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壊れる話はまだ続く

つくるひと 003

確かに佇まいってありますねぇ。
「これどやっ!」って押しの強いものじゃなくて
パッと見て・・んっ!って思わず二度見してしまうやつ。
そこからもう一度じっくり舐め回して見ると
すごくディテールとか作り込んでたりして
いいなぁーって思うデザイン。
そういうのを機能美とか用の美とか言うんでしょうね。

脚なんか意外に細くても、きちんとポイントさえ押さえて作れば
そんなに簡単には壊れないもんです。
例え30Φでも使い方次第なんですよね。

やっぱり木で椅子をつくる怖さって「目切れ」です。
今までうちに持ち込まれた修理で一番多いのは
「目切れ」で折れてるケース。それも後脚。

体重が全てかかってくる上に
デザイン的にも脚から背もたれにかけて
曲線を描くことが多いですからね。
対策としてはヤバそうなところはなるべく板目で木取るとか
止むを得ず柾目で木取るなら曲線に近い目の流れを選んで木取ること。

とは言っても
ただでさえ椅子の後脚って木取りのロスが多いし
(毎回毎回「あっーもったいない・・・」とか半泣きに)
コスト面を考えたら効率優先の木取りになり易いんですよ。
4/8in板とか2寸板とか「あーこれでん千円やなぁ・・。」
とか思いながらバンドソー走らせてます(笑)。

あと最近何回か見かけたのは
ウォールナットでバキッ!といってるやつ。
原因はこれと言い切れないですけど
白太が黒っぽく染まってると見た目でわからないし
そのままわからずに、後脚の一番負担のかかるところへ持っていってしまうと
簡単に折れてしまうことは想像がつきます。

真偽の程はわかりませんが
現地挽きだと白太を黒っぽく染めることもある
みたいな話も聞くので材選びは慎重にしたいですね。

うるひとが見た悲惨な壊れ方ベスト3!とか知りたいです(笑)。

まだこれ位の内容なら大阪湾に浮かぶことはないでしょ?
「うるひと」ご安心を。

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