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犬と歩く京都、鞍馬寺。

平泉の中尊寺を詣でた時、思いました。

京都からは、飛行機で向かっても遠いこの地まで、源義経は身を潜めて逃げながら、どんな思いでやって来たのだろう?…と。

彼が牛若丸と呼ばれていた頃に預けられていたらしい鞍馬寺は、京都市中心部から、叡山電鉄「出町柳駅」もしくは車で30分強ほど離れた山奥にあります。

山に住む獣の匂いがするのか、我が家の犬を連れて行くと、彼はとても興奮する。きっと、楽しくて仕方がないのでしょう。

門前で、犬連れの人は、紙を渡されます。そこに、犬は急な山道を登るケーブルカーへ乗せない事、排泄はさせない事、万が一した場合は、ちゃんと処理をする事、そして建物内には入れない事などが記されています。

だから、歩きます。しかも、かなりせっせと。

一心に山道を登るうち、木々や土が発する香りが漂っているのに、気付く。気付いた後、またせっせと歩いているうちに、自分もこの木々や土の一部なのだと、更に気付きます。

なんて、素敵な気付きでしょう♡

最後は半分、犬に引っ張ってもらいながら本堂まで登り切って、そこから遠く見渡す景色は、どこまでもが山。山、山、山。

やった。登り切った!と、達成感に浸りながら、ふと横にいる犬を見ると、彼は彼で満足そう(に、思える)。

と、ここでまた義経に思いを馳せる。

彼はこの山で、恐らくとても幸せな子供時代を過ごしたのではないか?派手なものは何もない。でも、ただそこにいるだけで、ただそこを歩くだけで、美しい山々の稜線を眺めるだけで、不思議と幸福感に包まれる。

体内に備わっている、普段は使わない感覚を最大限に発揮させると、人はそれだけで、幸せだと感じるのかも。すごい発見をした鞍馬寺詣でした。

下山後は門前の『雍州路(ようしゅうじ)』で、精進膳に舌鼓。店内に、犬も入れます。

◼️鞍馬寺→ https://www.kuramadera.or.jp/

◼️雍州路→ https://www.yoshuji.com/



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