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「地域の想いをカタチに~まちづくり構想の策定~」

名古屋市の中心部に位置する久屋大通公園が、P-PFIを活用し、「Hisaya-odori Park」として、今年9月18日にリニューアルオープンした。
「Hisaya-odori Park」は、エリアごとにゾーニングがされており、テレビ塔エリアは、水盤や様々な店舗が並び、賑わいのある空間になっている。
北エリアは、平常時は、樹木や芝生があり、安らぐことのできる空間となっており、「まちに新しい社交場」をコンセプトに開催しているSOCIAL TOWER MARKETなども行われている。

新・名古屋テレビ塔塔体(大澤S撮影)

2020ソーシャルタワー写真

「Hisaya-odori Park」が非常に注目されている中で、公園だけでなく、久屋大通エリア一体でのまちづくりを進めていこうとしている団体がある。NPO法人久屋大通発展会だ。
この団体の歴史は古く、昭和29年のテレビ塔設立に併せて、名古屋テレビ塔発展会として設立して以降、久屋大通エリアの賑わい創出のためのイベントの開催から清掃活動や防犯活動などさまざまな活動を行ってきた。

サカケイ①

そのような発展会で新たなプロジェクトが動き出した。地域主体でのまちづくり構想の策定である。
策定を目指したキッカケとしては、栄地区グランドビジョンが行政から策定されたことを契機に、「いろいろなイベントをやるだけじゃなく、発展会としてのまちの目指すべき方向性を決めないか」との声が団体内からあがったからだという。
策定にあたっては、名古屋市が推進する地域まちづくりの支援制度も活用し、株式会社創建とタッグを組み、まずは他都市事例を参考にしながら久屋大通のエリアの雰囲気に沿うようにまちの将来像のイメージを団体内で共有していった。
また、作成する構想が、団体の勝手な想いにならないよう行政、エリア内の地縁組織、他まちづくり団体とも情報共有しながら進めていった。

あああ

そのようにまちの将来像を話し合う中で一番の課題として挙がったポイントは如何に公園の賑わいを沿道に波及させるか。
久屋大通公園のリニューアルが予定されている中で、今までもSOCIAL TOWER MARKETなど公園を活用したイベントを行うと、公園には多くの人が集まるが、賑わいが公園内で完結してしまっていたこともあり、危機感を感じていた。
そのため、構想づくりの過程では、エリアの課題やまちの将来像を検討するだけでなく、公園の賑わいをまちに全体に波及させるための具体的な取組みまで検討し、オアシス21で開催した「パンマルシェ」に併せて、沿道への賑わいの波及の可能性を図るための社会実験「アナザーパンマルシェ」を開催した。

アナザーパンマルシェ②

そうして「久屋大通発展会エリアマネジメント構想」が平成31年度末に完成した。
2年をかけて策定した構想により地域が想いを一つにして、これから構想の実現を目指してというところで新型コロナウィルスの流行の壁にぶつかった。
コロナの影響について、発展会事務局の名古屋テレビ塔石坂さんは「コロナの影響で転勤の人に会ってさよならも言えなかった。11月のパンマルシェ再開まではあまり大きな活動はできなかった。」と寂しそうに語った。
ただ、パンマルシェの再開などイベントや清掃活動など徐々に活動を再開している。

パンマルシェ2020④


パンパルシェの再開は、パン業界が少しでも元気になればと開催に踏み切った。

石坂さんも「コロナの状況ではあるが、久屋から名古屋を盛り上げたい。公園のリニューアルによって久屋エリアが注目されている。構想で検討してきた具体的な取り組みの1つであるオープンカフェを実施し、公園の賑わいを沿道にも波及していければ」と語る。

実は、構想策定前にも沿道でのオープンカフェは実施されていたもののあまり活用されていなかった。
今回、実施スキームやしつらえの再検討を行うことで使われるオープンカフェを目指していくこととしている。
新型コロナウィルス感染症の影響に対応する沿道飲食店等の道路占用許可の暫定的な緩和が全国的に行われたことも追い風となり、店舗の外で飲食をすることに抵抗があった人も活用しやすくなるのではないか。

昭和29年より久屋大通エリアのまちづくりのため走り続けてきたNPO法人久屋大通発展会。構想の策定をゴールとするのではなく、構想の実現に向けて、さらに走り続けていく。


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