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See you, Oregon

日本に帰る日がやって来ました。

昨晩から、ホストファミリーの皆と別れる寂しさ、そして日本の家族に会える興奮で、一睡も出来ずに朝を迎えました。

「本当にここで、1年もの時間を過ごしたのだろうか?」

現実ではなく、夢だったような気分になります。

ポートランド国際空港で、Dad、Mom、ホストシスターと順々に抱き合うと、一気に階段を駆け下りました。顔は、家を出た時から涙で、とうにぐちゃぐちゃです。

本当の家族ではないけれど、家族以上の愛情で、私を1年間守ってくれた苦労と大変さは、計り知れなかったと思います。

「ボランティア」と言葉で言うのは簡単ですが、それを実践するのは難しい。ましてもや、1年間もの時間を。そして毎日。

この時の感情は、今でも鮮明に覚えています。

日本に戻れば、出来れば向き合いたくはない、大学受験という現実が待っている(オレゴンを去る前に、やはり附属の短大へは行かずに、受験勉強のスタートは皆より遅くあまり時間はないけれど、頑張って勉強をし、4年生大学を目指そうと決心していました)。

夢の終わりを告げられるような、モラトリアム期間の終わりのような、ドーンと胸にのしかかって来るブルーな思いも相待って、夏だと言うのに、冬を迎える晩秋のような気分。

ホストファミリーと別れ、同じくオレゴンにステイしていた、名古屋からの友達と一緒に、シアトルへ向けての飛行機に乗り込んでからも、2人の会話は弾むことなく、ただ少し、これからの事を話したのを覚えている。

そして、その後私は決心通り、9月からは、ひと学年下のクラスに編入して日本の4年生大学を目指し、一緒にオレゴンから戻ってきた友達は、アメリカの大学を目指し、やがて共に希望どおりの道へ進んだのでした。


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