〇〇にハマっちゃって」と話している時、病院に勤務している私はリモートワークになる訳もなく、何なら忙しさに拍車がかかった状態でこの一年間ずっと動き続けてきた気がする。
少しずつ自粛ムードが和らいで、Instagramの投稿では外食や旅行の様子が見られるようになってきても、友人や家族に会うことなく孤独に生活してきた。休みの日は疲労で一日中どろんとして眠り続けていた。食事を摂ることすら面倒臭くて、お腹が鳴ったら水を飲んだ。N95マスクでボロボロに荒れた顔は、どんどん化粧っ気を失っていた。1年前は、あんなにメイクが好きだったのに。

限界が来ていたのかもしれない。
心も、体も。

なんにせよこの先1週間は休むことが決まった。
私の思考のクセで、今は罪悪感に苛まされている。でも、この唐突に与えられたお籠り期間、ゆっくりと身体を休ませて、心とも向き合うまたとない機会だと、夜になって思えてきたのだ。

取り敢えず今日はまた眠ろう。
起きて、もし少しでも余裕があったら、またこんなふうに頭の中のごちゃごちゃを、文字におこそう。
またもう一度戦えるように。

***

久しぶりに投稿したnote、こんなボロボロの状態で書くことになるなんて不本意だし日本語として成立してるのか不明だけれど、この隔離期間中、日記代わりに使います。
またあした、おやすみなさい。


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