ミュウとアルセウス、どっちが先なのか論争の考察2022

すべてのポケモンの遺伝子を持ち、あらゆるポケモンの祖とされるミュウ

何もないところから現れ千本の腕で宇宙を創造したとされるアルセウス

この二者はたびたびどちらが先に現れた存在なのかを議論されるポケモンとして有名だ。ここではミュウはすべてのポケモンの遺伝子を持っていて、アルセウスは宇宙を創っているものとして考えていく。
(ポリゴンやマギアナの遺伝子は知らん)

・ミュウが先 論

いでんしには すべての ポケモンの じょうほうが ふくまれているので あらゆる わざが つかえるという

(銀・SS・Y版図鑑説明)

「無から現れたタマゴから生まれたアルセウスがこの宇宙を創った」というのは確かだとして、ではアルセウスはどこから来たのか。その起源を「別の宇宙」に求めるのならば、その世界でミュウから生まれたアルセウスが新宇宙にやってきたと考える事はできる。

ポケモンにはソルガレオやフーパ、セレビィのように時空を超える力を持ったポケモンがいるため、ミュウがその力を振るって後からこの世界にやってきたという可能性も無い訳ではない。

また、アルセウスがポケモンを超越した存在(後述)扱いで例外だとしても、アルセウスは宇宙を創る際にディアルガやアグノムといった明確な「ポケモン」たちを生み出しているため、宇宙創造は「すべてのポケモンの先祖」の設定を持つミュウよりも後という事になる。

仮にミュウが住む宇宙自体をアルセウスが創ったとしても、それは「ミュウがアルセウスを生み、そのアルセウスが自身の力orディアルガパルキアの力で宇宙誕生前の時空間に飛んで宇宙を生み出した」という無茶苦茶無限ループ理論でも通ってしまう可能性がある。


・アルセウスが先 論


ミュウは「すべてのポケモンの遺伝子を持つ」とされているが、その場合「ミュウがアルセウスの子孫」と考えてもミュウがアルセウスの遺伝子を持つ事に齟齬は生じない。

また、我々がよく知る「ポケモンとしてのアルセウス」は『LEGENDS アルセウス』にて、アルセウス(本体)により生み出された「分身」のようなものと語られている。

アルセウス(本体)という「ポケモンを超越した存在」より後に、ミュウという「ポケモン」が出てきたのならば、ミュウがポケモンの祖であっても矛盾は無いだろう。


…と、ここまで両者の設定を見てきたが、いちばん気がかりになる存在が「シンオウ神話のドラゴンポケモンたち&みずうみのポケモン」となった。ミュウが彼らより先か後かという事にこの議論は集約されるだろう。

こころときもち


きよらかな こころと つよく あいたいという きもちを もつと すがたを あらわすらしい

(金・HG版図鑑説明)


この図鑑説明になぞらえるのならば、ミュウの本能的な行動原理には「感情・気持ち・こころ」が影響を与える事となる。その場合、エムリット・アグノム・ユクシーにより人やポケモンにこころが宿り、「正しく宇宙を認識できるようになった」という意味での宇宙創造後の話となってくる。

宇宙を「はじめにモノがあった」と捉えるのであればアルセウスと共にディアルガ・パルキアというポケモンが先にいて、宇宙を「認識することではじめて存在する」と捉えるにしてもアルセウスと共にエムリット・アグノム・ユクシーというポケモンが先にいる事になってしまう。

ただ、みずうみのポケモンが飛び回った事によりこころが生まれた=「モノとしてのヒトやポケモン」は、みずうみのポケモンが飛び回る以前から存在していたととれる。


宇宙創造とミュウ誕生の時系列


時系列順に直すと

アルセウスが宇宙を創る(ゼロからイチを生み出す)

ディアルガ・パルキア(・ギラティナ)を生み出し、時間が流れ空間が広がりだす事で、アルセウスが生み出したイチをさらに広げていく

それが終わると神々は自分たちの世界にお隠れになった(シンオウ神話でも宇宙ができるとアルセウスは眠りについたとされている)

そうして長い年月を経てある星に生命が誕生し、その生き物の祖として、現存するポケモンたちの直系の先祖としての「ミュウ」が生まれた。神々がこの世界にいない以上、ミュウが世界で初めてのポケモンとなる。(生命として初めて実を結んだという意味でも起源。ただしアルセウスの生み出した世界にいる以上、ミュウにも被創造物としてアルセウスや、アルセウスが生んだシンオウ神話伝説ポケモンたちの遺伝子を受け継いでいる)

ミュウを祖としてポケモンたちが徐々に生まれていく。シンオウ神話になぞらえると元はポケモンもニンゲンも区別が無かったため、もしかするとニンゲンの祖もミュウかもしれない。

そして生き物が増え出した世界において、アルセウスはもうひとつの意味でも宇宙創造を開始した。それが「こころ」を生み出すことにより「宇宙を認識できるようにする」という事であり、現世界に居付き続けるみずうみのポケモンたちが現れた。

ミュウはこの様子を生き証人として見てきたために、強い感情に惹かれて行動を起こすようになった。

割ときれいに収まったのではないだろうか。



?????「俺をお探し?」


ミュウは「エスパータイプのポケモン」



タイプという概念を与えられた存在。

ポケモンにおいてタイプというのは、アルセウスが振るったプレートの力を分け与えられたものに与えられるもの。

ではプレートはどこから来たのか……

そう、「倒した巨人たちの力」から生成されたもの。つまり巨人=レジギガスならびに各タイプの巨人(≠レジロック等)もまた、原初の時代にいた事になる。


うちゅう うまれるまえ
そのもの ひとり こきゅうする
うちゅう うまれしとき
その かけら プレートとする
プレートに あたえた ちから
たおした きょじんたちの ちから
そのもの じかん くうかんの
2ひき ぶんしんとして よに はなつ

プレートの裏に刻まれた文字より一部抜粋


これを見るに、ディアルガやパルキアが生まれる以前……宇宙がゼロかイチかという頃にレジギガスは存在していた事になる(さすがにアルセウスより先に生まれた訳ではないが)。

原初の力を持った真のレジギガスはともかく、現代で我々のよく知るレジギガスは力を失ってか弱体化していて、別世界への空間転移などは出来なさそうであり、しかしポケモンとしての性質を持ったレジギガスは「この世界に居続けながらにして、ミュウ以前より存在するポケモン」となってしまっている。

ポケモンのタイプというのは、創られた宇宙で生まれた概念的な、エネルギー的な「何か」であり、それが実体化したのが「巨人たち」。

アルセウスは何かしらの理由でその巨人たちを倒さねばならず、倒したり弱体化させたりしてエネルギーを抜き取り、プレートに封じ込めた(レジギガスは存在こそ保ったものの、力の大部分をまっさらプレートに封じ込められたからかスロースタートで大きく力を削がれている。あの姿自体も不完全体かもしれない)。

アルセウスと巨人たちが戦った原因の考察の場ではないためここでは控えるが、巨人たちが現存していてはタイプのエネルギーが広まらず、また「くさ・どく」タイプのようにエネルギーや概念どうしが混ざり合う事も無かったのかもしれない、だからこそアルセウスは巨人からエネルギーを抜き取ったのかもしれない。世界がより複雑に混ざり合って広がるように…。


ここで、『LEGENDS アルセウス』における「キッサキ神殿」を思い出してみる。キッサキ神殿といえばレジギガスを祀るための施設であるが、それはすなわち「感情や意思を持った存在があふれた状態の地で、レジギガスが何かしらの力を振るってあがめられた」というところに起因しているのではなかろうか。

仮にホウエンのレジロックたちのような「怖かったから封印した」という動機でレジギガスの安置所として建立したとしても、やはり何かしら圧倒的な力を見せる場があった事に違いはない。

それがもし、レジギガスがかつての「巨人たち」に思いを馳せて岩山や氷山、マグマなどからその似姿を形作ったレジロックたちなどの「命の創造」という神の所業だったら……。

そして、レジギガスがもしアルセウスとの敗戦後に宇宙を漂い、その上でレジロックたちを創るのに必要なエレメントである「自然・資源」を求めて後から地球に降り立ったのだとしたら、ミュウの起源には影響せずとも、アルセウスの分け与えたタイプという概念の付与されたミュウには自ずとレジギガスの力も宿っているという事になるのではなかろうか……。

まとめ

最後はまさかのレジギガス様宇宙より飛来説(宇宙誕生の頃から、そして時空という概念が生まれる前からアルセウスと戦っていたレジギガスだから宇宙空間に適応できても何ら不思議ではないが)という考えで幕を閉じたこの考察であったが、やはりミュウは1つの「ポケモンの起源」、そして「あらゆるポケモンの情報を持つポケモン」である事に間違いはなく、その一方でアルセウスのような「神」という規格から分身コピーして機能制限版の「ポケモン規格」に落とし込んだもの、レジギガスのように神にも等しい存在だったが弱体化してポケモン規格になったものなど様々な「系譜の例外」も存在するのだろう。という意味でここでは結論を「アルセウスが先」としておく。

逆を言えば、この世に存在するあらゆるポケモンは「アルセウスの被創造物」であり「タイプを付与されている」という事からアルセウス(とシンオウ神話ポケモン、みずうみのポケモン)とレジギガスの力もどこかに宿しているのかもしれない。

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