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【第3回】トレーラーハウスの開発の難しさ


今回は、トレーラーハウスの開発の難しさについて、お話していきたいと思います。

もともと、一級建築士事務所からスタートした弊社エリアノが、トレーラーハウスに携わって1年余りが経過しましたが、トレーラーハウスの開発の難しさとそれを乗り越えたうえでの魅力の創出は、日々ひしひしと感じているところです。

初めてお話しさせていただくの方に、キャンピングカーとトレーラーハウスの違いは?とよく質問いただきます。キャンピングカーは、エンジンがついている車でありますので自走ができますが、トレーラーハウスそのものはエンジンがないので被牽引車両となり自走ができず期間を決めての固定であることが前提となります。

その他、トレーラーハウスの開発の難しさは列挙しますと、下記のようなことがあります。
① 車両のため、道路を通行できるように、サイズ(横幅、長さ、高さ)が限定されていること。
② 土地への定着をせず、公道までのルートを確保していること。
③ 動かす前提のため、構造上の工夫が必要である。

これらの難しさは、全て「車両」であることに紐づいた条件の裏返しともいえます。

① 車両のため、道路を通行できるように、サイズ(横幅、長さ、高さ)が限定されていること。
トレーラーハウスには2種類あって、簡単に書くと、「ナンバー付き車両」「ナンバーなし車両」に大別されます。ナンバー付き/なしの線引きは、「車幅2500mm、車高3800mm、車長12000mm」というサイズで、それを超えないものをナンバー付き車両とすることができることとなっています。

私たちエリアノが製造しているトレーラーハウスは、ナンバー付き車両を現在取り扱っています。
つまり、サイズは、「車幅2500mm、車高3800mm、車長12000mm」の中に収まっているものとなります。

横幅2.5m・・・。
そして、車室の長さは最大約11m・・・。

この限られたサイズのなかで、課題解決に資するアイテムをコンパクトに配置していくことが必要となります。
ちなみに、都心の賃貸住宅は、おおよそ25㎡くらいですから、室内面積はそれと同じくらいの大きさとなります。

まさに面積対効果を追求する必要があるということですね。
 ・ソリューションのために必要な機能か?(その機能、本当に必要か?)
 ・室内に納めなくてはいけない機能か?(その機能、屋外でもいいか?)
 ・その機能、サイズダウンは可能か?(その機能、サイズ縮小してもいいか?)
などなど、いわば、取捨選択が問われているのです。

ちなみに、トレーラーハウスに隣接してウッドデッキを設置されることは大変多いです。トレーラーハウスだけでなく、外部空間への広がりと特徴を活かしていくようなランドスケープによる工夫は、私たちはとても重視しています。

② 土地への定着をせず、公道までのルートを確保していること。
トレーラーハウスは、建築のように基礎を作ることができません。
トレーラーハウスは、あくまで車ですので、いつでも公道にまで動かせるように、ルートを確保しておく必要があります。
難しいという見解にまで至るかはケース次第ですが、概ね高低差が少ないほぼ平地であることが必要となります。そういう場所を設置場所として選定することも制約となります。

③ 動かす前提のため、構造上の工夫が必要である。
まさに車ならではの話ですね。
ナンバー付きトレーラーハウスは、工場から現地に牽引移動させるとき、時には高速道路も通ります。最も耐久性が問われるのは、移動させるときなのです。そのため、建築よりも多くの構造材が必要になります。また、大きな窓を設けることにも一定の制約があります。連窓は難しいといってもいいでしょう。構造上の安定性を確保しながら、デザインする必要があります。
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これらの制約や難しさを乗り越えながら、トレーラーハウスだけでなく、家具、ランドスケープなども総動員しながら、地域の課題解決や魅力創出の両方にあたっていくことになります。

私たちの開発アプローチは、あくまで解決しなければならない課題が起点と据えることが重要なことと考えています。
その土地の特徴にあわせた最適なソリューションをかたちにして、ありたい姿を構想し実現してまいります。

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