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【建築探訪】vol.6 『迎賓館 赤坂離宮 本館』

迎賓館 赤坂離宮 本館

設計:片山東熊

こんばんは、ひろです。
今回は片山東熊が設計し、村野藤吾が改修を担当した迎賓館 赤坂離宮 本館を紹介する。

格式高い元赤坂にある迎賓館 赤坂離宮は明治42年(1909)に東宮御所としてされた。
のちに赤坂離宮となり、庁舎を経て、現在は改修され迎賓館となっている。
※東宮御所:皇太子殿下の住まい

重厚感の中に繊細な美しさが感じられる建築作品だ。
細部に至るまで施された装飾が華やかである。

前庭から見た迎賓館本館

迎賓館本館は日本で唯一のネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築としても有名だ。
設計を担当した片山東熊ジョサイア・コンドルの直弟子であり、日本最初の建築家の1人である。
東宮御所は、当時の一流の建築家や美術工芸家が総力を挙げて建設されたという。

国宝にも指定されている正門
見学受付は5分ほど歩いた先の西門で

空港並みの手続き検査を受けて、中に入る。
入館料は大学生で1,000円だった。(一般:1,500円)

本館西側から入り、館内を進む。
膨らむ期待を抑え込まずにはいられない。
正面玄関に到着すると豪華絢爛な空間が広がっていた。
「ここは本当に日本なのか」と疑わずにはいられないほどの、煌びやかな空間であった。

そのまま廊下を進み、二階へ上がる。
花鳥の間大ホール彩鸞(さいらん)の間羽衣の間朝日の間と進む。

美しい天井画やレリーフ、こだわり抜かれた敷物や床材が美しい。
装飾は西洋風のものを基調にところどころ刀や琵琶、鎧武者など和のエッセンスが散りばめられている。

印象的だったのは、花鳥の間朝日の間だ。
館内は残念ながら撮影は禁止だった。
できれば実際に訪れて直接体験してほしいが、HP上にも載っているのでそちらでもいいので見てほしい。

主庭から見る迎賓館は前庭から見た姿に比べて
軽やかな印象を受ける

ひと通り中を回り、主庭に出る。
マリーゴールド越しの迎賓館が美しい。
主庭から見る迎賓館はイオニア式のオーダーが立ち並んでおり、前庭から見た姿とはまた違った印象を受ける。

国宝に指定されている噴水
その姿は創建当初から変わっていない

主庭中央に鎮座する立派な噴水国宝に指定されているものだ。
迎賓館完成当初からのものだという。
噴水中心部にはシャチに亀、そしてグリフォンの像が飾られている。

前庭に向かう途中にある街灯

主庭をすみずみまで散策し、前庭へ戻る。

夕暮れの迎賓館
紫陽花色の空との対比が美しい

まずは、全体像を見る。
左右対称の整った美しさが見事である。
両端に向かうにつれて建物が前にせり出してくるのもよい。
構造形式は鉄骨補強煉瓦石造という。

本館に近づきその装飾を観察する。
外観も内観と同様に西洋風のものを基調に和のエッセンスが散りばめられている。

金色に輝く霊鳥は彩鸞の間にもいる鸞か?

ポーチの左右には、金の星を散りばめられた天球儀と金色に輝く霊鳥が飾られている。
レリーフには桐紋も彫られている。

ポーチからは正面玄関と中央階段を
のぞくことができる。

ポーチに近づく。
レリーフなどの装飾が美しい。
中央部はコリント式オーダー、その両脇はイオニア式オーダーで装飾されている。

洋風の装飾の中に和のエッセンスが
ところどころ現れる

左右に青銅製の阿吽の甲冑が飾られている。
装飾の中にはところどころ鎧や琵琶などの和を感じさせるものもある。

迎賓館本館中央部

正面玄関の扉が美しい。
気づけば、閉園時間の17時になろうとしていた。
気づけば迎賓館の虜になり、閉園間際まで迎賓館をただただ眺めてその余韻に浸っていた。

次、来た時には谷口吉郎設計の和風別館「游心亭」も見学したい。
そしていつの日か、夜間公開にも行けることを願う。


迎賓館 赤坂離宮 本館
東京都港区元赤坂
JR中央線、中央総武線・東京メトロ丸の内線、南北線
四ツ谷駅から徒歩10分


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