見出し画像

#035 ジオグルメ「炭谷ごぼう」

友人の一般社団法人トピカ村山君の案内で、
香川大学の長谷川教授と、塩江周辺のフィールドワークを実施

塩江の近くには、竜王山(1059m)や大滝山(946m)を主峰とする讃岐山脈があり、和泉層群と呼ばれる古生代の火山岩類や頁岩が分布している。

砂岩の地質がくっきり見えるところがあり、地球の地殻変動による大地の営みが確認できる。

和泉層群の地層が確認できるポイント
砂岩の地層

砂岩は海底で砂粒が堆積して押し固められた石で、硬度や密度が低く、柔らかい石。

この砂岩を砕いた土壌を用いて作られているのが、塩江地区で200年以上の歴史ある伝統野菜「炭谷ごぼう」

炭谷ごぼう
【引用】http://blog.matuno.co.jp/archives/1016397520.html

「炭谷ごぼう」とは、香川県高松市塩江町の炭谷地区で栽培が始まった伝統野菜で、高松藩主に献上されるほどの珍味。

太くて重いごぼうは、柔らかくて香り高く、あくが少ないのが特徴。

まだ収穫時期が来ていないので食べれないんだけど、説明聞いてるだけで美味しそう🤤

しかし、炭谷ごぼうは希少な野菜。
その理由は、栽培が大変だからっ

急斜面の畑では機械が使えず、手作業で土を運び、約80cmの穴を掘り、育て、収穫する。

急斜面な所にある炭谷ごぼうの畑

また、山奥の地区では高齢化が進み、ごぼうを作る農家は減少とのこと。

この大地の恵みもこのままだと消滅の可能性もある。

炭谷ごぼうの生育に重要なのがその土壌らしい。炭谷地区の土は粘質で水はけが悪いので、乾燥すると粒状になる。これがごぼうの根に空気を含ませて、柔らかさと香りを生み出しているとのこと。

この土の元が「砂岩」なんですね
まさに大地の恵み!

この大地の恵みの裏側に忘れてはならないのが、自然災害。

大正元年(1912)、台風に伴う豪雨により、塩江町上西地区では蛸山山頂が大崩壊。
崩壊土砂量は約90万立米で、人家5戸と多くの家畜が埋没し、死者26人の被害が出た。

蛸山土砂災害の碑

塩江調査を終えての気づき。

オリーブも棚田も土砂災害の跡地にある。
人間は、自然の恵みを頂きつつ、災害と隣り合わせであるということを先人の経験と知恵から学ばなければならない。

また、この地球の地殻変動が産んだ奇跡の伝統野菜を「炭谷ごぼう」を保存していくために、地域一体となって保存活動や、持続可能な体制を作るために収益確保のためにブランディングしていく必要性を感じた。ジオガストロノミーツーリズムの取り組みが、そのきっかけになるといいなぁ。

一般社団法人arcの体験型アクティビティでは、五感で学ぶ体験と、こういった知識の習得を合致させたものを作っていきたい

今は準備中なんで、
来年から本気出すぜ!(笑)



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?