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老害、昔を振り返る その2

前回のnoteの続きになります。未読の方は最初から読むことを推奨します。

今日は2002年夏から2003年夏にかけて語って行きたいと思います。自分が高校2年~3年生のときの話になります。

カードプールとしては、ポケモンカードe 拡張パック 第2弾「地図にない町」ポケモンカードゲームADV 第3弾 拡張パック「天空の覇者」までです。

1.バトルロード サマー ★ 2002

2002年7月20日-8月11日 「バトルロード サマー ★ 2002」開催!
前回同様、北海道、東北、関東、中部、関西、中国四国、九州の7会場で、プレイ人口の多い関東と関西は2日開催。
各地区で優勝したプレイヤーは、日本一決定戦に進出できた。

前回のバトルロード スプリング ★ 2002にポケモンカードe 拡張パック 第2弾「地図にない町」とポケモンカードe拡張パック第3弾「海からの風」が追加された環境。

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予選のハーフデッキ環境としては、エキスパンションが2つ追加され、環境の主役がポケモンカード★VSのたねポケモンから1進化ポケモンに移っていきました。ブーストエネルギーが登場したことも進化デッキに追い風でした。

スタンダードでは、ジュニア、シニアリーグはeシリーズ以降のカードのみを使用した限定構築。マスターリーグは全てのカードが使用可能になります。

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ハッサム(e3)は本体のスペックの高さと当時の特殊鋼エネの性能に支えられ、ハーフから各リーグのスタンダードまで大活躍でした。特にカードプールがeシリーズ以降と非常に狭いジュニア、シニアリーグではハッサム以外の選択肢がほぼないほどでした。

しかし、ハッサムの主力ワザがヘビーメタルがコインに左右されやすいワザであったことに加え、エネルギーリムーブ(クラッシュハンマー)は変わらず標準搭載されてる状況だったため、コインに敗れたプレイヤーの怨嗟の声は至る所で聞くことができました。むしろハッサムが各リーグのスタンダードでも大活躍してしまったせいで、今までハーフの中だけで済んでいたコイン運ゲーがスタンダードも浸食し始めて各地で様々な逸話が生まれることになります。

前回に続いて、「16才以上の高校生はシニアかマスターどっちか選んで出場することが可能」な大会形式でした。春はマスターリーグのプレイヤーに勝てないと判断してシニアリーグを選択してましたが、この夏はマスターリーグに出場しました。詳しい経緯は、もう20年近く前のことになるから覚えてません。純粋に上のリーグに挑戦してみたかったのと、eシリーズのカード高くて揃えるのが大変だったので、旧裏も使えるマスターリーグを選んだんだったような気がします。

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予選のデッキはハッサム(e3)+ランターン(e3)のデッキを使いました。これも当時のこの組み合わせが一番強いと言われていたデッキです。ランターン(e3)のピッカリだまの1エネ20ダメージは、当時としては破格のコストパフォーマンスでした。ピッカリだまで粘りながら、ベンチでゆっくりハッサムを育ててもいいし、ハッサムのねらってつかむで相手のベンチをかき回しながらフィニッシャーのランターンにエネを貯めても良しといった感じです。ついで程度にですが、色も水タイプなので、ハッサムの弱点を一応フォローできます。当時、まともに使える炎ポケモンいませんでしたけど。

前日の調整会では、いい結果を残せてたんですが、本番では残念ながら初戦でミラーマッチを踏んで2勝1敗で予選落ちとなりました。この時期の予選は基本的に全勝じゃないと上がれません。

この年は、ヨッシーさんが日本一になりました。現在、Twitterのプロフィール欄に「ポケカは10年前ぐらいにボチボチ入賞」って書いてますが、この人しっかり日本一になってます。

2.オフシーズン(裂けた大地、神秘なる山)

この時期は、基本春と夏にしか大会がないので、いわゆるオフシーズンにはなるのですが、強力なカードがたくさん出た時期なので、いくつか紹介したいと思います。


まずは、裂けた大地から、とにかく強力なトレーナーカードが揃っていて、eシリーズ限定構築に革命を起こしたエキスパンションです。

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最近、eシリーズ~ADVの旧環境やってる人なら、この3枚が1つのエキスパンションに入ってるやばさがわかると思います。

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この2枚も最初は注目されてなかったカードですが、翌年以降、無色弱点のやばいドラゴンが暴れまわったときに注目されるカードとなりました。

また、eシリーズ限定構築においては、ドローもサーチも貧弱で序盤は激しい殴り合いにならないので、まずワザで展開して盤面を整えるという考えも生まれ始めました。

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そんな状況で序盤にサーチやドローを補助できるミステリープレートシリーズは、様々なプレイヤーに研究されていたカードでした。自分がミステリープレートで展開するのは、もちろんですが、相手のミステリープレートの返しに砂漠のシャーマン(ジャッジマン)を使って妨害する動きも注目されてました。また砂漠のシャーマンを使う上で、自分のバトル場のポケモンにミステリープレートを貼ることでケアする動きもできました。終盤に使える効果も試合を左右しうるものでした。


次に、神秘なる山です。個人的に大事件が起きました。

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実戦で使えるレベルのウインディが実装されました。

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色んな可能性を模索してましたが、当時はハーフデッキでワタルのドラゴンポケモン達と組み合わせたバレットデッキがお気に入りでした。

そしてマスターリーグのスタンダード(旧裏+eシリーズ)環境を揺るがすワザマシンが登場します。

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かえるのうたとサンダーフォースのコンボでニョロトノは、バトル場に80ダメージ、ベンチ全員に50ダメージを与える神のカードへと昇華。この環境の多くのポケモンのHPは100以下なので、2回撃つと相手の場が全滅して終わります。2進化ポケモンを使うデッキである以上、動き出しが遅い等の弱点もないわけではないのですが、動き始めたときがどうしようもなさすぎる。正直次の環境はこのデッキ一択と言われるレベルに飛び抜けてました。

しかし、翌年の春大会においてはハーフデッキのみをもちいた連勝数を競う大会形式。夏大会ではポケカ史上初のスタン落ちでニョロトノが使えなくなってしまったため、このデッキは公式大会で日の目を見なかった幻のデッキとなってしまいました。今思えば最初から旧裏を落とす予定でサンダーフォースを出したのかもしれないですね。

3.バトルロード スプリング2003

2003年3月23日-4月6日 「バトルロード スプリング2003」
ハーフデッキのみを使用した「サバイバルバトル」と呼ばれる連勝数を競う勝ち抜き形式で行われた。通例と異なり事前応募ではなく、当日参加形式。
ジュニア・シニア上位入賞8名には、夏のイベント「バトルロード サマー2003」公式トーナメント本選出場権が与えられた。
また入賞者には、プロモーションカード 勝利のリングが配布された。※マスターリーグは上位3名に賞品のみ配布。

今回はスタンダードデッキを使用した大会ではなく、負けるまで試合を続けて連勝数を競う形式で行われました。制限時間内なら何回でも並びなおして再チャレンジできるのも特徴です。

出場リーグは、夏の本選出場権狙いでシニアリーグに出場しました。

カードプールには、前回紹介した裂けた大地、神秘なる山に加え新シリーズであるポケモンカードゲームADV 第1弾拡張パックが加わりました。

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まず一番大きな変化としては、ポケモンexの登場。現在のポケモンGXやポケモンVのご先祖様ですね。サイドを2枚とられる代わりにハイスペックなのは現在と同様です。ここからしばらく「ポケモンexにあらずんばポケモンにあらず」と言われるほどにポケモンex中心のゲームが展開されていきます。旧裏で活躍したカードのリメイクっぽいデザインもしてました。

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また、非エクのポケモン(ポケモンexではないポケモン)に関してもカードパワーが控えめだった、ポケモンカードeに比べてポケモンカードADVは目に見えてカードパワーが上がりました。

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ポケモンexは、特にリソースが限られたハーフデッキのルールと相性が良かったです。高いHPと攻撃力を備えた上に、ワザで自身のエネルギー加速すら行えるミュウツーexのパワーは圧倒的でした。相方として選ばれたのは、同じような効果のワザを持ったレジロックexです。ただし、このレジロックex、プレイヤーズの会員特典として1人1枚しかもらえなかったので、2枚目の入手が非常に困難でした。

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僕はレジロックexの2枚目が手に入らなかったので、仕方なくミュウツーexとブーバーexを組み合わせたデッキとミュウツーexの弱点がつけるゲンガー(e1)+ドンファン(e2)を使いましたが、結果は入賞圏外でした。ポケモンをミュウツーex2枚だけにして、残りを全てトレーナーカードで固める構築もあったようなので、そこまで行きついてなかった自分の未熟さですね・・・。

4.バトルロード サマー2003(概要)

2003年7月19日-8月24日 「バトルロード サマー2003」
前年度同様に全国7会場ですが、関西の2日開催が1日開催に変更。中国四国大会が中国大会と四国大会に別れた。地区大会入賞者にはプロモーションカード 勝利のオーブが配布された。
昨年同様、地区大会優勝は日本一決定戦に出場できた。またこの大会から日本一決定戦が「チャンピオンズリーグ」と呼称されるようになる。

前回のバトルロード サマー ★ 2002から実に1年ぶりのスタンダードレギュレーションの大会。

今大会から、ついにマスターリーグでも旧裏のカードが使えなくなり、ポケモンカードにおいて初のスタン落ちとなりました。

そして、強力なカードを連発したポケモンカードADVシリーズですが、第2弾「砂漠のきせき」でも今までの常識を覆すカードを出してきました。

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まず、ふしぎなアメです。テキストからはわかりにくいですが、今のふしぎなアメと違って出したばかりのポケモンでも使えるため、現在の比ではないぐらい強かったです。出したばかりのたねポケモンを1進化ポケモンに進化させることもできましたが、そっちの用途で使われることは少なかったです。

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次にツメの化石とねっこの化石です。当時の化石は倒してもサイドカードを引くことができませんでした。後に散々悪用されることになります。(その4ぐらいで)その上、HPが40もあり、それぞれ強力なポケボディーまで持ってました。特にツメの化石の特性はダメージ調整に使うこともできて凶悪でした。登場直後は、化石を壁にして後ろを育成してから攻撃に移る戦略が流行してました。特にハーフデッキにおいては、ベンチポケモンを呼ぶ手段はワープポイント(あなぬけのひも)が主流であったため、単純な壁はもちろんワープポイント対策にもなって重宝してました。


ポケモンexの中では、サーナイトexとホエルオーexがよく使われてました。

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サーナイトexは分岐進化の非エク共々、ブーストエネルギー(トリプル加速エネルギー)と非常に相性がよく手軽に打点を増やすことができました。ブレイクダウンも現在の目線で見ると大したことはないですが、当時の基準で考えると2エネで出せるダメージとしては十分及第点でした。

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ホエルオーexは先ほど紹介した化石と組み合わせ、化石を壁にしてその間にエネルギーをつけたり、ダメージを食らったらふかくもぐるでベンチに戻りながら回復して化石を壁にしたりしてました

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強力なポケモンexに対するメタカードとしてソーナンスが登場しました。ダメージはもちろん効果も防いでくれるので、基本的にポケモンexに対しては無敵です。ただし、ポケモンexを使う側も必ず対策してたので、そこまで詰まし性能が高いわけではありませんでした。

第3弾 天空の覇者でもポケモンexへのプッシュが継続されます。

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デンリュウexはエネルギーを貼るたびにダメカンを乗せる強力な特性と3エネで70ダメージor40ダメージ+マヒという使い勝手のいいワザで主にハーフで活躍しました。他の2進化のポケモンexの弱点が2色ある中、なぜかこいつだけ弱点が1色しかないのも評価高かったです。

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また、しんぴのまもりのソーナンス対策として、マイナンが注目されていました。2エネのポイントショートでソーナンスに40ダメージを与えることができれば、残りの40ダメージはツメの化石のポケボディーや、ソーナンス自身のワザの自傷ダメージで案外簡単に削れました。

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そしてこの夏環境を支配する主人公カード、レックウザexです。ドラゴンバーストは最近の類似ワザと違って、特殊エネルギーもトラッシュできるので2エネで80ダメージという驚異的な火力を出すことができました。

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バシャーモ(ADV1)、エネコロロ(ADV1)との組み合わせが非常に強力でした。エネコロロは当時トップクラスのドローエンジンでこいつが無理なく組み込めることで、非常に高い安定性を誇ったのもこのデッキの魅力です。

また、マルチエネルギーと虹エネルギーがたくさん入る都合上、前述のソーナンスを無理なくデッキに組み込むことができました。
サーナイト(ADV1)と違いたきつけるはダメージカウンターが乗らないので、むしろこっちのデッキのソーナンスのが強かったまでありました。

5.バトルロード サマー2003(予選)

ここで、当時の環境解説にすっかり主役を奪われている僕の話に戻ります。

去年の夏は予選落ち、今年の春も入賞圏外とすっかりハーフデッキに苦手意識がついていたため、まずここを払拭して予選を突破しないことには話にならないと考えてました。

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当時のハーフデッキで強いデッキと言えば、デンリュウex+マイナン(ADV3)の組み合わせ。もしくはレックウザex+マイナン(ADV3)と言った感じで、いずれの場合もソーナンスは1枚入ると言った感じでした。

ここで僕は考えました。多くのデッキはソーナンス1枚だけなら対応できるようにデッキは構築されている。だが、2枚ぶつけられたら対処できないのではないかと?

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ソーナンスを2体使う上でネックになるのはエネルギーの加速手段でした。サーナイトだとトランスシェイドの効果でダメカン2つ乗った時点でマイナンの射程に入って使い物にならなかったので、バシャーモを使うことにしました。ついでにレックウザexも入りました。このデッキにおいては脇役ですが、ハーフでバシャーモで加速して殴ってくるレックウザなんて誰も想定していないので、結構な破壊力がありました。

自分の中でもこれ以上はないデッキを作ったつもりでしたが、予選3戦目でふしぎなアメが引けずに負けてしまい、またも2勝1敗で予選落ちでした。合掌。

6.オマケ バトルロード スプリング2003 開催されない疑惑

実は2003年春、「今年の春はバトルロード開催されないのではないか?」という疑惑がありました。

当時の公式大会は、現在のチャンピオンズリーグのように事前応募の形式で行われていましたが、いつもなら事前応募が始まる時期が過ぎても、一切公式に動きがありませんでした。
蓋を開けてみれば、当日参加形式であったため、事前応募に比べて遅い告知になっただけなのかもしれませんが、「ポケモンカードe」で目に見えて失速してることは誰の目から見ても明らかであったため、「ついに会場借りるお金もなくなったか?」「ポケモンカード自体終わってしまうのではないか?」などガチでユーザーから心配されてました。


また、一部ユーザーの間では、公式イベントがない代わりに自主開催の大会で盛り上げていこうという動きがありました。


以上です。次回は2003年の秋に少し触れながら2004年の春夏を語っていきます。ここからが本番です。

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